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読んだ小説は数千冊。読み返しすぎてボロボロになるほど面白かった本。


 

今日のテーマは「読み返しすぎてボロボロになるほど面白かった本」。

面白い本は、何度読んでも面白いものです。
初めて読むときは、先が気になってどんどん読み進めてしまいますが、再読すると「ここに伏線があったんだ!」と気づいたり。
久々に読んでみたら、(歳を重ねたからこそ)さらに楽しめたり。

結果、面白い本は何度も何度も読み直すので、ボロボロになりがちです。

 

今回のコラムでは、実際に私の本棚にある「ボロボロになっている」本を紹介したいと思います。

多くの人にいろんな形で楽しんでもらいたいという思いを込めて

・人間ドラマ

・サスペンス

・恋愛小説

・ファンタジー

の各ジャンルから、エンターテイメント性の高い大衆小説を選書しました。

少々過激ではありますが、寝食を忘れ、徹夜して読み切るほど面白い作品が揃っていますので、興味のある方はぜひ。

 

 

一人の女性芸能人が、ブレイクした先に待っていたものとは……。
『夢を与える』

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夢を与える
綿矢りさ(著)、河出書房新社

幼い頃からチャイルドモデルをしていた美しく健やかな少女・夕子。中学入学と同時に大手芸能事務所に入った夕子は、母親の念願どおり、ついにブレイクする。連ドラ、CM、CDデビュー…急速に人気が高まるなか、夕子は深夜番組で観た無名のダンサーに恋をする。だがそれは、悲劇の始まりだった。夕子の栄光と失墜の果てを描く、芥川賞受賞第一作。(表紙裏)

綿矢りささんが『蹴りたい背中』で芥川賞を受賞した後の第一作。

綿矢さんいわく、より進化したものを書こうとするも、書けずに行き詰まり、原稿をボツにされ続け、やっとの思いで完成した作品なのだとか。そうして約3年半かけて描かれた本書は、綿矢りささんのこれまでのイメージを大きく覆す作品となっています。

タイトルになっている『夢を与える』という言葉について「たとえば農業をやるつもりの人が”私は人々に米を与える仕事がしたいんです”って言う?」「お米は無理で、夢だけが堂々と”与える”なんて高飛車な言い方が許されるなんて、どこかおかしい」など、つい納得させられる言葉が多く、何度も読み返してしまう作品です。

ドラマ化もされており、美しい少女・夕子を小松菜奈さんが演じています。

 

 

医療ミスに関わる人々の、それぞれの思惑が交錯する。
『破裂』

破裂
久坂部羊(著)、幻冬舎

過失による患者の死に平然とする医師たちに怒りがたぎる元新聞記者・松野。心臓外科教授の椅子だけを目指すエリート助教授・香村。「手術の失敗で父は死んだ」と香村を訴える美貌の人妻・枝利子。医療の国家統制を目論む“厚労省のマキャベリ”佐久間。医療過誤を内部告発する若き麻酔科医・江崎。五人の運命が今、劇的にからみ転がり始めた。(表紙裏)

現役の医師である作家・久坂部羊さんの2作目。平成版『白い巨塔』と各方面から絶賛され、ベストセラーとなった一冊。

『医者は3人殺して一人前になる』という帯のキャッチフレーズが物語るように、医療ミスをテーマにした作品です。実際の現場で行われているのでは?と錯覚してしまうぐらい、リアリティにあふれた表現は、読んでいて鳥肌が立つほど。

サスペンスは基本読み返すことはないのですが、本書においては、社会問題を中心に現代に警鐘を鳴らすメッセージ性が強く、非常にためになるので、何度も読み返してしまいます。

なお、こちらの作品は、椎名桔平さん主演でドラマ化もされていますよ。

 

 

優しすぎるがゆえに、堕ちていく……。
『疾走』

疾走
重松清(著)、角川書店

広大な干拓地と水平線が広がる町に暮す中学生のシュウジは、寡黙な父と気弱な母、地元有数の進学校に通う兄の4人家族だった。教会に顔を出しながら陸上に励むシュウジ。が、町に一大リゾートの開発計画が持ち上がり、優秀だったはずの兄が犯したある犯罪をきっかけに、シュウジ一家はたちまち苦難の道へと追い込まれる…。15歳の少年が背負った苛烈な運命を描いて、各紙誌で絶賛された、奇跡の衝撃作、堂々の文庫化!(表紙裏)

ベストセラー作家・重松清さんの作品。数多くの重松作品のなかで、最も、救いのない小説ではないでしょうか。

本書は、手越祐也さん主演でドラマにもなっています。

暴力、家族離散、セックス、聖書、殺人といった、15歳の少年が背負った過酷すぎる運命。孤独なあまり、人とつながりたいという飢餓感。きっと、一度読んだら忘れることはできません。重苦しい世界観が続き、読み進めるのが辛くなるほどです。

本書のように、何度読んでも気づきがあり、価値観を変えてくれる作品というのは、なかなか出会えるものではないと思います。

 

 

好きになりすぎて、徐々に壊れていく……。
『恋愛中毒』

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恋愛中毒
山本文緒(著)、角川書店

――どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。水無月の堅く閉ざされた心に、強引に踏み込んできた小説家の創路。調子がよくて甘ったれ、依存たっぷりの創路を前に、水無月の内側からある感情が湧き上がってくる――。世界の一部にすぎないはずの恋が、私のすべてをしばりつけるのはどうして。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。(表紙裏)

第20回吉川英治文学新人賞受賞作品。

『恋愛小説の代名詞』とも評されるこの作品は、あまりにも衝撃的で、読んでいるうちにトリコになっている自分に気づくはず。恋愛中毒という名の通り、狂気的でぞわっとする恐ろしさを感じさせる一冊です。

私は、スピーディーでドラマティックな展開にことごとく魅了されてしまいました。何十回と読み返していますが、毎回このぞわっとする感触を愉しんでいます。

なお、薬師丸ひろ子さん主演で、ドラマ化もされていますよ。

 

 

最後のページに、きっと涙してしまう。
『時生』

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時生
東野圭吾(著)、講談社

不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った―。過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の集大成作品。(表紙裏)

日本を代表する作家・東野圭吾さんのファンタジー小説。国分太一さん主演のドラマでも話題になった作品です。

主人公・拓実の、息子・時生は、グレゴリウス症候群という先天性の病を持って生まれてきました。「生まれてきてよかった?」とあの子に訊きたい、と苦しむ麗子に、拓実は、自身が過去に経験した数奇な体験を語り出します……。

読み終わった後の深い余韻が特徴で、読んでよかったと心底思える作品です。
最後のページを読んで、号泣してしまったのは私だけではないでしょう。泣きたい時に読み返すことが多いです。

 

 

何度も読み返したくなる本たち

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今回取り上げた5作品の面白さについては、どれも保証します。気になったものから手に取ってみてください。

 

今回ご紹介した書籍
夢を与える』綿矢りさ(著)、河出書房新社
破裂』久坂部羊(著)、幻冬舎
疾走』重松清(著)、角川書店
恋愛中毒』山本文緒(著)、角川書店
時生』東野圭吾(著)、講談社

 

きっと見たことがあるはず。あの頃流行った名作、揃ってます。

 

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。