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【2017年】今年読んだおすすめの本ベスト5


2017年もあとわずか。みなさんは、今年どんな本を読みましたか?

 

そろそろ今年読んだ本の総ざらいをするのも楽しい季節です。印象に残った本や、感動して思わず涙した本、人生を変えるような本に出会った人もいらっしゃるかもしれませんね。

今回は、わたしが個人的に今年読んで印象に残った本の中からみなさんにおすすめしたい選りすぐりの本 ベスト5をご紹介いたします。

 

英国貴族に仕える執事の物語

『日の名残り』
カズオ・イシグロ(著)、早川書房

今年ノーベル文学賞を受賞して一躍時の人となったカズオ・イシグロ氏の代表的作です。「同じくこの作品を読んだ!」という方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
映画化でも話題になり、執事役のアンソニー・ホプキンスの抑制のきいた演技が絶賛されました。

英国のお屋敷の執事が主人公のこの物語。かつての同僚に会うために、前の職場での思い出深い出来事を思い起こしながら旅をする、執事の回想を綴った静かで品のある大人の物語です。

英国執事の仕事とはどんなものなのか、その裏方の仕事を通して見えてくる世界情勢、仕事に誇りを持って生きることの大切さについて考えさせられます。

また一方で、真面目で融通がきかない性格ゆえに、恋愛でもコミュニケーションが上手にとれないもどかしさという主人公の人間的な部分が魅力的に描かれていて、さまざまなことを一つの物語から読み取ることができる作品です。

 

「勉強」とはなんなのか?

『勉強の哲学 来たるべきバカのために』
千葉雅也(著)、文藝春秋

この本は、勉強するとはどういうことなのかを、新進気鋭の哲学者である千葉雅也氏がわかりやすく説明した本です。具体的な勉強方法なども書かれているので、大学生の必読書にもなっています。

「勉強とは自己破壊である」と語る千葉氏。勉強するということはただ単に知識を増やすことではなく、今までの自分ではなくなるということ、なんですね。

勉強をするようになると、初めは周りの人とのフィーリングが合わなくなってしまうのだそうです。

でも大丈夫。「来たるべきバカ」とは、勉強することによってまわりの人ともまた馴染んで行けるようなスキルを身につけた人のことをいいます。勉強を続けることで「世間に迎合も孤立もせずに」生きていくことができるのです。

ではそのスキルとは一体どういうものなのか? 気になる人はぜひこの本を手に取ってみてください。

 

見えない人の、世界の認知の仕方

『目の見えない人は世界をどう見ているのか』
伊藤亜沙(著)、光文社

 

美学と現代アート専門の著者が、目の見えない人と関わりながら、目が見えない人にとっての感覚世界を解き明かしてくれるのがこちらの本。

同じ街を歩いていても、目の見える人はまわりにある建物や看板等の数多くの情報を見ながら歩いているのに対し、目の見えない人は土地の高低差や全体像を察知しながら歩いているのです。
そのため、情報が少ない分広がりのある「空間感覚」を持っていることなど、目の見えない人の周囲の捉え方が、普段の私たちとどう違うのかが具体的に説明されています。

読者の知覚が目の見えない人の感覚を通して広がっていくように感じられる画期的な一冊です。目が見えない人に対してどのようなスタンスで付き合えば良いのか、視覚障害のある人の言葉を聞くことによって教えられることの多い本でもあります。

福祉関係に携わる人だけでなく、全ての人にぜひ読んでもらいたい、発見のある一冊です。

 

まるでアート、な一冊

『どんぐり』
オノ・ヨーコ(著)、越膳こずえ(訳)
河出書房新社

世界を代表するアーティスト、オノ・ヨーコ氏の本です。「私は種を蒔いているだけです。さあ、たのしんでください。」とこの本で語るヨーコ氏。

「空に浮かぶ星を見る。手の届かない存在ではなく いつか訪れる星と思って。」など、イメージを喚起させるアイデアを、綴った言葉と点描で構成されているヨーコ氏のアート作品のような本です。

同じような形式で書かれた、1964年刊行の『グレープフルーツ』の読者にとっては、50年後のヨーコ氏の言葉はより優しさと広がりをもって感じられるかもしれません。

常識という世界でがんじがらめになっているときに、自由な世界への扉を開いてくれるようなワクワクする言葉がつまった一冊です。贈り物にもおすすめですよ。

 

人々のいとおしい個性

『あなたを選んでくれるもの』
ミランダ・ジュライ(著)、岸本佐知子(訳)
新潮社

著者は、アメリカで作家、俳優、映画監督とさまざまな分野で活躍するミランダ・ジュライ氏。

ふとミランダ氏が手に取った『ペニー・セイヴァー(Penny Saver)』というフリーペーパーの「不用品を買いませんか」というコーナーに掲載されていたものは、お手製のアート作品、オタマジャクシ、大量のテディ・ベアなどちょっと不思議なものばかり。
「インターネットの発達したこの時代に、チラシの売買広告にこんな投稿をする人は一体どんな人たちなのか?」と、興味を持ったミランダ氏が、広告を出した人たちにインタビューをして、それをまとめた本です。

ものと人との関係を追っていくうちに、それぞれ今の時代を生きる人々のかけがえのない人生が垣間見えて、人間がいとおしく思えてくる一冊ですよ。

 

世界が新鮮に見えてくる本で前向きな気分に

今回のベスト5は作家やアーティスト、学者など、さまざまな分野で活躍している人の書いた本を集めてみました。読んだ後に世界の見え方が少し変わるような、そしてちょっと前向でいい気分になれるような本ばかりです。

ぜひ来年の読書の参考にしてみてくださいね。

 


今回ご紹介した書籍

日の名残り』カズオ・イシグロ(著)、早川書房
勉強の哲学 来たるべきバカのために』千葉雅也(著)、文藝春秋
目の見えない人は世界をどう見ているのか』伊藤亜沙(著)、光文社
どんぐり』オノ・ヨーコ(著)、河出書房新社
あなたを選んでくれるもの』ミランダ・ジュライ(著)、新潮社


2005年以降にベストセラーになった本の中から、お気に入りの一冊を見つけてみませんか?