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『響~小説家になる方法~』のあらすじと見どころ|マンガ大賞2017受賞作品


更新日:2018/9/24

『響~小説家になる方法~』のあらすじと見どころ

「マンガ大賞2017」を受賞した『響~小説家になる方法~』という漫画をご存知ですか?

漫画家や出版社をテーマにした漫画が多いなか、この作品は小説家や編集者の目線で描かれています。主人公がとにかくぶっ飛んでいて、破天荒なところも特徴です。

2018年には実写映画も公開されました。
ここでは、『響~小説家になる方法~』がどんな作品なのか、あらすじや魅力をたっぷりと紹介します。

 

『響~小説家になる方法~』あらすじ

『響~小説家になる方法~』表紙

響~小説家になる方法~
柳本光晴(著)、小学館

ある日、雑誌「木蓮」の編集部に匿名で新人賞応募作の小説が郵便で送られてくる。

「鮎喰響」という名前以外に何も書かれておらず、そのうえ「データ応募のみ」という応募要項を無視していたため、原稿はゴミ箱に捨てられてしまう。
しかし、その原稿を偶然見つけた編集部員の花井ふみがその原稿を読んでみると……。

一方、高校に入学したばかりの響は、幼馴染みの涼太郎とともに文芸部に入ることを決める。しかしそこは不良のたまり場となっていた。

 

響の才能が見いだされ、その後文学界で圧倒的な存在感を放っていく……というストーリー。また、響とほかのキャラクターとの人間模様も描かれる青春ストーリーでもあります。

サブタイトルに「小説家になる方法」と書いてありますが、響がコツコツと努力を重ねて小説家になる過程が描かれているわけではありません。
この作品は、15歳の少女が文学界に旋風を巻き起こす漫画です。

 

『響 小説家になる方法』登場人物紹介

ここでは、作品に登場する重要な人物たちをご紹介します。

 

鮎喰響(あくいひびき)

主人公で15歳の高校生。ごく普通の家庭で育ったが、性格はかなりのくせ者。
小説を書くことに圧倒的な才能があるものの、自分の感性に真っ直ぐ従っているため周囲と衝突することもしばしば。

中学生の終わりに書いた小説を「木蓮」の新人賞に応募したことがきっかけで、文学界に革命を起こす存在になっていく。

 

祖父江凛夏(そぶえりか)

響の高校の先輩で、文芸部の部長。超有名作家の父とフィンランド人とのハーフで見た目は派手だが、幼い頃から読書が趣味で、「四季降る塔」で作家デビューする。

響の破天荒な性格に惹かれるものの、自分と響の才能を比較し悩むことに。

 

花井ふみ

響が小説を送りつけた「木蓮」編集部の編集者。文学界に革命を起こせるスターが現れないかと思った矢先、響の小説に出会い彼女を探す。
その後、響の行動に振り回されながらもサポートし続ける。

 

椿涼太郎(つばきりょうたろう)

響の幼馴染で、響とともに文学部に入部する。
絵に描いたような美男子で優等生だが、実は響のことを異常なまでに愛しており、部屋には響の写真が壁中に貼ってある(響はそのことを知っている)。

 

このほか、響の文芸部の仲間や編集部の人間、作家、マスコミも多数登場します。

 

『響~小説家になる方法~』の魅力、おすすめポイント紹介!

『響~小説家になる方法~』を読んでほしい、おすすめのポイントをご紹介します。

 

1.キャラクターの個性が強い!

響、凛夏など、個性的な登場人物が多いことがまず1つの特徴です。

文学部のメンバーに限っても、ヴァンパイアものの小説が好きでちょっとおバカな花代子、超コワモテながらもっとも常識人である隆也など個性豊か。

どのキャラクターも「もう1人の主人公」として設定できるほど、それぞれが見せるエピソードが濃いんです。物語を読み進めるごとに、それぞれの行く末が気になってくることでしょう。

響と涼太郎の関係、響と凛夏の関係、響とそのほかのキャラクターとの関係がそれぞれどのように発展していくのか? 注目してみてください。

 

2.作家の苦悩が描かれている

出版社の苦悩や成長が描かれる作品はありますが、作家に目を向けた作品はあまりないのではないでしょうか。

本作では、単に出版業界の裏側が描かれるだけでなく、作家が作家として生きていくことへの悩みや葛藤なども知ることができます。

たとえば凛夏は、一般的に見れば非常に長けた文才があるものの、圧倒的な才能を持つ響のレベルには届かない程度であり、才能の差に苦悩します。

また、自分の見た目に対するコンプレックスを受け入れ「恋愛小説の神」と呼ばれる桔梗や、出版した本の売り上げが落ち込み今後も執筆を続けていくか悩む愛佳など、さまざまな作家の苦悩や葛藤が描かれています。

 

3.響の痛快な生き方

響は極端に自分の感性や意思に正直に生きているため、相手の間違いや行動を正そうと、パイプ椅子で殴るなど暴力的になるときがあります。

しかし響の行動は一見異常なようですが、不思議と筋が通っていることがほとんど。
嫌味な人や自分より年上の人にも物怖じせず、思ったことをはっきりと言い切る(または行動で示す)さまは非常に痛快です。

気付けば誰もが響の生き方に巻き込まれ、影響されていきます。
そして、響は文学界に革命を起こす、スターへの道を切り開いていくのです。

物語の中には、響が放った名言や、名シーンと言えるような箇所がいくつも出てきます。これらをひとつひとつ拾っていくのもまた面白いですよ。

 

目が離せない展開に注目!

『響~小説家になる方法~』のあらすじや見どころをご紹介しました。

2018年9月現在も「ビッグコミックスペリオール」で連載中となっており、物語の行く末にますます目が離せません。

実写映画を観た人も、まったく知らない方も、きっとこの漫画の面白さにハマるはずです。ぜひ読んでみてさいね!

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今回ご紹介した作品

『響~小説家になる方法~』表紙

響~小説家になる方法~
柳本光晴(著)、小学館