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「怖すぎる」「2度と読みたくない」?!残虐なホラーサスペンス「リカ」


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あなたは「リカ」という作品をご存知でしょうか?

「リカ」とは、ホラーサスペンス大賞を受賞した五十嵐貴久さんのデビュー作であり、30万部を突破するベストセラーとなったホラー小説です。

五十嵐貴久さんといえば、ドラマ化された「交渉人」「パパとムスメの7日間」が有名なので、作風の違いに驚かれる方もいるかもしれませんね。

「リカ」は、2002年に発売されてから14年が経ちますが、今でも反響が大きく、続編「リターン」(2013年 単行本発売)、「リバース」(現在小説誌『PONTOON』(幻冬舎)で連載中)が発表されています。

とにかく「怖すぎる!」と読み続けられてきた「リカ」。その怖さは「二度と読みたくない」と評する人もいるほど。「リカ」を読んで背筋を凍らせるのはいかがでしょうか?

 ■ご紹介する書籍

リカ』 五十嵐 貴久/著 (幻冬舎文庫)

 

「リカ」あらすじ

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主人公は、妻子を愛する42歳の平凡な会社員・本間。本間は、家族を愛しながらも、出来心で始めた出会い系サイトにのめり込んでいた。

ある時、本間は出会い系サイトで、看護師の「リカ」と名乗る女性と知り合う。しかし彼女は、恐るべき”怪物”だった。

何十件と入っている留守電、玄関に絡みつく髪の毛…。常軌を逸した手段でストーキングをするリカ。

その狂気に追い詰められた本間は、意を決して怪物と対決する…。

 

「リカ」の恐ろしさ

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◆現実世界でも起こりそうな設定であること

普通に大学を卒業して、会社に就職し、三十一で結婚した。五年後に娘が生まれ、それをきっかけに分譲マンションを購入した。飛び抜けて良い夫、良い父親だとは思わないが、悪い家庭人でもないと思う。

あと数年もすれば、社会人としても家庭人としても、平穏無事であることを何よりも幸せなこととして感じなければならない年代になってしまう。

それはそれで仕方のないことだが、このまま流されてそうなってしまうのは嫌だった。少しだけ、抵抗してみたかった。そう思った私の脳裏に浮かんだのは出会いサイトだった。(p69-70)

主人公の本間は、どこにでもいるようなサラリーマン。つい、少しのスリルを味わいたくなり、友人から教えてもらった出会い系サイトになんの気なしに手を出してしまいます。そこでリカと出会いますが、一度も会うことなく、ただメールを交換して満足していただけでした。それなのに…。

本間の行動は軽率とはいえ、極悪というわけでもありません。ありがちな設定だからこそ、リアリティがあり、恐ろしさが倍増します。

 

◆顔を見て絶叫してしまうほどのリカの容姿

いきなり運転手が女の顔を見て絶叫した。女のマスクが外れている。

切れ長の二重の瞳。小さな鼻。整った顎のライン。薄い唇。その顔は、ひとつひとつのパーツを見る限り美しいものだった。だが、そこにあるのは美の残骸だった。

並外れて痩せた顔の色は、まるで泥のようだ。その中に目が、鼻が、口が浮かんでいる。やつれた顔には表情というものがなかった。感情のない顔が、私を見つめている。

そして何よりも私も脅えさせたのは、女の瞳だった。その眼には光がなかった。闇のような瞳。女の唇が、ゆっくりと動いた。何か言っている。聞きたくない。本能的に私は耳を押さえた。

何かつぶやきながら、女が何度もタクシーの窓を叩き続けている。私が見ているこれはいったい何なのだろうか。人間なのか、それとも違う何物かなのだろうか。(p146)

リカは、タクシーの運転手が、顔を見て絶叫するほどの女性。そのおそろしい容姿は、文中では「怪物」といわれるほど。

見るだけでも怖いのに、追いかけられるなんてどれだけ怖いことでしょう…。

 

◆リカの異常すぎるストーカー行動

リカのストーカー行動はますますエスカレートしていきます。

文中では「異常」としかいえない恐ろしいエピソードがたくさん描かれていますが、ここではその中からひとつのエピソードを紹介します。

ドアに髪の毛が生えていた。

恐怖と、信じ難いものを見た驚きとで、叫び声が漏れそうになる。空いていた左手で口を押さえた。

ドアの至るところに、数十本単位でまとめられた髪の毛が貼られている。長い長い髪の毛。それがテープで丁寧に貼りつけられているのだ。まるでドアに植毛しているかのようだ。

ドアノブの握りの部分に、百本ほどの髪の毛が巻き付けられていた。これは執念だ。あの女の執念なのだ。(p209-210)

自分がこの立場だったら、と考えるとゾッとしますね…。

 

◆身の毛がよだつ残虐性な描写

読んでいるとグロテスクな描写が多々出てきます。その残虐性はつい目を背けたくなるほど。

とにかくおそろしい作品なので、腹を括って読むことをお薦めします。

注射器が迫ってきた。どこだ。どこに刺すつもりだ。

針が迫る。どこに?顔?

眼だ。

リカが針を刺そうとしているのは私の眼だ。絶叫が口からほとばしった。やめろ、やめてくれ。それだけは。助けてくれ、何でもする、本当に何でもする。誰でもいい助けてくれ。やめさせてくれ。

(p366-367)

 

「二度と読みたくない」と思うかも?おそろしいホラー小説

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この後、本間はどうなってしまうのでしょうか。結末はぜひ本でご覧ください。

繰り返し言います。「リカ」は、「2度と読みたくない」と評する人もいるほど、おそろしいホラー小説です。

覚悟してお読みくださいね。

■ご紹介する書籍

リカ』 五十嵐 貴久/著 (幻冬舎文庫)

 


【おすすめ特集】

ご紹介した『リカ』以外にも怖い本はまだまだあります。
以下の特集では、背筋が凍る「こわい本」を99冊集めました。最後の100冊目は…?その謎は…ページの最後を、ご覧ください…!

ライター

I.Megumi
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。