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タイムリープ×謎解き!「時間もの」ミステリー小説


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タイムリープやタイムループなどを扱った「時間もの」小説の中には、ミステリー要素の入った作品が数多くあります。

ここでは、ミステリーと「時間もの」をかけ合わせた「時間ものミステリー」作品を4作紹介していきます。

 

削除ボーイズ0326』方波見大志

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~あらすじ~

小学生の川口直都は、謎の男からデジカメのような機械をもらう。その機械はなんでも過去にあった5分間を消すことのできる装置だという。それが本物だということを知った直都は、その装置を使って過去にあった嫌な出来事を次々と削除していく。
例えば、かつて親友を襲ったとある事故。例えば身内の自殺――。嫌なことを削除したはずだったが、直都の周辺の環境はどんどん悪い方向へ変わっていってしまう。その中で、直都はもがき苦しみ、やがて一つの結末を迎えることとなる。


ほろ苦くも爽やかな小学生の青春ストーリー

本作はポプラ社小説大賞の大賞受賞作です。時間を削除するというアイデアが非常に面白い作品です。タイムリープや時間ループといったものは、一つのジャンルになるほどポピュラーですが、「時間削除」はなかなかありません。「時間もの」が好きな方は必見です。

本作は、過去を改編することによって変わっていく登場人物の性格や心情に面白みがつまっています。一方で小学生の青春ストーリーにもなっていて、読後に爽快さとともにほろ苦さを残すような作品です。

『 削除ボーイズ0326』方波見大志(ポプラ文庫)

 

タイム・リープ あしたはきのう』高畑京一郎

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~あらすじ~

女子高校生の鹿島は、気がつくとクラスメイトの若松の部屋にいて、なぜか彼とキスをしていた。鹿島は若松の部屋に来た覚えはない。混乱する鹿島の前で笑う若松。どういうことかと聞いても若松は答えなかった。

若松に不信感を募らせる鹿島は、足を滑らせ若松の家の階段から転げ落ちる。すると次の瞬間には、自分の家にいた。
若松とのことは夢だったのだと納得した鹿島は、そのまま学校へ登校する。ただ、そこでおかしなことに気が付く。その日は月曜日であったはずだが、火曜日であることが判明したのだ。鹿島は、やがてタイムリープしていることに気が付き……。


過去や未来に飛ぶ不思議な構成

本作は女子高校生がタイムリープする話です。ただ本作は、普通のタイムリープものとは毛色が違います。タイムリープものというのは、過去に戻るか、あるいは、未来に行くか、一方通行であることがほとんどです。しかし本作は、未来に飛び、過去に戻り、あらゆる時間にスキップします。

未来ではなぜかクラスメイトが恋人になっていたり、人間関係が複雑になっていたりします。ただのちに過去に戻ることで、そういった謎が少しずつ明かされていきます。

未来や過去に飛ぶことで、少しずつ真相が明らかになっていく様子はミステリーそのもの。特にあらゆる伏線が回収される後半の展開は圧巻です。

『タイム・リープ あしたはきのう』高畑京一郎(電撃文庫 )

 

リピート』乾くるみ

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~あらすじ~

大学生の毛利の元に一本の電話がかかってくる。電話の相手は、これから一時間後に地震が起きるとだけ言って、電話を切る。
すると、その一時間後、地震が起きる。また電話がかかってくると、相手は「風間」と名乗った。風間が、地震が起きた時刻と場所を正確に当てることができたのは、彼が同じ時間を何度も繰り返しているからだという。そして、毛利に電話をかけてきたのは、その時間の繰り返し『リピート』に参加しないかという勧誘のためだった。

半信半疑の毛利だったが、同じく風間から誘われた同行者らと共にリピートに参加することを決意。そして実際に10か月前に戻ったことで、毛利はリピートが本物だと確信する。しかし、戻った過去では、リピートの同行者が次々と死んでいって――。


なぜ次々と人が死んでいくのか

本作は、記憶を保持したまま10か月前に戻る話です。ちなみにリピートで過去に戻る『リピーター』は主人公の他に10人います。

この10人のリピーター達は、少なくとも10か月後まで生きていたはずです。しかし彼らは次々と死んでいきます。なぜ彼らは死ぬのか。本作は、それを解き明かすミステリー作品。時間物ならではのギミック(仕掛け)が面白く、「時間もの」と本格ミステリーを見事に融合させた一作です。

『リピート』乾くるみ(文春文庫)

 

ビロードの悪魔』ジョン・ディクスン・カー

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~あらすじ~

歴史学者のフェントンは、悪魔と契約を交わし、300年前のロンドンへタイムスリップする。

フェントンが悪魔と契約を交わしてまでタイムスリップした理由は、一つの事件の真相を解明するためだった。その事件とは、フェントンと同性同名の貴族ニコラス・フェントン卿の妻が毒殺された事件のことである。事件の真相を追うフェントン。その中でフェントンは宮廷内で渦巻く陰謀に巻き込まれていき……。


タイムスリップミステリーの大傑作

ジョン・ディクスン・カー氏は、日本でも根強い人気を誇る作家です。そのため、著作のほとんどが、翻訳されています。ミステリー作家の巨匠であるカー氏はSFミステリーもいくつか発表していて、本作はそのうちの一作です。

タイムスリップというギミックを上手く生かした作品となっていて、明らかになる犯人の正体には、思わずうならされます。

『ビロードの悪魔』ジョン・ディクスン・カー(ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

まとめ

以上が、「時間ものミステリー」の傑作でした。

どの作品も、「時間もの」ならではのギミックを上手くミステリーに落とし込んだ作品となっています。「時間もの」やSFが好きな方には特にお勧めの作品です。気になった方は、是非参考にしてみてください。

 

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ライター

ツナシ
青春小説とミステリー小説が好きな20代。ライトノベルから純文学まで読みますが、浅く広くといった感じです。小説は読むのも好きですが書くのも好きです。
先日某小説新人賞を賜り、現在出版に向けて作業中。