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本当の家族も知らない疑似家族とは。宮部みゆき著『R.P.G.』あらすじ・感想


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R.P.G.
宮部みゆき(著)
集英社
発売日:2001/08/20

 

 

 

あらすじ

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建設中の一軒家で他殺体が発見される。殺された所田良介には、本物の家族も知らないネット上だけの「疑似家族」が存在していた。
捜査担当の刑事・武上は、ネット上の疑似家族を取り調べることにする。そして、その疑似家族に会ったことがある所田の娘・一美をマジックミラー越しに面通しさせるのだが…。

 

なぜ疑似家族は作られたのか……?

作者、宮部みゆきさんといえば『理由』で第120回直木三十五賞、『模倣犯』は毎日出版文化賞特別賞、第5回司馬遼太郎賞、第52回芸術選奨文部科学大臣賞文学部門、『名もなき毒』では第41回吉川英治文学賞を受賞。
ミステリーの他、時代劇、ファンタジーにも定評があり、多くの作品が映像化されているベストセラー作家です。

この『R.P.G.』は2001年に刊行された、宮部さん初の文庫書き下ろし作品で、2003年にNHKでテレビドラマ化されています。

本文は作者本人の希望で、司馬遼太郎さんの文体を模して書かれたそうです。
また、作中に『模倣犯』の武上悦郎、『クロスファイア』の石津ちか子が登場するなど、宮部作品のキャラクターがクロスオーバーするシーンが見どころとなっています。

建築中の一軒家で殺されていた所田は、ネット上で見ず知らずの人と家族ごっこをしていた形跡が見つかります。
捜査が行き詰まるなか、捜査の担当をバトンタッチされた武上と石津は、疑似家族を見たことがある所田の娘、一美をマジックミラー越しに疑似家族の取り調べに立ち会わせます。

物語の大半が取調室で進んでいくのもこの作品の特徴です。
冒頭で武上が自身を急きょ呼ばれた代役と評するように、読んでいるとまるで舞台演劇を見ているような錯覚を起こします。さらに犯人をあぶりだすための仕掛けが秀逸。
最後まで読むと『R.P.G.』というタイトルになった理由が腑に落ちるでしょう。

 

今回ご紹介した書籍
R.P.G.
宮部みゆき(著)、集英社

 

ミステリーをはじめ、時代小説やSF作品など、宮部みゆきの作品を紹介した特集はこちら。