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「十二国記シリーズ」とは? 傑作ファンタジー小説の魅力に迫る!


更新日:2019/8/1

1991年にその後のシリーズの原点となる『魔性の子』が発表されて以降、独特の世界設定で読者を魅了してきた小野不由美さんの著書「十二国記シリーズ」。
2014年を最後に刊行が止まっていましたが、新作『白銀の墟 玄の月』が2019年に発刊されることが発表されました!

小説の枠を超えてテレビアニメも放映されるなど、さまざまなメディア展開も見せる本シリーズ。なぜ大きな人気を集めているのでしょうか。

ここでは、シリーズの魅力を紹介します。

 

「十二国記シリーズ」って?

『月の影 影の海』表紙

十二国記シリーズ
小野不由美(著)、講談社ほか

『屍鬼』や『残穢』などのホラー小説でも知られる小野不由美さんが手掛ける、壮大な異世界ファンタジー小説「十二国記シリーズ」とはどんな作品なのでしょうか。

 

神仙や妖魔が存在する12の国からなる「十二国」と呼ばれる世界が舞台。特徴は、ファンタジーものでありながら、現代の日本、過去の日本が物語に絡んでくるということです。

物語のなかで、日本は「蓬莱」と呼ばれています。そこからやってきた人は「海客」と呼ばれ、国によっては差別の対象になるのです。
シリーズ1作目の『月の影 影の海』で主人公となる高校生の中嶋陽子も、十二国出身でありながら現代日本に生を受けた蓬莱出身者でした。

日本とそう遠くない位置づけにある異世界「十二国」での人々の生活、王として国を治めるものの覚悟がシリーズを通して描かれます。

 

「十二国記シリーズ」を紹介

冒頭でも書いたように、「十二国記シリーズ」の原点となるのが『魔性の子』です。

しかし『魔性の子』で十二国の存在は語られず、1つのホラー作品という位置づけに。しかし2014年に発刊元が変更になったことを機に、シリーズの「Episode-0」として統合されるようになりました。

早々に十二国記の世界に浸りたいなら、シリーズ1作目にあたる『月の影 影の海』から読むのがおすすめです。
『魔性の子』は、関連の深い『風の海 迷宮の岸』の外伝として読んでいくのも良いでしょう。

 

 

新作発売はいつ!?

2019年に発刊される新作『白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月』の長編は全4巻、10月・11月の2ヶ月連続で刊行されることが発表されました。
1・2巻が10月12日(土)、3・4巻が11月9日(土)発売。これは楽しみすぎますね……!

 

「十二国記シリーズ」の魅力

ここまでシリーズについて簡単に紹介してきましたが、ずばり何が魅力なのでしょうか?
3つのポイントをまとめました。

 

1.練られた世界設定と雰囲気が魅力

昔の中国のような雰囲気がある十二国ですが、中国とは全く違う異世界です。

慶、雁、巧、奏、柳、才、範、恭、戴、舜、漣、芳。
12の国があり、麒麟といわれる神獣によって選ばれた王が、それぞれの国に君臨し、国を治めています。

王の繁栄とともに国も繁栄し、王の失策とともに衰えていく国々。
人も獣人も木から生まれるその世界は、古風な雰囲気を感じつつどこか神聖な雰囲気をも感じられます。

不思議な感覚と、どこか親しみのある世界が魅力のひとつです。

 

2.さまざまな国が交錯する構成

十二国には、戦争の絶えない人間界に嫌気のさした天帝が、5柱の神と12人の人間を除き、全てを滅ぼしたことが起源の創世神話があります。そのため、国の取り合いをする戦争がありません。
しかしながら、そのために王の政策が国の行く末を左右してしまうという世界なのです。

「十二国記」は、ひとりの人間に焦点をあてるのではなく、十二国のさまざまな国、人に焦点をあて進んでいく構成となります。
まるで自分自身もその世界を見守るような存在として、読み進めていくほどに引き込まれるのが魅力です。

 

3.生きることへの挑戦と人の心の成長

「十二国記シリーズ」では、ファンタジーをきれいごととして描いてはいません。ときにひどい目にあうこともあれば、騙されること、命を落としてしまうこともあります……。

特に、蓬莱からやってきた人の運命は過酷なものです。言葉も通じなければ、蓬莱にも帰れないという絶望の中、生きていくことになります。

こうした辛い状況を生き抜く人々の姿は、まさに生きることへの挑戦ともいえるでしょう。
また、慶王になる陽子が決意を固めて国を動かす姿など、人としての成長もしっかりと描かれた作品です。

 

アニメと原作の相違点

「十二国記」表紙

十二国記
(株)ポニーキャニオン

「十二国記シリーズ」は、2002年にテレビアニメにもなりました。
アニメとして放映されたのは、小説の『月の影 影の海』~『東の海神 西の滄海』までのお話です。

 

話の流れは原作と大方変わりはありません。しかし大きな違いとなるのが『月の影 影の海』の主人公である陽子が、慶国の麒麟・景麒とともに十二国にいくところ。

小説ではここの部分が陽子1人なのですが、アニメでは同じ学校の浅野と杉本も一緒に十二国に渡ることとなります。
小説では十二国に行かなかった2人が加わったことで、慶国に行くまでの道中、陽子のやり取りなどに変更がありました。

3人の絡みと今後の展開という楽しみが増えた部分が、オリジナルとはまた違った魅力だといえます。

もしまだ見ていないのであれば、こちらもぜひ見てみてくださいね。

 

不思議で人間的な十二国記の世界に浸ろう

どこか遠くに感じる十二国ですが、人としての生き方、強さは私たちに通じるものもあります。異世界の魅力だけでなく、人の心に訴えかける作品だからこそ長らく人気を集めてきたのでしょう。

みなさんも、「十二国記」の世界に浸ってみませんか?

今回ご紹介した書籍

十二国記シリーズ
小野不由美(著)、講談社ほか

アニメ版「十二国記」はこちら

 

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