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世界の名作文学|思わずのめりこむおすすめの名作


更新日:2018/4/27

世界の名作文学|思わずのめりこむおすすめの名作

こんにちは、文学女子のアオノです。

みなさんは、いわゆる「世界の名作文学」を読んだことがあるでしょうか? 世界の名作文学といえば、タイトルは知っていても、どんな話かよく知らない……という作品も多いと思います。

海外の文学だからといって、難しいお話ばかりではありません。

今回は、数ある世界の名作の中から、文学好きのわたしが思わず物語の世界にのめりこんでしまった「世界の名作文学」を4作ピックアップしました!

ふだん文学を読まない方にもおすすめの、読みやすくて、思わずのめりこんで読んでしまう名作を選びました。

どれも世界中で読まれ続けている良作なので、ぜひ読んでみてくださいね!

 

心がばしゃばしゃ洗われる美しい物語
星の王子さま

星の王子さまの表紙

星の王子さま
サン=テグジュペリ(著)、河野万里子(訳)、新潮文庫

小さな星からきた小さな王子さまと、砂漠に不時着してしまった「僕」。王子さまが、色んな星で出会った変てこな大人や、自分の星に置いてきてしまった一輪の薔薇、地球で出会ったキツネのことを話しながら、絆を結んでいく物語。

大人はすこし難しく考えすぎている! ということを、わかりやすくてやさしい言葉で教えてくれる本作。
たとえば、誰かを大切に想ったり、夢を追いかけたり、なりたいものがあったり。そういう気持ちはもっとシンプルなものなんだよ、と王子さまは教えてくれます。

忙しい大人にこそ、一度立ち止まって読んでもらいたい、おすすめの一冊。

心がばしゃばしゃ洗われるような美しい物語は、子どもの頃に誰もが持っていた純粋な気持ちを思い出させてくれるはずです。

 

やり残したことはありますか?
青空のむこう

『青空のむこう』の表紙

青空のむこう
アレックス・シアラー(著)、金原瑞人(訳)、求龍堂

もし、ある日突然死んでしまったら、あなたは「やり残したことなどない!」と言い切れるでしょうか?

わたしは無理だなぁ。まだまだ行きたいところもあるし、食べたいものもあるし、やりたいこともあるし、きっと未練が残ります。

『青空のむこう』の主人公ハリーは、突然の事故で死んでしまいます。ハリーは、やり残したことをやり遂げるため、地上に戻ってくるのですが、誰にもハリーの姿は見えません。でもハリーには、生きているときには見えなかったものが、たくさん見えてくるのです。

生きている間に、自分は何がしたいのだろう、どう生きるべきだろう、とぼんやり考えることはあっても、なかなか真剣に考える機会ってないですよね。でも、本書を読んで「一生懸命生きなければ!」と改めて考えさせられました。

当たり前の毎日が、どんなに幸せかを感じられる本作。生きているだけですばらしい、生きていたらこんなにすてきなことがあるんだ!と、そんな当たり前のことなのに忘れがちなことを思いださせてくれるんです!

どう生きるか迷ってしまった方に、ぜひ一度読んでほしい名作です。

 

クスッと笑える不条理SF
変身

『変身』の表紙

変身
フランツ・カフカ(著)、高橋義孝(訳)、新潮社

「朝起きたら虫に変身していたお話」として有名な、カフカの『変身』。

実は、クスッと笑えるお話なんですよ!

カフカの作品は、非現実的なものを描いた作品、いわゆる「シュールレアリズム」と呼ばれる作品が多いのが特徴です。「シュールレアリズム」とは、読んでいる人を混乱させたり、不思議な気持ちにさせる作品のこと。

『変身』はまさに、カフカの「シュールレアリズム」作品の代表格!

虫になってしまった主人公のザムザを見るなり、家族は絶叫! 虫になってしまったうえに、家族におびえられ、ステッキで殴られたり、リンゴを投げつけられたり、散々なザムザ。そもそもどうして虫になってしまったのか? もう不思議しかありません!

『変身』のおもしろいところは、こんなぶっとんだ設定の物語が淡々と語られており、悲劇とも喜劇とも読めるところ。実際、カフカが友人たちに『変身』を読んで聞かせた時、カフカはふき出して笑いながら読んだそうです!

不思議で不条理な世界が好きな方におすすめです! 『変身』を好きになったら、他のカフカの作品もぜひ読んでみてくださいね。不条理で摩訶不思議。だけどクスッと笑えるカフカの世界。

ちょっぴり現実逃避したいときにもおすすめです!

 

今の自分で生まれた意味を考える
アルジャーノンに花束を

『アルジャーノンに花束を』の表紙

アルジャーノンに花束を
ダニエル・キイス(著)、小尾芙佐(訳)、早川書房

映画や舞台にもなり今もたくさんの人に読まれ続けている、まさに「不朽の名作」。ハンカチ、10枚くらい用意して読んでもらいたい! 涙で文字がにじむぐらい、とにかく泣けます。

32歳になっても、幼児なみの知能しかない主人公の青年チャーリイ・ゴードン。かしこくなりたいと思っていたチャーリイの知能は、脳の手術により急激に上昇します。しかし知能の向上に感情がついていかず、そのアンバランスさに苦しむことになる……。

『アルジャーノンに花束を』の魅力は「今の自分で生まれた意味」を深く考えることができるところ。

というのは、誰でもコンプレックスを持っているものだし、別の誰かになりたいと憧れたり、誰かを羨んだりすることってあると思うんです。でも、自分の生まれた環境や、身体的な特徴、考え方は自分だけのもの。「今の自分で生まれたこと」には必ず意味があるんだと、思わずにはいられなくなる作品です。

物語は思わぬ方向に展開していきます。辛い展開に、本を閉じたくなるかもしれません。でも、目を背けず、チャーリィの辿った運命をぜひ見届けてください。

今の自分で生まれた意味があるのだと、信じられる一作です。

 

世界の名作文学を読んでみよう!

世界にはまだまだ名作と呼ばれる作品がたくさんあります。

今回ご紹介した本は、どれも読み始めたら、その世界にのめりこんでしまう作品ばかりなので、まずは気になった作品から、ぜひ手にとってみてくださいね!

今回ご紹介した作品

星の王子さま
サン=テグジュペリ(著)

青空のむこう
アレックス・シアラー(著)

変身
フランツ・カフカ(著)

アルジャーノンに花束を
ダニエル・キイス(著)

 

「これ知ってるとちょっとかっこいい!」と自慢できちゃうような世界の名作もありますよ!
今回ご紹介したものよりマイナーな作品も入っていますが、意外な展開や、斬新な形式の物語を揃えています。

鬼才揃いの世界の文学、ぜひチェックしてみてくださいね!