ブックオフオンラインコラム
ブックオフオンライントップへ
ブックオフオンラインコラム > 本に出会う > 文学小説 > 瀬尾まいこさんの小説おすすめ5選!癒されるやさしい言葉の世界

瀬尾まいこさんの小説おすすめ5選!癒されるやさしい言葉の世界


20170825-seo-maiko-0

読者のみなさんのなかには、ストレス解消を求めて読書をする人もいるのではないでしょうか。

『心のビタミン』とも呼ばれる読書。

数多くの本のなかでも、優しく温かみのある言葉で、心身ともに癒してくれるのが瀬尾まいこさんの作品。
読んだことがない方も、一度手に取ってみてはいかがでしょう。

五臓六腑に浸みわたりますよ。

 

血のつながらない母子家庭の親子の絆

20170825-seo-maiko-1

『卵の緒』
新潮社

僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。代わりに卵の殻を見せて、僕を卵で産んだなんて言う。それでも、母さんは誰よりも僕を愛してくれる。「親子」の強く確かな絆を描く表題作。家庭の事情から、二人きりで暮らすことになった異母姉弟。初めて会う二人はぎくしゃくしていたが、やがて心を触れ合わせていく(「7’s blood」)。優しい気持ちになれる感動の作品集。(表紙裏)

瀬尾さんのデビュー作であり、第7回坊っちゃん文学大賞受賞作。

表題作の『卵の緒』は血の繋がりがない母子家庭を描いたもの。複雑なテーマなので、読むと悲しい気持ちになるのかと思いきや、あたたかく優しい気持ちで読める作品に仕上がっています。

この点からも、瀬尾さんの表現力の秀逸さを感じさせられます。

明るく思いやりがあり、ユーモアのあるお母さんのキャラクターもまた良いのです。主人公をひたむきに愛する姿に、ホロリとさせられますよ。

 

元OLの占い師が背中をおしてくれる

20170825-seo-maiko-2

『強運の持ち主』
文藝春秋

元OLが営業の仕事で鍛えた話術を活かし、ルイーズ吉田という名前の占い師に転身。ショッピングセンターの片隅で、悩みを抱える人の背中を押す。父と母のどちらを選ぶべき?という小学生男子や、占いが何度外れても訪れる女子高生、物事のおしまいが見えるという青年…。じんわり優しく温かい著者の世界が詰まった一冊。(表紙裏)

元OLの占い師と、占い師のもとに訪れた人たちの交流を描いた短編集。

風変わりな相談内容も面白いですし、「占い師がそんなことを言っていいの?!」と笑える箇所も多く、読んでいて楽しい一冊です。

占いは、事実を伝えるのがすべてではなく、相談者がより良くなれるように、踏みとどまっている足を進められるように、背中を押すためにある。信じるも信じないも自分次第なのですね。

読み終わった後、この先きっといいことがあるよ、元気を出して、と言われた気がしました。

 

兄弟って素敵だな……

20170825-seo-maiko-3

『戸村飯店 青春100連発』
文藝春秋

大阪の超庶民的中華料理店、戸村飯店の二人の息子。要領も見た目もいい兄、ヘイスケと、ボケがうまく単純な性格の弟、コウスケ。家族や兄弟でも、折り合いが悪かったり波長が違ったり。ヘイスケは高校卒業後、東京に行く。大阪と東京で兄弟が自分をみつめ直す、温かな笑いに満ちた傑作青春小説。坪田譲治文学賞受賞作。(表紙裏)

坪田譲治文学賞受賞作。

兄・ヘイスケは、スマートで女性にモテるタイプ。弟・コウスケは、愛嬌がありみんなから愛されるタイプ。性格が違う二人は、互いを羨み妬むあまり、すれ違いの関係になっていました。

高校卒業後、ヘイスケは東京へ。その裏側には、大阪に馴染めない気持ちと、自身のコンプレックスが隠されており……。

ラストシーンには思わず涙。20歳前後の微妙な心の動きを思い出しますよ。兄弟って本当にいいものですね。

 

温かさに包まれるような短篇集

20170825-seo-maiko-4

『優しい音楽』
双葉社

駅でいきなり声をかけられ、それがきっかけで恋人になったタケルと千波。だが千波は、タケルをなかなか家族に紹介しない。その理由にタケルは深い衝撃を受けるが、ある決意を胸に抱いて一歩を踏みだした―表題作「優しい音楽」。つらい現実を受けとめながらも、希望を見出して歩んでゆく人々の姿が爽やかな感動を呼びおこす。優しさに満ち溢れた瀬尾ワールド全開の短編集。(表紙裏)

瀬尾さんの温かみが存分に味わえる短編集。

表題作の『優しい音楽』は、恋人同士なのに、家族に彼氏を紹介したがらない女の子を描いたもの。その理由は衝撃的なものでした。その理由を知ってからの男の子の行動には泣けます……。

家族が一体となって元気になっていく姿には心が揺さぶられますよ。

他に収録されている『がらくた効果』は、同棲している相手が男性を拾ってきた、というストーリー。風変わりな設定なのに、日常の一コマとして描かれているのが、読んでいて心地よく、非常に面白いですよ。

 

仕事がしんどい時におすすめの一冊

20170825-seo-maiko-5

『天国はまだ遠く』
新潮社

仕事も人間関係もうまくいかず、毎日辛くて息が詰りそう。23歳の千鶴は、会社を辞めて死ぬつもりだった。辿り着いた山奥の民宿で、睡眠薬を飲むのだが、死に切れなかった。自殺を諦めた彼女は、民宿の田村さんの大雑把な優しさに癒されていく。大らかな村人や大自然に囲まれた充足した日々。だが、千鶴は気づいてしまう、自分の居場所がここにないことに。心にしみる清爽な旅立ちの物語。(表紙裏)

自殺に失敗した女性が、田舎暮らしを経て再生していく物語。

睡眠薬を飲んで自殺を図った主人公ですが、目がさめると頭はスッキリ。あれ?という展開から話は進んで行きます。

田舎の大自然、みずみずしい野菜、美味しいごはん。美しい夜空、規則正しい生活、優しい人たち。シンプルな暮らしが主人公を元気にしていきます。ですが、それだけでは終わらず……?個人的には、予想もしていなかった結末でした。

仕事がしんどいと感じている人たちに、そっと手渡したい作品です。

 

瀬尾まいこさんの作品に癒されよう

20170825-seo-maiko-6

瀬尾さんの描く作品は、すべて読後感がよく、気持ちが晴れやかになるものばかりです。

疲れている時にぜひ読んでみてください。

 


今回ご紹介した書籍

卵の緒新潮社
強運の持ち主文藝春秋
戸村飯店 青春100連発文藝春秋
優しい音楽双葉社
天国はまだ遠く新潮社


 

元気が欲しいときはこちらもどうぞ!

 

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。