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泣きたい時は思いきり泣こう。「動物」がテーマの感動小説・エッセイ


感動して目頭を熱くさせるような本は数あれど、いざ本屋さんに出向いて本棚に立つと、どれを読もう……と迷ってしまいますよね。

そんな感動して泣ける本の中でも、今回は動物が主題の感動小説・感動エッセイをご紹介します。
ストレス発散したい、普段泣きたい気持ちを我慢しているという方。
ふと泣きたいと思ったら、ぜひ手にとってみてください。

 

いくつもの”自宅”を持つ通い猫
通い猫アルフィーの奇跡

『通い猫アルフィーの奇跡』
レイチェル・ウェルズ(著)、中西和美(訳)
ハーパーコリンズ・ジャパン

 

外を自由気ままに放浪する猫は、いくつもの”自宅”を持っています。

この物語のアルフィーという猫も飼い主を亡くしたため、「通い猫」として生きていく道を選びます。
しかし、誰にでも可愛がられ順風満帆な日々を送れるわけではありません。猫視点で話は進みますが、決して楽ではない猫の生活とアルフィーの出会う人々の人間模様にハラハラさせられる場面もあります。

猫を飼っている人なら、なおさら感情移入してしまうかもしれません。うちの猫が突然ノラ生活をしいられたら……。

ラストの涙のあとには、ほっこり癒してくれるところが猫のいいところ。

 

「限りなく愛する」ことを知る
おやすみ、リリー

『おやすみ、リリー』
スティーヴン・ローリー(著)、越前敏弥(訳)
ハーパーコリンズ・ジャパン

 

タイトルで既に涙を誘う『おやすみ、リリー』は、文字通り老犬を見送る男性の話。
主人公”ぼく”(テッド)の飼っているダックスフンドの”リリー”は、頭に腫瘍の”タコ”ができました。テッドとリリー、そしてタコとの会話を中心に物語は進んでいきます。

本編で多くは語られませんが、深い悲しみを抱えたテッドはリリーに出会ったとき、「限りなく愛する」ことを知ったと思いました。だからこそ、死がわかっていて読み進める辛さが胸を締め付けます。

愛には限界があると感じていたテッドに希望を与えたリリー。
弱気なテッドとは違い、ダックスフンドの性格をそのまま表現したようなハツラツとしたリリーの話し方がユーモラスで、哀情の中に活気を与えてくれます。

 

新しい飼い主を探す旅に出る
旅猫リポート

『旅猫リポート』
有川浩(著)、講談社

 

『空飛ぶ広報部』『阪急電車』『図書館戦争』などなど、挙げしたらキリがないほど有名作品を手がけている、有川浩さんの著書です。

サトルに拾われたオス猫のナナは、5年間暮らした家族と別れなければいけなくなりました。新しいナナの飼い主を見つけるべく、サトルとナナは旅に出かけます。

一緒に暮らしていた飼い猫を手放す旅に出るという、それだけで少し悲しい気持ちになりましたが、読み進めるうちに涙が止まりませんでした。猫目線で描かれていて、そのリアルな仕草が余計に涙を誘います。
涙腺の弱い方は出先で読むのはお勧めできません。

2018年には福士蒼汰さん主演で映画化されることが決定しています。

 

ペンギンと暮らした奇跡の実話
人生を変えてくれたペンギン 海辺で君を見つけた日

『人生を変えてくれたペンギン 海辺で君を見つけた日』
トム・ミッチェル(著)、矢沢聖子(訳)
ハーパーコリンズ・ジャパン

 

著者で教師でもあるトム・ミッチェルは南米旅行中に、重油まみれの生き絶えた数千羽のペンギンを見つけます。
その中に一羽だけ生き残っていたペンギンを助け、一緒に自身が勤めるアルゼンチンの全寮制男子校へ。
「フアン・サルバドール」と名付けられ、マスコット的存在になりました。

著者の実体験に基づいた実話ではありますが、そもそも野生のペンギンが人間に懐くということにびっくりです。トムが選んだペンギンは想像以上に賢く、飼育のために四苦八苦する様子、生徒や街の人々との関わりは自分もペンギンを飼っているかのような錯覚を味わえました。

ペンギンとの楽しい生活と別れ、そして自然について考えさせられる一冊です。

 

もし寿命とひきかえに何かを消すことになったなら
世界から猫が消えたなら

『世界から猫が消えたなら』
川村元気(著)、小学館

 

猫のキャベツとふたり暮らしである郵便配達員の主人公はある日、脳腫瘍で余命わずかであると告げられます。そこに自分そっくりな「悪魔」が訪れ、この世界から何かを一つ消すと一日生きられると取引を持ちかけました。

余命が一日伸びるたびに思い出されるのは、亡くなった母親との思い出や長らく連絡をとっていない父親のこと。余命わずかながら平凡な日々を見直す主人公は皮肉に見えましたが、後悔や不安、死への悲しさが目頭を熱くさせます。

悲しいけれど、なぜか温かい涙が流れる……そんなお話です。

 

「犬の十戒」を元に書かれた犬と少女の物語
犬と私の10の約束

『犬と私の10の約束』
川口瞳(著)、文藝春秋

 

世界中で話題となった作者不詳の「犬の十戒」という、犬の立場から語りかけている英文の詩があります。これを元に書かれた『犬と私の10の約束』。

12歳のあかりの母親は入院しており、父親は医師で毎日忙しく働いています。あるとき、子犬を飼うことになり、母の病室であかりは子犬と「10の約束」をしました。

犬は人間より早く年をとり、死んでしまいます。別れが早いことがわかってはいても、なかなかかまってあげられなかったり、気持ちをわかってあげられなかったり……。それでもずっと変わらず、主人を思う気持ちを持ち続けてくれる犬に切なさが込み上げてきました。

犬を飼っている方、これから犬を飼おうと思っている方にぜひ読んでいただきたい作品です。

 

「行動展示」を発案した旭山動物園の園長
動物が教えてくれた人生で大切なこと。

動物が教えてくれた人生で大切なこと。
小菅正夫(著)、河出書房新社

 

入場者数減少で閉園の危機にあった旭山動物園を日本一にした小菅正夫園長。

当初は獣医師として就職しましたが、動物の本来の姿を見せる「行動展示」を発案して、力強い動物たちの「命を伝えよう」と奮闘されました。生きるために食べて、死んで、土に還る……。自然界の残酷な一面、生きることへの執着に貪欲な動物たちの姿には胸が熱くなります。

誕生の喜びから死の悲しみまで、動物園の園長として避けては通れない現実が、複雑な人間の人生の中で何が大切であるか教えてくれるでしょう。

ほのぼのとした動物エッセイかと思いきや、しっかり動物の興味深い生態を知ることのできる一冊です。

 

一人の夜には涙活を

感情によって涙の種類はたくさんあります。

胸を締め付けられるような悲しい物語、感動を誘う物語、清々しくスッキリする物語……。
どれも涙を流してしまうのは心に響く素晴らしい作品だからです。

一人の夜には気分に合わせて読書の時間を作ってみませんか

 


今回ご紹介した書籍

■『通い猫アルフィーの奇跡』レイチェル・ウェルズ(著)、中西和美(訳)、ハーパーコリンズ・ジャパン
■『おやすみ、リリー』スティーヴン・ローリー(著)、越前敏弥(訳)、ハーパーコリンズ・ジャパン
■『旅猫リポート』有川浩(著)、 講談社
■『人生を変えてくれたペンギン 海辺で君を見つけた日』トム・ミッチェル(著)、矢沢聖子(訳)、ハーパーコリンズ・ジャパン
■『世界から猫が消えたなら』川村元気(著)、小学館
■『犬と私の10の約束』川口瞳(著)、文藝春秋
■『動物が教えてくれた人生で大切なこと。』小菅正夫(著)、河出書房新社


 

全国の読者がおすすめする「一番泣いた本」をまとめてご紹介♪