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東野圭吾『さまよう刃』あらすじ| 父親の復讐劇に涙が止まらない。


更新日:2017/8/3

『さまよう刃』表紙

さまよう刃
東野圭吾(著)、角川書店ほか

『さまよう刃』あらすじ

長峰の一人娘・絵摩が花火大会の帰りに連れ去られ殺害された後、死体が荒川で発見された。
ある日長峰の留守電に、絵摩を殺した犯人たちの名前を告げたメッセージが残されていた。
長峰は犯人が住むアパートに侵入し、ビデオで絵摩の身に何が起きたのかを知る。ちょうどそこへ犯人の少年が帰宅して……。

 

涙が止まらぬ、娘を失った父親の復讐劇

「さまよう刃」は東野圭吾氏の代表作の1つです。
未成年の犯罪により娘を奪われた男の復讐という重いテーマが話題となり、150万部を超える大ベストセラー作品となりました。
寺尾聰さん主演で映画化されたことに加え、韓国でも映画が製作・上映されるほどの人気ぶりです。

現実でも未成年による残酷な犯罪が起きるたび、マスコミで大きく報道され世間の関心を集めています。
少年法は加害者を守るために存在し、何の落度もない被害者は報われないのか。それならいっそ自らの手で犯人に制裁を……。

 

今作では、現実世界では叶うことはまず不可能な遺族による復讐劇が描かれています。
警察より早く犯人を突き止め衝動的に犯人の少年を殺害した少女の父親・長峰。さらなる仇討ちの旅へと追い詰められていく長峰の行く手には何が待ち構えているのか。

若者たちの残虐非道ぶりが容赦なく描写され、復讐の念に駆られ犯人を追いながらもその虚しさに抗えず苦悩する主人公に強く感情移入させられます。

500ページにわたる傑作大長編で読み応え抜群の問題小説。
ミステリー小説愛読者や少年法に問題意識を抱いている方にはもちろん、エンタメ小説として誰にでも読みやすい作品に仕上がっています。

今回ご紹介した書籍

さまよう刃
東野圭吾(著)、角川書店ほか

 

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