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宮部みゆき著『蒲生邸事件』あらすじ・感想


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蒲生邸事件
宮部みゆき(著)
文藝春秋
発売日:1996/10/10

 

 

 

あらすじ

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大学受験に失敗し、予備校に入るために上京した尾崎孝史。ところが泊まったホテルで火災が起きた。
同じホテルに泊まっていた不気味な中年男・平田の助けで避難するが、そこには見慣れない風景が……。孝史は2.26事件真っただ中の1930年代にタイムスリップしていた。

 

歴史を変えることはできるのか……。

宮部みゆきさんの『蒲生邸事件』は、1996年に単行本が発売されたSF小説です。1997年に第18回SF大賞を受賞し、第116回直木賞にノミネートされました。
1998年にはいしだ壱成さん、平田次郎さん主演でテレビドラマ化され、1999年にはラジオドラマ化されています。

 

主人公の尾崎孝史は大学受験に失敗し、予備校に入るために東京のホテルに泊まりました。ところがホテルで火災が起こり、同じホテルに泊まっていた平田と共に避難した先はなんと昭和初期。あの有名な2.26事件を目の前で見ることになるのです。

孝史は2.26事件についてほとんど知りません。さらに突然昭和初期の世界に放り込まれ、戸惑うばかりです。しかし、時代の流れはそんな孝史などおかまいなしに大きくうねり始めます。

史実にそってストーリーが進むため、事件について知らない読者も、孝史と一緒に学んでいけるように描かれているのが特徴です。
2.26事件で自決した蒲生将軍の家族、使用人も巻き込んで密室事件といったミステリー要素、孝史と蒲生亭の使用人・ふきとの交流など人間ドラマも描かれます。
心を通わせた人たちを救いたいのに、歴史は変えられない…読んでいるうちに、孝史の戸惑いや悲しみ、怒りに共感し、物語に引き込まれていくでしょう。

人生は思い通りにならない、置かれた状況の下、必死で生きていくしかないという現実を知り、頼りなかった孝史がだんだん成長していきます。
一連の出来事が孝史にどんな影響を与えるのか、また物語にどんなメッセージが込められているかを読み解いてください。

 

今回ご紹介した書籍
蒲生邸事件
宮部みゆき(著)、文藝春秋

 

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