トラウマ回を振り返る|アニメ『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』
更新日:2017/10/28
みなさんは、1993年に放送スタートしたフジテレビの「ポンキッキーズ」という子供向け番組をご存知でしょうか。
「ポンキッキーズ」といえばガチャピンとムック。コニーちゃんのジャカジャカジャンケン、爆笑問題のお二人がネズミの格好をしてコントする爆チュー問題も人気でした。
テーマ曲だった森高千里さんの「ロックン・オムレツ」や、斉藤和義さんの「歩いて帰ろう」が懐かしいです……。
「ポンキッキーズ」にはさまざまな人気コーナーがありましたが、ひときわ異彩を放っていたのが、アニメ『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』。
1話5分ほどのアニメでしたが、当時子供だったわたしを恐怖のどん底に陥れた作品です。
「当時まだ生まれてなかった」「見たことない」なんて方も、この怖さを味わってみませんか?
※「ポンキッキーズ」は、2018年8月25日に最終回を迎えました。
幽霊退治をしてくれる花子さん
『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』
日本コロムビア(株)
アニメ『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』は、1994年に「ポンキッキーズ」の1つのコーナーとしてスタートしました。
2010年には新シリーズ『学校のコワイうわさ 新・花子さんがきた!!』、2014年にはシーズン2も放映された人気作品です。
「ホワホワホワホワ 花子さ~ん♪」というフレーズを聴いたことはありませんか?
花子さんは、おかっぱ頭で赤いスカートを履いた闇の世界の女の子。古びた電話ボックスから呼び出すと、相棒のホワホワとともに助けにきてくれます。
怖い話の「花子さん」というと恐怖のイメージを持たれるかもしれませんが、この花子さんはスカートについているチューリップのアップリケやハーモニカを使って、悪い幽霊や悪霊を退治してくれます!
とはいえ、すべてのお話で花子さんが助けてくれるわけではありません。ときにはストーリーテラーとして、お話の最後に語るだけのときも。
そんなお話の方が、悲しい結末だったりするんですよね……。
怖かったエピソードベスト3!
「幽霊しばりアップリケ!」って言ったりしませんでした?
花子さんの怖さを引き立てているのが、ナレーションと登場人物たちの声を務める伊武雅刀さん。低くて独特の深みのある声が耳から離れません。
また、このアニメは毎回イラストを担当する方が変わるのですが、実写とアニメが融合したお話もあり、妙にリアルで怖かった記憶があります。
『あずきちゃん』の作者である木村千歌さんがイラストを担当した回もあるんですよ。
さまざまな怖いお話があるのですが、その中でも、個人的にトラウマになった怖いお話をご紹介します。
■第3位「太郎くんと次郎くん」
ある日、次郎君はおしっこを我慢できす学校の古いトイレへ。用を足し終わると、トイレの個室から「遊ぼうよ」という声が。次郎君が声のする便器を覗きこむと……。
「取り壊そうとすると何かしら事故が起こるので、そのままになっている古いトイレ」という設定だけで結構怖いものがあります。
凄く怖いお話ではありませんが、ちびっ子が見たら泣き出すくらいのインパクトがあります。そして誰もが「顔でかすぎぃ!!」と叫ぶはずです……。
最近は和式のトイレをあまり見かけなくなりましたが、このお話を見ると和式トイレには絶対に行きたくなくなります。
■第2位「さっちゃんのうわさ」
マユミちゃんはある日、学校でさっちゃんのうわさを話します。そのうわさは、さっちゃんのうわさを聞いた人が、夜中にさっちゃんに鎌で手足を切られ殺されるというもの。
殺されないためにはバナナの絵を枕元に置いておけばいいと、みんな夜中にバナナの絵を用意するのですが……。
このお話を見て、布団から足を出して寝られなくなったという方も多いはず!
この『さっちゃんのうわさ』は、数少ない花子さんが助けに来てくれないお話。結末があまりにショッキングで、後味悪く終わります。まさにトラウマです。
このお話は童謡「サッちゃん」がモチーフなんだとか。
「サッちゃん」といえば、普通歌われるのはサッちゃんが遠くに行ってしまう3番まで。しかし、実は4番以降もあるなんて都市伝説が存在します。気になった方はぜひ調べてみてくださいね。
■第1位「人食いランドセル」
お姉さんのお古のランドセルで登校するのが嫌だったトモコちゃんは、トンネルの中で見知らぬ老人に新品のランドセルをもらいます。
少しためらうも、喜んでランドセルをもらったトモコちゃんでしたが……。
「知らない人から何かをもらったりしてはいけません!!」と教えてくれたのはこのお話です。しばらくランドセルを見たくなくなった方もいたかもしれません。
このお話も花子さんが助けに来てくれないお話。
見知らぬ老人がトモコちゃんにランドセルを渡したあとに見せる表情と笑い声。そしてその名の通り人を食べてしまうランドセルの豹変した姿。ひとつのお話でふたつのトラウマを味わいました……。
花子さんに本で会える!
『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』
森京詞姫(著)、竹書房
アニメ版を見るのも良いですが、花子さんの怖さは本で味わうのもおすすめです!
アニメと同じく1994年に発売された児童書版は、挿絵付きでお話を読むことができます。
本の中にはお話とは別に漫画が3編収録されており、これが怖い! この漫画を読むために本を買っている人がいるくらい、漫画のクオリティが高いんです!
カバー裏の袖部分「妖怪大辞典」を切り離してしおりとしても使うこともできるなど、特典も満載です。
また、この本を夜に見てみてください。ちょっと驚くしかけが隠されています。
あなたの近くにも、花子さんはいるかも……
『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』のトラウマ回、あなただったらどのお話を選ぶでしょうか?
マラソンマン、犬マスクの口裂け女、トンカラトンなど、個性豊かな幽霊や悪霊が登場したり、中には「怖い話と思ってみたら感動的だった!」なんてお話もあります。
感動的なお話の中では、「地下に止まるエレベーター」がおすすめです。
見たことのない方は、ぜひこの恐怖をアニメ、または本で味わってくださいね。アニメと本、それぞれ見比べてみるのもおすすめですよ。
【おすすめ記事】『モンタギューおじさんの怖い話』には、ただの作り話では終わらない恐怖がある。
今回ご紹介した作品
『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』
⇒書籍はこちら
⇒アニメのDVDはこちら