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東野圭吾 著書『嘘をもうひとつだけ』嘘を重ね続けハマっていく落とし穴


嘘をもうひとつだけ表紙

嘘をもうひとつだけ
東野圭吾(著)
講談社
発売日:2003/02/13

 

 

 

『嘘をもうひとつだけ』あらすじ

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バレエ団の事務員として働く元ダンサー・早川弘子が自宅マンションのバルコニーから転落。
状況から自殺として事件処理が進む中、加賀刑事は元プリマバレリーナ・寺西美千代に疑いの目を向ける。
動機も疑わしい点もない美千代を自白させるために仕掛けた加賀刑事の罠とは……?

 

ひとつの嘘から、さらに嘘を重ね……

本書は、東野圭吾氏の人気推理小説「加賀恭一郎シリーズ」の第6作。
表題である『嘘をもうひとつだけ』の他、『冷たい灼熱』『第2の希望』『狂った計算』『友の助言』の5編からなるシリーズ初の短編集です。

全編に共通するテーマは「積み重ねた嘘」。
正直に生きたいと思いながらも、人はときとして「嘘」という落とし穴にハマってしまうのかもしれません。
一度ついた嘘のためにまた嘘を重ねる……。そんな人間の悲哀を描くミステリーです。

短編集でありながら、シリーズの特徴ともいえる犯罪の裏に隠された人間ドラマもしっかり描かれ、読み応えは十分。
主人公・加賀恭一郎が嘘を指摘していく中で描かれる犯人の心理描写や犯行の動機が興味深く、また、随所に散りばめられた伏線の張り方は見事としかいいようがありません。

「犯人は誰か」ではなく、「犯人はなぜ犯行に及んだのか」に比重が置かれ、犯人と直接対峙するところは、古畑任三郎や刑事コロンボを連想させます。
長編に比べてサクサク読み進められますが、完成度の高さは長編に劣りません。

2001年には、『冷たい灼熱』と『狂った計算』が「多摩南署たたき上げ刑事・近松丙吉シリーズ」の第1作・第2作としてテレビドラマ化されています。

 

今回ご紹介した書籍
嘘をもうひとつだけ
東野圭吾(著)、講談社

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