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直木賞受賞で話題の作家!荻原浩のコミカル小説が超面白い!


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先日、第155回(2016年上半期)直木三十五賞に、荻原浩さんの「海の見える理髪店」が選出されました。荻原浩さんは今年で作家デビュー20周年。節目の受賞としても話題になりましたよね。

荻原浩さんというと、シリアスな作品もあれば、ドキドキさせられるミステリー、心温まるハートフルな作品やコミカルな作品まで、作風が幅広いことで知られています。

今回は、荻原浩さんの作品の中でも、疲れた時に読みたい「ユーモア・コミカルで笑える作品」を5選紹介したいと思います。

 

ハードボイルド・エッグ

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マーロウにあこがれた探偵×80歳の老婆が活躍!

ハードボイルド・エッグ』 (双葉文庫)

主人公の最上俊平は、レイモンド・チャンドラーの小説に影響を受け、主人公のフィリップ・マーロウのように、孤独を愛する男として生きることを決意します。そうして最上は、英会話教材のセールスマンを辞め、探偵学校に通い、ハードボイルド探偵を目指すのです。

それから3年―。依頼の7割は逃げたペットの捜索、3割は浮気調査という、ハードボイルド感ゼロの探偵になっていた最上。ある日、美人秘書を雇おうと決めるのですが、面接に現れたのは80歳を超えた老婆・綾。

そして、最上・綾のコンビは事件を解決していきます……。

最上と綾の掛け合いや、綾のボケっぷり、オチなど、まさにコメディ小説の「お約束」が詰まった一冊。爆笑できること間違いなしですよ。

 

誘拐ラプソディー

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ギャグ色強めのドタバタ逃走劇

誘拐ラプソディー』 (双葉文庫)

金もない、家もない、女もない。あるのは借金と前科だけ。そんな38歳・伊達秀吉は、人生に失望し車中で自殺を目論みます。そんな時、車に乗り込んできたのが、金持ちのガキ・伝助。伝助を人質に、身代金5000万円を手に入れて、人生を一発逆転!と張り切る秀吉ですが、伝助はヤクザの組長の一人息子でした……。

そして秀吉は、伝助の親であるヤクザの組長はもちろん、対立するチャイニーズマフィアや警察にまで追われるようになります……。

とにかく運が悪い秀吉。絶体絶命!といっても悲壮感はなく、ギャグ色が強いドタバタ逃走劇は、読者を笑顔にしてくれます。秀吉が伝助との出会いで少しずつ変わっていく姿は爽やかでホロリと泣け、読後感は気持ちの良いものとなっていま す。

 

さよなら、そしてこんにちは

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ギャップにヤラれる短編集!

さよなら、そしてこんにちは』 (光文社文庫)

「○○なのに✕✕」という、一見真逆といえる組み合わせがユーモアたっぷりの、珠玉の7編が収録された短編集。

たとえば……

◆「長福寺のメリークリスマス」では、僧侶なのに、家族にクリスマスパーティーをねだられ、愛娘のためにクリスマスプレゼントを買いにいったり。
◆「美獣戦隊ナイトレンジャー」では、母親なのに、子ども以上に子どもむけ戦隊ヒーローになったり。
◆「スローライフ」では、スローライフを売りにしている料理研究家なのに、分刻みのスケジュールに慌てふためいたり。

クスッと笑える短編集でありながらも、どこかあたたかく、明日への活力をあたえてくれる作品です。

オロロ畑でつかまえて

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舞台はヘンな名前の特産品ばかりの牛穴村

オロロ畑でつかまえて』 (集英社文庫)

本書は「ユニバーサル広告社シリーズ」の第1作。

倒産寸前の弱小広告会社「ユニバーサル広告社」で企画制作を担当する杉山は、人口わずか300人の牛穴村の村おこしを担当することになります。とはいえ、なかなか良い方法が見つからない中、杉山はとんでもない企画を提案します。それは、村にある龍神池に謎の恐竜ウシアナザウルスが住んでいると捏造すること。杉山の狙い通り、マスコミの報道で一躍話題になる牛穴村。しかし、それは予想外の大騒動となり……。

タイトルのオロロ豆とは、牛穴村の特産品。他にもヘラチョンペ、ゴゼワラシ、クモタケなど珍妙な名前の特産品ばかりの牛穴村はユーモアに溢れていて、杉山との掛け合いもつい吹き出してしまう面白作品となっています。

 

神様からひと言

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クレーム処理方法がタメになる!?

神様からひと言』 (光文社文庫)

主人公の佐倉凉平は、大手広告代理店を退職し、食品会社「珠川食品」に再就職を果たします。しかし、キレやすい性格が災いとなり、入社早々トラブルを起こしてしまいます。涼平は”リストラ要員収容所”とも噂される「お客様相談室」に異動になり、クレーム処理に奔走するのでした……。

小説とはいえ「お客様相談室」のクレーム処理方法はタメになります。営業マンの読者は必読ですよ。

お客様相談室にいるのは、個性豊かで一癖二癖もある人たち。ハチャメチャな面々に笑い、わかるわかると共感し、スカッと元気をもらえる一冊です。

 

萩原浩のコミカル小説でスカッとしよう

何か気になった作品はあったでしょうか?今回紹介した作品は、つい笑えるコミカル色の強いものばかり。笑ってスカッとして(作品によってはホロリとして)日頃の疲れを吹き飛ばしてくださいね!

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。