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読んだ小説は数千冊。読み返しすぎてボロボロになるほど面白かった本。


たくさんの本

今日のテーマは「読み返しすぎてボロボロになるほど面白かった本」。

面白い本は、何度読んでも面白いものです。
初めて読むときは、先が気になってどんどん読み進めてしまいますが、再読すると「ここに伏線があったんだ!」と気づいたり。
久々に読んでみたら、(歳を重ねたからこそ)さらに楽しめたり。

結果、面白い本は何度も何度も読み直すので、ボロボロになりがちです。

 

今回のコラムでは、実際に私の本棚にある「ボロボロになっている」本を紹介したいと思います。

多くの人にいろんな形で楽しんでもらいたいという思いを込めて

・人間ドラマ
・サスペンス
・恋愛小説
・ファンタジー

の各ジャンルから、エンターテイメント性の高い大衆小説を選書しました。

少々過激ではありますが、寝食を忘れ、徹夜して読み切るほど面白い作品が揃っていますので、興味のある方はぜひ。

 

一人の女性芸能人に待っていたものとは……。
『夢を与える』

『夢を与える』表紙

夢を与える
綿矢りさ(著)、河出書房新社

綿矢りささんが『蹴りたい背中』で芥川賞を受賞した後の第一作。

綿矢さんいわく、より進化したものを書こうとするも、書けずに行き詰まり、原稿をボツにされ続け、やっとの思いで完成した作品なのだとか。そうして約3年半かけて描かれた本書は、綿矢りささんのこれまでのイメージを大きく覆す作品となっています。

タイトルになっている『夢を与える』という言葉について「たとえば農業をやるつもりの人が”私は人々に米を与える仕事がしたいんです”って言う?」「お米は無理で、夢だけが堂々と”与える”なんて高飛車な言い方が許されるなんて、どこかおかしい」など、つい納得させられる言葉が多く、何度も読み返してしまう作品です。

ドラマ化もされており、美しい少女・夕子を小松菜奈さんが演じています。

 

医療ミスに関わる人々の、それぞれの思惑が交錯する。
『破裂』

『破裂』表紙

破裂
久坂部羊(著)、幻冬舎

現役の医師である作家・久坂部羊さんの2作目。平成版『白い巨塔』と各方面から絶賛され、ベストセラーとなった一冊。

『医者は3人殺して一人前になる』という帯のキャッチフレーズが物語るように、医療ミスをテーマにした作品です。実際の現場で行われているのでは?と錯覚してしまうぐらい、リアリティにあふれた表現は、読んでいて鳥肌が立つほど。

サスペンスは基本読み返すことはないのですが、本書においては、社会問題を中心に現代に警鐘を鳴らすメッセージ性が強く、非常にためになるので、何度も読み返してしまいます。

なお、こちらの作品は、椎名桔平さん主演でドラマ化もされていますよ。

 

優しすぎるがゆえに、堕ちていく……。
『疾走』

『疾走』表紙

疾走
重松清(著)、角川書店

ベストセラー作家・重松清さんの作品。数多くの重松作品のなかで、最も、救いのない小説ではないでしょうか。

本書は、手越祐也さん主演でドラマにもなっています。

暴力、家族離散、セックス、聖書、殺人といった、15歳の少年が背負った過酷すぎる運命。孤独なあまり、人とつながりたいという飢餓感。きっと、一度読んだら忘れることはできません。重苦しい世界観が続き、読み進めるのが辛くなるほどです。

本書のように、何度読んでも気づきがあり、価値観を変えてくれる作品というのは、なかなか出会えるものではないと思います。

 

好きになりすぎて、徐々に壊れていく……。
『恋愛中毒』

『恋愛中毒』表紙

恋愛中毒
山本文緒(著)、角川書店

第20回吉川英治文学新人賞受賞作品。

『恋愛小説の代名詞』とも評されるこの作品は、あまりにも衝撃的で、読んでいるうちにトリコになっている自分に気づくはず。恋愛中毒という名の通り、狂気的でぞわっとする恐ろしさを感じさせる一冊です。

私は、スピーディーでドラマティックな展開にことごとく魅了されてしまいました。何十回と読み返していますが、毎回このぞわっとする感触を愉しんでいます。

なお、薬師丸ひろ子さん主演で、ドラマ化もされていますよ。

 

最後のページに、きっと涙してしまう。
『時生』

『時生』表紙

時生
東野圭吾(著)、講談社

日本を代表する作家・東野圭吾さんのファンタジー小説。国分太一さん主演のドラマでも話題になった作品です。

主人公・拓実の、息子・時生は、グレゴリウス症候群という先天性の病を持って生まれてきました。「生まれてきてよかった?」とあの子に訊きたい、と苦しむ麗子に、拓実は、自身が過去に経験した数奇な体験を語り出します……。

読み終わった後の深い余韻が特徴で、読んでよかったと心底思える作品です。
最後のページを読んで、号泣してしまったのは私だけではないでしょう。泣きたい時に読み返すことが多いです。

 

 

何度も読み返したくなる本たち

読書する女性

今回取り上げた5作品の面白さについては、どれも保証します。気になったものから手に取ってみてください。

 

今回ご紹介した書籍

夢を与える
綿矢りさ(著)、河出書房新社

破裂
久坂部羊(著)、幻冬舎

疾走
重松清(著)、角川書店

恋愛中毒
山本文緒(著)、角川書店

時生
東野圭吾(著)、講談社

 

きっと見たことがあるはず。あの頃流行った名作、揃ってます。