大人向けの恋愛小説おすすめ20選|人の数だけ愛の形がある
更新日:2017/9/17
やってみたい!と思っても、実際にはできないことってたくさんありますよね。
やりたくてもできないことがある人は、読書をしてみませんか?
想像力を膨らませて作品の世界に入りこめば、実際に体験した気分になれるかもしれません。
今回ご紹介するのは、大人向けの恋愛小説です。
複数の相手との恋愛や不倫など、さまざまな愛の形にどっぷりハマってみましょう!
永遠の幸せはどこにあるのだろう
『肩ごしの恋人』
『肩ごしの恋人』
唯川恵(著)、集英社ほか
奔放な愛し方しかできないるり子と、冷めた恋愛しかできない萌。
『肩ごしの恋人』は恋愛を通して自分らしい生き方を探し求める、対照的な2人の女性を描いた結川恵さんの恋愛小説です。
第126回直木賞受賞作品で、米倉涼子さん主演でドラマ化もされています。
結婚したからといって、永遠の幸せが保証されるわけではない今の世の中。
本当の幸せとは何かと考える人におすすめの作品です。
愛しているのに結ばれないふたり
『サヨナライツカ』
『サヨナライツカ』
辻仁成(著)、幻冬舎ほか
『サヨナライツカ』は、愛していたのに別れなければならなかった女性と数十年後に再会してしまった男性を描いた恋愛小説です。
中山美穂さん主演で2010年に映画化されています。
女性を愛しているのに、様々なしがらみで妻と離婚できない男性。そして一途に男性を愛し続けた女性。
運命に翻弄されて結ばれない二人がとても切なくて涙を誘うので、泣きたい気分の時におすすめの小説です。
いつかわたしに訪れる運命の人
『運命に、似た恋』
『運命に、似た恋』
北川悦吏子(著)、文藝春秋
『運命に、似た恋』は、北川悦吏子さん脚本のドラマを小説家した作品です。
もしも数十年後に初恋の少年が目もくらむような美しい青年になって現れたら?というストーリーで、この恋は運命なのか、と悩む大人の女性の恋心が丁寧に描かれています。
少女時代の淡い初恋や、いつか自分にも運命の人が現れるはず、と思っていたピュアな気持ちが思い出せる作品なので、ときめきたい!という時にぜひ読んでください。
好きな人には言い寄れない
『言い寄る』
『言い寄る』
田辺聖子(著)、講談社ほか
言い寄ってくる男はたくさんいても、好きな男には言い寄ることができない……。
田辺聖子さんの『言い寄る』は、複数の男と恋愛を楽しみながらも、本当に好きな男には素直になれない女の恋愛模様を描いた作品です。
30年以上前に書かれた作品ですが、主人公の乃里子や乃里子を取り巻く男たちの心理描写が細やかに描かれており、古臭さは感じられません。
また、『言い寄る』は三部作になっており、『私的生活』、『苺をつぶしながら』でも乃里子が愛を模索する姿を読むことができますので、ちょっと長めの小説を読みたい!という時におすすめです。
愛の形に正解なんてないのかもしれない
『A2Z』
『A2Z』
山田詠美(著)、講談社
直木賞作家山田詠美さんの『A2Z』は、ダブル不倫を描いた小説です。
しかし、ダブル不倫といっても修羅場満載のドロドロした恋愛小説ではなく、夫婦関係を続けながらもお互いの不倫相手との恋愛を楽しむ大人の恋愛が描かれています。
不倫は社会的に認められるものではありませんが、男女の愛の形に正解はないかもしれない、と思わせる作品です。
あなたの未来がわかる
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』
七月隆文(著)、宝島社
一目ぼれをした女性に、重大な秘密があったとしたら?
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』は、謎めいた彼女とのピュアな恋愛を描いた小説です。
不倫などのドロドロした描写がないので、さわやかな気分になりたいときにぜひ読んでください。
ライトノベルを中心に執筆活動をする七月隆文さんが初めて一般文芸ジャンルに挑んだ作品で、2016年に福士蒼汰さん主演で映画化されました。
時効間際の容疑者と不倫の恋に堕ちた僕
『夜明けの街で』
『夜明けの街で』
東野圭吾(著)、 角川書店
東野圭吾さんの『夜明けの街で』は、不倫を軽蔑していた主人公が殺人事件の容疑者と不倫に陥ってしまう作品です。
東野圭吾さんはミステリー作家で『夜明けの街で』もジャンルとしてはミステリー小説ですが、主人公が不倫に悩むなど恋愛要素が多い珍しい作品なので、恋愛小説としても読み応えがあります。
甘いだけの恋愛小説では物足りない!という人におすすめの小説です。
15分間のラブストーリー
『阪急電車』
『阪急電車』
有川浩(著)、 幻冬舎
電車を舞台にした恋愛を描いた『阪急電車』。
たった15分の乗車時間に凝縮された恋愛模様はドラマチックで、読む人の心を惹きつけます。
オムニバス形式で一話ごとに話がまとまっており、テンポよく読める作品なので長編小説が苦手な人にもおすすめです。
2011年に中谷美紀さん主演で映画化されているので、ぜひ映画もチェックしてみてください。
40代からの生き方を問いかける
『マチネの終わりに』
『マチネの終わりに』
平野啓一郎(著)、 毎日新聞出版
愛し合っていても、出会うタイミングを間違えると上手くいかない大人の恋愛を、芥川作家の平野啓一郎さんが書いた作品です。
恋愛に焦点をあてているものの、仕事との関わり方や生死観などで悩むことも多い40代からの生き方を模索する主人公たちの様子も描かれているので、甘いだけの恋愛小説では満足できない人にもおすすめ。
毎日新聞で連載後に書籍にまとめられた作品です。
安全でも、適切でもない恋に溺れた。
『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』
『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』
江國香織(著)、集英社ほか
10個の異なる恋愛を綴った江國香織さんの短編集。
不倫などの、安全でも適切でもない恋に溺れる女性たちが描かれており、第15回山本周五郎賞を受賞した作品でもあります。
一話ごとのページ数が少なく、また淡々とストーリーが進んでいくので読みやすいので、気軽に小説を読みたい人におすすめです。
作家の山田詠美さんの解説も収録されているので、山田詠美さんファンもぜひチェックしてみてください。
自分の弱さをさらけ出す勇気
『やめるときも、すこやかなるときも』
『やめるときも、すこやかなるときも』
窪美澄(著)、集英社
この窪美澄さんの『やめるときも、すこやかなるときも』は、初恋の人を事故で失った過去を持つ家具職人と、32歳まで恋愛経験のない女性の恋物語です。
家具職人の壱晴は、恋人を失ったショックで声が出なくなるという精神的な症状を抱えていました。
一方家族に問題を抱えつつ、仕事や家族に振り回されてどんな風に恋をしたら良いかわからない桜子。全く違った生い立ちの二人がぎこちなくも、歩み寄っていく姿に心を打たれます。
恋の記憶と香りの記憶
『コイノカオリ』
『コイノカオリ』
角田光代 ほか(著)、角川書店
ふとした香りで、昔の恋人の記憶が蘇ることはありませんか?
本作は、角田光代さん・島本理生さんら人気の6人の女性作家が、香水やタバコ、料理といった「香り」をテーマに描かれた恋愛小説をまとめた短編集です。
切ないような懐かしいような、恋の香りを感じる時間を楽しんでみてはいかがでしょう。
恋愛に歳は関係ない
『無銭優雅』
『無銭優雅』
山田詠美(著)、幻冬舎
40歳も過ぎると、もうこれから恋愛することなんてないかもしれない。ふとそんな気持ちが心をよぎったら、ぜひ読んでみて欲しいのがこの小説。40歳をすぎて出会った男女の恋物語が描かれています。
どの恋愛小説でも普通に描かれる不倫や浮気はこの物語には登場しません。そこがかえって新鮮な作品になっています。
どんな年でも純愛ができるという清々しい気持ちになれます。
恋愛はやはり切ない
『劇場』
『劇場』
又吉直樹(著)、新潮社
芥川賞を受賞して一躍時の人となった又吉直樹さんの待望の二作目がこの『劇場』。劇団を主宰している永田と恋人の沙希の恋愛が描かれています。
演劇にのめり込み、つい冷たい態度をとってしまう永田、お互いを想っていながらもなかなか気持ちがうまく通じ合えないもどかしさ、恋愛の切なさをひしひしと感じるお話です。
誰もが持つ心の闇
『紙の月』
『紙の月』
角田光代(著)、角川春樹事務所
自分に興味のない夫と変わりばえのしない結婚生活をただ続けている……そんな主婦の寂しい心をうめてくれるものとは?
銀行の契約社員をしていた梨花は、年下の大学生・光太と恋に落ちます。光太にお金をつぎ込み、挙げ句の果てに銀行のお金を横領してしまう梨花。
彼女をそこまで掻き立てるものとは。一見理解しがたい人間の行動の心の闇に迫る小説です。
涙がとまらない
『恋愛寫眞 もうひとつの物語』
『恋愛寫眞 もうひとつの物語』
市川拓司(著)、小学館
恋愛は片思いでも両思いでも切ないものですよね。
本作は、カメラマンを目指していた大学生の男の子 誠人が、謎の多い女の子 静流と出会う物語。
静流は誠人から写真を習うようになり、誠人と静流は距離を縮めて行くように見えますが……。
切ない青春の恋物語ですが、ほのぼのとした優しい作者の視点を感じます。思いっきり泣きたい人にもおすすめです。
リアリティのある恋愛小説
『タイニー・タイニー・ハッピー』
『タイニー・タイニー・ハッピー』
飛鳥井千砂(著)、角川書店
東京郊外にある大型ショッピングセンター「タイニー・タイニー・ハッピー」を舞台に、恋愛や仕事、結婚にとまどいながらも向き合っていく8人の男女を描いた作品です。
重い不倫ものでも純愛ものでもないですが、日常的な若者の恋愛模様なだけにリアリティがあり、共感をもつ読者も多いのではないでしょうか。
恋愛小説が苦手な人や、もっと軽い気持ちで読んでみたい人におすすめです。
愛って何?
『逃げてゆく愛』
『逃げてゆく愛』
ベルンハルト・シュリンク(著)、新潮社
巷に溢れている「愛」という言葉。でも愛って何?と考えると、その捉え方は人それぞれですよね。
ベルンハルト・シュリンク氏の『逃げてゆく愛』。この意味深なタイトルの作品には、妻を亡くした男が、知らない男から届いた手紙の謎を追う話や、ドイツ人の青年とユダヤ系アメリカ人の女性の恋など、愛をテーマに描かれる七つの短編が収められています。
過去の歴史と向き合うことを根底のテーマに描く作者の大人の恋愛小説です。
浮気男の切ない胸の内
『こうしてお前は彼女にフラれる』
『こうしてお前は彼女にフラれる』
ジュノ・ディアス(著)、新潮社
テーマから期待感を持たせてくれる『こうしてお前は彼女にフラれる』は、ドミニカ共和国生まれのアメリカの小説家ジュノ・ディアス氏の作品。浮気男ユニオールと女たちのおかしくも切ない愛の物語です。
恋愛小説にもお国柄が出るのでしょうか、日本の恋愛小説にはないテンポと感性が新鮮に感じます。
アメリカの人種差別や貧困問題なども絡めて描かれている読み応えのある作品です。
上質な大人の恋愛小説
『夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』
『夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』
カズオ・イシグロ(著)、早川書房
大人の恋愛小説といえば、やはりこの作品は外せません。
年を経るにつれて、過去の思い出や人生の悲喜こもごもが熟成されて深みを増していきます。
カズオ・イシグロ氏 初の短篇集。ギタリストやサックス奏者、歌手など、老齢に達した音楽に関わる登場人物を通して、大人の男女の心の機微を描いた味わい深い物語です。
恋愛の形はさまざま。大人向けの恋愛小説
大人向けの恋愛小説をご紹介しました。
映画化されている作品も多いので、小説が気に入ったら映画を観てさらに作品の世界に入りこんでみても良いでしょう。
どうぞお気に入りの恋愛小説を見つけて、読書でいろんな恋愛を体験してみてください。
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