感動!泣ける小説・本おすすめ5選
突然ですが、読者の皆さんが最近泣いたのはいつでしょうか。
大人になると、涙を流す機会はぐんと減るもの。私も最近泣いていません……。
”涙活”という言葉が流行したように、涙を流すことは最大のストレス発散法になると言われています。
今回ご紹介するのは「泣ける本」。有名作品を中心に、新旧織り交ぜて紹介したいと思います。
最近泣いていない…。久々に泣きたい……。そんな方はぜひ読んでみてくださいね。
湯本香樹実
『夏の庭 The Friends』
『夏の庭 The Friends』
湯本香樹実(著)、新潮社ほか
ぜったい泣けます。(文庫版 帯より)
誰もが知る、不朽の名作ですね。
「オレたちも、死んだ人が見たい!」小6男子3人組・木山、河辺、山下の3人は「死」に興味を持ち、もうじき死ぬんじゃないかと噂されている近所に住む”おじいさん”を観察することにする。
見られていることに気づいたおじいさんは、あることをきっかけに元気になっていき……。
3人組とおじいさんが共に過ごした夏は、少し笑えて、切ない。
私は小学生の頃にこの本を読みましたが、数十年経った今でもこの本の記憶は鮮明に残っています。それほど印象的な作品でした。夏になるとこの作品が読みたくなります。
涙は出るけれど、悲しい作品ではありません。
読後感が良く、深い余韻に浸りながらじんわり泣きたい時にはこちらの作品がおすすめです。
清水健
『112日間のママ』
『112日間のママ』
清水健(著)、小学館
もっと一緒にいたかった。
乳がんで亡くなった妻・奈緒さん(享年29)。
そのとき、長男は生後112日だった。
関西の人気テレビキャスターが初めて明かす、家族3人の闘い。
辛坊治郎さんら、涙で応援!(帯より)
読売テレビのアナウンサー・清水健さんが描くノンフィクション。
番組のスタイリストとして活躍されていた奈緒さんとの結婚、妊娠直後の乳がん発覚、出産、最後の日々が、悲しみと悔恨を込めて描かれています。
出産後、子どもを遺して112日間しか生きることができなかった奈緒さんの無念さ……
0歳の子どもに少しでもママの肌の感触や匂いを残してあげたいと、意識が薄れゆく奈緒さんの隣に子どもを寝かせる清水さん……。
これまで多くのノンフィクション作品を読んできましたが、こんなに悲しくて泣いた本は久々です。
どのページを読んでも涙が止まりませんでした。
この本を読まれるときは。覚悟してお読みになることをおすすめします。
原田マハ
『小説 星守る犬』
『小説 星守る犬』
原田マハ(著)、双葉社
望み続けるその先に、きっと希望があると思う。
「カフーを待ちわびて」「キネマの神様」「本日は、お日柄もよく」の著者が心を込めて書き下ろした感動作!!(文庫版 帯より)
村上たかしさんのコミック「星守る犬」を、原田マハさんが小説化したい!と熱望し実現した作品。
主人公は、仕事をリストラされ、熟年離婚され子どもともうまくいかず、持病を抱えた”おとうさん”。自分の元に残った愛犬”ハッピー”と共に、オンボロなワゴン車で旅に出るが?
私はもともとコミックのファンでしたが、原田マハさんのこちらの作品、大変すばらしい仕上がりになっています。
ハッピーはお父さんが大好き。お父さんもハッピーが大好き。二人の幸せな旅は、ある日所持金を盗まれ無一文になったことで急展開を迎えます。1人+1匹の行く末は、切なくて切なくて……。
犬を飼ったことがない私が、これほどまでに泣くとは自分でも想像していませんでした。号泣です。
小川洋子
『博士の愛した数式』
『博士の愛した数式』
小川洋子(著)、新潮社
この本は全国書店員が選んだいちばん!読んでほしい本です。
第一回本屋大賞受賞!(文庫版 帯より)
これも、定番の名作です。
『ぼくの記憶は80分しか持たない』交通事故により記憶力を失った天才数学者である”博士”と、家政婦である”私”、私の10歳の息子(博士は”ルート”と呼ぶ)の日々の物語。
2006年に映画化されヒット作となり、コミックやラジオドラマ、舞台化もされましたので、タイトルを聞いたことがある人も多いでしょう。
一度読んだら忘れられない風変わりな設定ですが、私は人ごととは思えませんでした。いつか私が老いて、記憶を無くしてしまうことがあったら……と想像しながら読み進めていたからです。
泣けます。しかし、悲しい本というよりは、美しい本だと私は思っています。
あたたかな涙を流したい時にはこの作品をおすすめします。
重松清
『その日のまえに』
『その日のまえに』
重松清(著)、文藝春秋
涙!涙!!涙!!!今年読んだ最も感動的な小説だ。
僕はベスト1に決めました! 松田哲夫昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。
それを不意に断ち切る、愛する人の死―。
生と死と、幸せの意味を見つめる最新連絡短編集。(単行本帯より)
重松清さんが「死」をテーマに描いた連作短編集。
表題作の「その日のまえに」は、末期のすい臓がんを宣告された”和美”と、夫、中3と小6の二人の息子の姿が描かれています。
重松清さんの作品はどれも泣けますが、この作品は本当に泣けます。
「その日」までをどう生きて、「その日」以降、周囲の人間はどう生きて行くか?誰しもが避けて通れない、普遍的なテーマに真っ向から向き合った作品です。
文中にある「世の中にこんなにたくさんのひとがいて、こんなにたくさん家族があるのに、どうしてわが家だったんだ?悔しい。悲しい」という悲痛な声は、読んでいて苦しく、途中思わず本を閉じてしまいました。ですが、ティッシュを片手に読了。
いつか訪れる家族の死に備え、読んでよかった、と心から思える作品です。
泣ける小説・本を読んでストレス発散を
今回紹介したものはすべて泣ける作品ではありますが、涙の種類は様々です。気分に合わせて選んでみてくださいね。
この記事でご紹介した書籍
『夏の庭 The Friends』
湯本香樹実(著)、新潮社ほか
『112日間のママ』
清水健(著)、小学館
『小説 星守る犬』
原田マハ(著)、双葉社
『博士の愛した数式』
小川洋子(著)、新潮社
『その日のまえに』
重松清(著)、文藝春秋
上記のご紹介した以外にも「泣ける感動小説」を集めました。感動小説の代表「重松清作品」から、「家族愛もの」「恋愛もの」「ヒューマンもの」「動物もの」にわけてご紹介しています。どれも譲れない名作揃いです。