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サブカル好きに!カルト的人気を誇る、奇才たちの小説


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遠い昔の話ですが、一時期”サブカルチャー”に陶酔していたことがあります。
当時の私は、流行っている小説を毛嫌いしており、大半の人が知らないマニアックな小説や、大衆受けしないような小説を日々探し求めていました。(夢野久作の『ドグラ・マグラ』など、日本三大奇書と呼ばれる小説も大好きでした)
今振り返ると、”マニアックな小説を読んでいる自分が好き”という、いわゆる”中二病”状態だったのかもしれませんね。

心身ともに成長し、すっかり落ち着いてしまった今も、ときどきぶっ飛んだ世界を覗きたくなることがあります。

そこで今回は、当時の私がよく読んでいた、知る人ぞ知るマニアックな?!作家たちを紹介します。
なお、読者によって好みが分かれる、”読む人を選ぶ作品”ばかり集めてみました。ありきたりでない小説を読みたい人におすすめです。ぜひ、怖いもの見たさで読んでみてくださいね。(ただし、責任は取れませんのでご了承ください)
とびっきりの非日常が広がっていますよ。

 

悲劇的なのに妙に明るく、美しい世界を描く作家:ボリス・ヴィアン

39歳という若さで急死し、今もなおカルト的な人気を博しているボリス・ヴィアン。サルトルやボーヴォワール、コクトーが絶賛した作家としても知られています。

私は初めてヴィアンの小説を読んだ際、なんて奇想天外で、どうすればこのようなことを思いつくのだろう……と、想像力のぶっ飛び具合に愕然としました。
非常識で、悲劇的なのに妙に明るく、刹那的で、美しい世界。凡人である私は、ヴィアンの世界に虜になりました。小説という非日常の中であれば、このような世界を愉しむのも良いなと思いながら読んでいたのです。

20170302-1『うたかたの日々』ハヤカワepi文庫

一番のおすすめは、代表作の『うたかたの日々』。(『日々の泡』という邦題でも出版されています)。
”現代でもっとも悲痛な恋愛小説”として有名な作品なので、海外文学好きの読者であればご存知の方も多いのではないでしょうか。
ピアノを奏でる音によってカクテルを作る”カクテルピアノ”、心臓抜き、肺のなかに睡蓮が生える奇病にかかってしまった少女…描かれている世界は、現実にはありえないものばかり。ですが、その非現実的なところも面白がって読むと、新たな世界が見えてきますよ。

なお、漫画家の岡崎京子さんもヴィアンの大ファンであり、『うたかたの日々』はコミックとしても発売されています。興味のある方はぜひコミックも読んでみてくださいね。

 

麻薬・アルコール中毒、殺人者、同性愛者作家:ウィリアム・バロウズ

カルト的に人気を誇る作家であり、麻薬中毒者、アルコール中毒者、殺人者、同性愛者という顔を持つウィリアム・バロウズ。

私が読むようになったきっかけは「(ロック・バンド)ニルヴァーナのカート・コバーンが好きな作家」ということでした。
初めて読んだ時、私には到底理解ができない世界観に、ただただ仰天したことを今でも覚えています。これは小説なのだろうか?という疑問が湧いてくるほどにでした。そのため、読み進めるのに多くの時間を費やしました。

20170302-2『裸のランチ』河出文庫

読者の皆さまが初めてバロウズ作品を読むなら、代表作の『裸のランチ』を推薦します。知る人ぞ知る古典文学です。
麻薬中毒者であったバロウズが書いたこの作品は「悪夢の連続」と評されるほど、おどろおどろしくグロテスクで下品です。作品の中では、性と、麻薬と、もはやこの世のものとは思えない世界が描かれています。
実際、内容のひどさから、この作品はアメリカで発売禁止処分を受けているほどです。

そのため、簡単におすすめ、とは言えない作品ですが、読んだ後、目の前の世界が色を変えることはお約束します。

 

小説も私生活も型破りなアウトロー作家:チャールズ・ブコウスキー

元祖ハードボイルド作家として、ハードでパンクな作家として、伝説的カルト作家として、名を馳せているチャールズ・ブコウスキー。
ブコウスキーを一言で言うと、”アウトロー”。権威を嫌い、酒、女、ギャンブルに溺れた型破りなその人生は、いわゆる無頼漢と呼ばれる生き方を貫いていました。小説の中の登場人物も、みな口が悪く、退廃的で、一般人には理解ができない世界が広がっています。
しかし、小説の中はコミカルな要素も多く、そのばかばかしさについ笑ってしまうんですよね。

20170302-3『ありきたりの狂気の物語』新潮文庫

一番のおすすめは、『ありきたりの狂気の物語』。ブコウスキーの代表作として知られている一冊です。
登場人物はいわゆるろくでなしと呼ばれるような人たちです。私が苦手な性的描写も多いです。あまりに退廃的すぎるので、共感もできません。
ですが、一方ではこうも思うのです。この作品の中で描かれているものは、私たち人間が本来隠し持っている狂気のようなものなのではないかと……。
モラルを取っ払いたい時、自分の枠を外したい時に読んでみるのはいかがでしょう?なお、短編集なのでスキマ時間に読むのもおすすめですよ。

 

想像を遥かに超える世界を愉しんでみては?

ヴィアン、バロウズ、ブコウスキー。あまりにもアクが強い3人の奇才たちですが、今もなお読書好きの中ではカルト的人気を誇る作家でもあります。読む人によって好みは大きく分かれると思いますが、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

♦今回ご紹介した書籍
うたかたの日々』ボリス・ヴィアン(著)、ハヤカワepi文庫ほか
うたかたの日々』岡崎京子(著)、宝島社
裸のランチ』ウィリアム・バロウズ(著)、河出文庫ほか
ありきたりの狂気の物語』チャールズ・ブコウスキー(著)、新潮文庫

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ライター

I.Megumi
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。