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【入門編】宮部みゆきおすすめ小説ベスト3


更新日:2016/7/27

【入門編】宮部みゆきおすすめ小説ベスト3

初めて読む作家の作品は、できれば面白くて読みやすく、「ほかの作品も読んでみようかな」と思えるものと出会いたいですよね。

宮部みゆきワールド入門編3つの作品はそんな基準で選んでみましたので、どうぞお楽しみください!

 

宮部みゆき入門編ベスト3
『魔術はささやく』

『魔術はささやく』表紙

魔術はささやく
新潮社ほか

3人の女性が次々と非業の最期をとげ、そのうち1人を自分の運転するタクシーでひいてしまった浅野大造は逮捕された。
大造の甥である守は、唯一の親戚である浅野家の人間と暮らしてきた。タクシーの前に女性が飛び出してきたという大造の証言を信じ、守は事情を調べ始めるが……。

 

日本推理サスペンス大賞の受賞作で、宮部さんの小説『クロスファイア』と同様、法で裁かれない犯罪者に鉄槌が下される物語。

守は、タクシーにひかれた女性を調べていくうちに、彼女の衝撃の過去を知ることになります。
最初から仕組まれていた3人の女性の死。さらに4人目の女性にも魔の手が。はたしてこの事件の真相とは……?

非常に斬新なミステリーです。1989年の作品ですが、まったく古臭さを感じさせませんよ。

『魔術はささやく』について詳しく知りたい方はこちら

 

宮部みゆき入門編ベスト2
『ぼんくら』

『ぶんくら』表紙

ぼんくら
講談社ほか

江戸の深川の鉄瓶長屋で、八百屋の太助が殺された。その後を次いで差配人、3つの家族も次々と失踪してしまう。
一体この長屋で何があったのか? 事件の謎に、ぼんくら同心・平四郎が挑む。

 

暇さえあれば、見回りの途中に煮売屋のお徳のところで油を売り、自らを怠け者のぼんくらだと思っている平四郎。けれどもこれが、なかなか推理力に長けた人物なのです。

そのほか、岡っ引きの政五郎や、煮売屋のお徳が暮らす鉄瓶長屋に住む人たちの辛口の人生模様が、ユーモアを交えながら描かれます。

宮部さんの小説の1ジャンルを占める時代物ミステリーで、長編ながら1話読み切りの形になっており、読みやすい作品です。人情味ある作品を探している方であれば、ぜひ読んでみてください。

 

宮部みゆき入門編ベスト1
『今夜は眠れない』

『今夜は眠れない』表紙

今夜は眠れない
角川書店ほか

雅男の母・聡子が、昔助けたことのある伝説の相場師から5億円の遺産をもらうことに。
このことをきっかけに、雅男の目には平和に映っていた家庭の中が、水面下では父の浮気など「すさまじい」ものであったと知ってしまう……。

 

物語の内容は決して軽くはないのですが、中学1年生の雅男の語り口が軽妙な、宮部さん流のユーモア・ミステリーです。

中学生になったばかりの雅男には、とても受け止めきれない諸々の出来事。失われた一家の絆を求めて真相を究明するため、将棋部所属の親友・島崎とともに調査をすることになります。

その後に起こる聡子と雅男の誘拐事件、相場師の最後の大博打とは? 宮部さんには珍しく気持ちの良いハッピーエンドが待っている、おすすめの1冊です。

 

老若男女問わず人気の作家、宮部みゆきさんの著書を読もう!

3つのうちのどの作品も、現実の辛さや悲しさを描きながら、それをしっかりと受け止めて前に進んで行く人たちが出てきます。

どうぞ、宮部ワールドに出てくるそんな普通の人たちと、一緒に泣いたり笑ったりしてみてください。

 

以下の特集では、ミステリー小説をはじめ、時代小説やSF、ホラー、ジュブナイルまで幅広く執筆している宮部みゆきさんの作品をまとめています。
まだ見たことのない宮部作品に出会えるかもしれません……!