森見登美彦のおすすめ小説5選
直木賞の候補作が選ばれると、候補作家の作品を読んでみようと考える人は多いのではないでしょうか。(私はその一人です。)
今回取り上げる森見登美彦さんも直木賞候補のひとり。
直木賞候補の常連作家である森見登美彦さんが描く作品は、どれも非常に面白いのでぜひ読んでみてくださいね。
『夜は短し歩けよ乙女』
『夜は短し歩けよ乙女』
角川書店
森見さんといえば、この作品が最も有名ではないでしょうか。中村佑介さんが描くイラストの表紙は、印象的で見覚えのある方も多いはず。
後輩の黒髪の女の子に恋をした”私”。彼女の外堀を埋めるべく、偶然を装ってドタバタを繰り広げますが……。恋の行方はいったいどうなるのでしょう?!
ちなみにこちらの作品も2007年(第137回)直木賞候補となっています。また、2007年本屋大賞2位受賞作としても有名ですね。
ところどころギャグ要素もあって笑いたい時にはこの作品をおすすめします!
『夜行』
『夜行』
小学館
今回、直木賞候補となった作品です。
”私”の呼びかけで、学生時代に通っていた英会話スクールの仲間たちが集まり、鞍馬の火祭を見物に行くことになったことから、物語が始まります。
英会話スクールの仲間たちで鞍馬の火祭を見物に出かけた時、仲間の一人がその夜に姿を消したのは10年前の夜のことでした……。
この作品を一言で言うと「心がぞわりとするホラーテイストのファンタジー」。ファンの間では”裏モリミー”の作品だと評されているのだとか。普段の森見さんの作風とは少し違う不気味な一冊を読みたい時はこちらの作品をどうぞ。
『太陽の塔』
『太陽の塔』
新潮文庫
森見さんのデビュー作であり、第15回日本ファンタジーノベル大賞受賞作として大きく取り上げられた作品でもあります。
京都大学農学部の5回生で、休学中の”私”は、自分を振った彼女を「観察・研究」の目的で追いかけレポートを書いたり、クリスマス・イブのカップルたちを憎み、騒動を起こすのですが……?
一言で言うと、主人公はイケてません。でも、男子学生ならではのバカバカしさや男臭さが、憎めない。そう、私もいつしか森見さんのコミカルな世界にどっぷり浸かっていたのでした。
ちなみに文庫本の巻末では、森見さんのファンである、女優の本上まなみさんが解説を書いていますよ。
『聖なる怠け者の冒険』
『聖なる怠け者の冒険』
朝日文庫
朝日新聞に連載されていたものを全面改稿した一冊です。
社会人2年目の小和田くんの目の前に現れた、”ぽんぽこ仮面”。ぽんぽこ仮面は、狸の仮面を被り、京都で活躍する正義の味方。そして、小和田くんを後継者としてスカウトするのですが……。
ぽんぽこ仮面を狙う組織や、探偵と助手など、強烈なキャラクターが次々と登場し、森見節が効いたドタバタ劇が繰り広げられます。
その内容は笑えます。読んでいて楽しいです。その面白さは、2014年本屋大賞9位にランクインしたことでも分かるのではないでしょうか。
『ペンギン・ハイウェイ』
『ペンギン・ハイウェイ』
角川文庫
2011年本屋大賞3位にランクインした作品です。
森見さんらしいドタバタ劇やコミカルな作風とは一線を画するSFテイストの小説。
主人公の”ぼく”は小学4年生。ノートを常に持ち歩き、毎日の発見を記録する。たくさん本を読み、生き物や海やロボット、歴史など幅広いことに興味がある。”ぼく”はとても頭が良い。そんな”ぼく”は、ある日ペンギンを目撃し……?
ラストシーンは泣けます。切ない余韻に浸りたい時には、まずこの本をおすすめします。
独特な世界が繰り広げられる森見登美彦作品たち
気になった作品はあったでしょうか?森見さんの作品には、読んだ人にしかわからない独特な世界があります。
以下の特集では森見さんの小説からアンソロジー、コミックまでを紹介しています。ピックアップには『夜は短し歩けよ乙女』をはじめとした映画化・メディア化作品もご案内していますので、ぜひ読んでみてくださいね。
ご紹介した書籍
『夜は短し歩けよ乙女』角川書店
『夜行』小学館
『太陽の塔』新潮文庫
『聖なる怠け者の冒険』朝日文庫
『ペンギン・ハイウェイ』角川文庫