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もう一度読みたい。おとなが読む宮沢賢治の傑作5選


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宮沢賢治の物語は子ども向けだと思っていないでしょうか?

もちろん子どもが楽しめる作品も多いのは確かですが、人生や社会について考えさせられる内容も多いのです。

子どもの頃には気づかなかった魅力を発見することも多いのが、宮沢賢治作品の魅力!

今回は、大人になってから改めて読んでおきたい、賢治の傑作を5冊ピックアップしました。

 

銀河鉄道の旅の果てに2人は何をみるのか
銀河鉄道の夜

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『銀河鉄道の夜』
新潮社

言わずと知れた宮沢賢治の代表作!

ジョバンニが親友のカムパネルラと銀河鉄道に乗って、宇宙を旅する物語です。

2人は銀河鉄道でさまざまな人物に会うのですが、そこで語られるエピソードは生と死・罪など決して軽くはありません。直接的に説明されている箇所はありませんが、銀河鉄道が乗せている人には、ある共通点があることがうかがえます。
銀河をめぐる旅の最後に、2人は何を見つけるのでしょうか?

物語の設定は幻想的ながら、扱われるエピソードは意外と重くリアリティがあります。
十分に味わいつくすには大人ならではの経験・知識も必要でしょう。

この作品は、1985年に公開されたアニメ映画版も非常におすすめ!

キャラクターが一部を除いてすべて猫になっているのですが、この不思議な世界観にピッタリ合っています。
YMOの細野晴臣氏が手掛けた音楽も素敵で聞き入ってしまいます。

かなり昔の作品ですが、いまだに人気のためDVDやブルーレイディスクで販売されています。

 

 

彼は普通の男の子なのか、それとも……
風の又三郎

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「どっどど どどうど どどうど どどう」という、風を表す表現が冒頭に登場し、大きなインパクトを与える宮沢賢治の傑作の1つ!

高田三郎という不思議な少年が、ある日転校生としてやってきますが、地元の子どもたちに風の神様の子である「風の又三郎」ではないかと噂されます。

少し変わった少年であることから地元の子どもたちも最初は警戒するのですが、次第に高原や川へ遊びに行って仲良くなります。

ある日冗談交じりに三郎を又三郎だとからかうのですが、それを聞くや否や三郎は血相を変えて…

子どもの頃にも疑問に思っていたのですが、果たして高田三郎は風の精なのか、それとも普通の男の子だったのか。
あなたならどちらだと思うでしょうか?

いくつかの地域には実際に「風の三郎様」という子どもの神様の伝承があり、現在でも新潟や岩手などでは祭礼が開催されています。

 

理想の広場「ポラーノ広場」を探しに行こう
ポラーノの広場

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『ポラーノ広場』
角川書店

博物局に勤めるキューストとファゼーロたちが理想の広場「ポラーノの広場」を求めてあちこちを探す物語です。

モリーオ市の郊外には、その昔市民が祭りを楽しんだポラーノの広場があり、そこではどんな人もうまく歌えるという伝説がありました。キューストはポラーノの広場復活の噂を聞いて探し始めます。ついにファゼーロが広場を見つけ出したのですが、そこには……

主人公のキューストについては、宮沢賢治の生涯と重なる部分が多くあり、分身のような存在と解釈されることもあります。
その理由は「ポラーノの広場」を最終的にどのような姿にするのかに表れています。

物語を通して賢治の生涯をちょっと覗いてみたい方におすすめ!

 

イーハトーヴを救ったブドリの物語
グスコーブドリの伝記

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『グスコーブドリの伝記』
くもん出版

宮沢賢治の作品は死後に発見されたものが非常に多いのですが、生前に発表された数少ない作品の1つがこちら。

イーハトーブの森で暮らすグスコーブドリは、飢饉で両親を失い、妹ネリとも生き別れてしまいます。苦労しながらも学問の道に進み成長を遂げたブドリは火山局の技師になり、生き別れとなっていた妹とも再会できて喜ぶのですが、イーハトーブがまたしても飢饉に襲われ……

イーハトーブを危機から救うためにブドリが最終的に取った行動は、賛否両論あります。

私が幼い頃に読んだときは、なんて勇気があるんだろうと思いましたが、今読み返すとまた違う考えも湧いてきます。

この作品も農業をはじめ、賢治の体験が反映されており、「ポラーノの広場」とともに、賢治を知るための作品として貴重な物語のひとつ。

 

多くの人を励まし続ける詩
雨ニモマケズ

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『雨にもマケズ』
ポプラ社

童話作家の他に、詩人でもあった宮沢賢治。

「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」から始まるこの詩は、多くの人を励ました傑作として非常に有名ですね。一時期、この詩の全文が載った紙をフォトフレームに入れて飾り、繰り返し読んでいたほど好きな詩です!

大成功することはできなくても、名声を得ることができなくても、地にしっかりと足をつけて道を踏み外さずに生きていこう。

そう決意を新たにすることができます。人生で辛いことがあったり挫折したりしたときに何度も読み返したくなる詩です。

時代を超えて愛される詩というのは、まさにこういうもののことなのでしょう。

 

宮沢賢治の作品は大人でも読み応えあり!

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宮沢賢治の作品は童話のような物語ですが、そこには自身の人生論・感覚・心の揺らぎなどさまざまな要素がギュッと詰め込まれています。

いわゆる「子ども向け」とは違い、大人でも十分共感する内容で、読み応えがありますよ。小説の他に、詩集もおすすすめです。

久しぶりに賢治の作品を手に取ってみませんか?

 

 

今回ご紹介した書籍

銀河鉄道の夜』新潮社
風の又三郎』新潮社
ポラーノ広場』角川書店
グスコーブドリの伝記』くもん出版
雨ニモマケズ』ポプラ社

 

宮沢賢治の作品を含め、もう一度読みたい文学作品はこちら!