有川浩の映画・ドラマ化作品が面白い!|おすすめ小説をピックアップ
更新日:2018/8/9
作品ごとに違った視点、違った要素を盛り込み、次々とファン層を広げる有川浩さん。
笑いあり涙ありの人間ドラマだけでなく、ときには恋愛、ときには奮闘する姿、そしてときにはパラレルワールドものまで執筆されています。
どの作品もあっという間に引き込まれてしまうこと魅力に溢れた有川作品。映像化されている作品も多いことが特徴です。
ここでは、そんな魅力あふれる有川作品の中から、観ても読んでも面白いドラマ化、映画化されている作品をご紹介します!
作家、有川浩とは?
有川浩さんは、『塩の街 wish on my precious』で作家デビュー。その後『図書館戦争』の発表で一躍有名となりました。
SFや自衛隊ものなど、初期はミリタリー色の強いテーマが多かった有川さん。その中で描かれる「ベタ甘」「胸キュン」な恋愛描写が、女性の心をガッチリつかみました。
とても読みやすいので、普段小説を読む機会の少ない方でもサクッと読めると思います。
結婚してもう恋愛のドキドキはゴブサタ……な方も、有川浩さんの小説を読んで恋愛の疑似体験をしてみちゃってください!
おすすめ映画化作品
1『図書館戦争』
『図書館戦争』
角川書店
有川浩さんの代表作『図書館戦争』。『図書館戦争』にはじまり、『図書館内乱』『図書館危機』『図書館革命』と続く全4巻のシリーズとなっています。
近未来の日本を舞台とした架空の物語。「戦争」「特殊部隊」というミリタリーテイストに加え、「検閲」「言論の自由」という重いテーマが、馴染みのある図書館や本を通して描かれています。
「図書館の自由に関する宣言」を目にしたことが執筆のきっかけとなり、その宣言が最もありえない状況で使われたらどうなるかを考えたそう。
物語における発想の面白さは、有川さんが持つ発想の面白さであり、それが存分に活かされたのが『図書館戦争』といってもいいかもしれません。
出演……榮倉奈々、岡田准一、田中圭、福士蒼汰ほか(敬称略)
2『植物図鑑』
『植物図鑑』
幻冬舎ほか
物語は主人公の河野さやかが、自宅マンション前で倒れている「植物オタク」の男性を見つけ、自室へ連れ帰ることからはじまります。そんな2人の爽やかな恋の物語です。
危険が多く、他人と関わらないように生きる人が増えた現代では、見知らぬ男性を自室へ招き入れるというのは現実的ではないかもしれません。
しかし、そのような状況を違和感なく受け入れられるのは、有川さんの手腕といってもいいでしょう。
一風変わった出会いをした2人が植物を通して距離を縮めていきますが、ピュアな心を持つ2人の爽やかさと可愛らしさは、下心や打算、嫉妬などが渦巻く現実を忘れさせてくれます。
また、野草の魅力も盛り込まれ、外出して野草を観察したり採取したりしたくなる興味深い内容です。
出演……岩田剛典、高畑充希ほか(敬称略)
3『県庁おもてなし課』
『県庁おもてなし課』
角川書店
高知県観光特使となった有川浩さんが自身の故郷を題材にして描いた『県庁おもてなし課』。
有川さんが実際に体験したエピソードや、取材先の人のセリフが本書で再現されるなど、現実とフィクションが絶妙に入り混じった面白さがあります。
物語の舞台は、新幹線の駅がない、地下鉄もない、ジェットコースターもない、ドーム球場もない、高知県の観光を促進するために新設された「おもてなし課」。
やる気満々の掛水史貴が、アルバイトの明神多紀とともに観光立県を目指して奮闘します。
史貴はもちろん、周囲の人々や町の成長も描かれ、地方復興とは何かを考えさせられる読みどころ満載の1冊です。
出演……錦戸亮、堀北真希、船越英一郎ほか(敬称略)
そのほかの映画化作品
『阪急電車』
関西のローカル線・阪急今津線が舞台。ゆる~い人と人とのつながり、恋の始まり……心がほっこりする連作短編集。コテコテの恋愛小説ではなく、ほんのりトキメく感じです。
出演……中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子ほか(敬称略)
『旅猫リポート』
飼い猫のナナを手放さなければならなくなったサトルが、ナナを引き取ってくれる人を探すため旅に出る物語。
出演……福士蒼汰、高畑充希ほか(敬称略)
『レインツリーの国』
好きな小説の感想を探すために「レインツリーの国」と呼ばれるサイトに辿りついた伸行が、そのサイトの管理人で難聴の女性と出会い始まるラブストーリー。
出演……玉森裕太、西内まりやほか(敬称略)
おすすめドラマ化作品
1『空飛ぶ広報室』
『空飛ぶ広報室』
幻冬舎
一般の人にはあまり馴染みのない自衛隊広報部を舞台とした長編小説。
執筆のきっかけとなったのは、当時の自衛隊空幕広報室の室長から「航空自衛隊を舞台にした作品を書かないか」と声をかけられたこと。そして、同室長は作品に登場する室長のモデルとなりました。
有川さんは自衛隊のいろいろな部隊を取材し、その結果、声をかけられた広報室が一番面白いと判断したと後に語っています。
この物語の主人公は、航空自衛隊の「ブルーインパルス」という曲芸飛行部隊に憧れて入隊した、戦闘機パイロットの空井大祐。
不慮の事故でパイロットになる夢を絶たれ、異動となったのが広報室。そんな新人広報官の奮闘ぶりが描かれています。
出演……新垣結衣、綾野剛、要潤ほか(敬称略)
2『三匹のおっさん』
『三匹のおっさん』
新潮社ほか
元悪ガキ3人組が自警団を結成し、町内の悪を成敗する痛快活劇シリーズ。
元悪ガキといっても、今や3人は還暦を過ぎた「おっさん」。その3人のおっさん達が、かつての悪ガキぶりが垣間見えるドタバタコメディーを繰り広げます。
その一方で、存在が薄くなった自治会や町内会に目を向け、社会貢献という身近な問題を取り上げているところが有川浩さんらしいといえるかもしれません。
有川さんの作品の中では社会派的要素が強いことが特徴です。
3人組のおっさんは、剣道の達人キヨ、柔道の達人シゲ、頭脳派ノリ。
それぞれが自身の持つ専門知識を活かし、町にはびこる悪を斬る愉快な物語で、とにかくおっさんが元気で活き活きと描かれています。
出演……北大路欣也、泉谷しげる、志賀廣太郎ほか(敬称略)
3『フリーター、家を買う』
『フリーター、家を買う』
幻冬舎
フリーターのサクセスストーリーではありますが、その中には母親のうつ病や偏屈な父親という家族の問題、近隣トラブル、恋愛要素もバランスよく組み込まれています。
大学を卒業して就職をするも、親に相談することなく3ヶ月で辞職。その後は再就職もせずに自堕落なフリーター生活を続ける誠治が主人公です。
いつも自分を庇ってくれた母親が病気になったのを機に、誠治は一念発起して生活を改めようとするのです。本作は、その奮闘ぶりを通して、家族の再生と人々の成長が描かれます。
有川浩さんの作品に共通する「前向き」なストーリー展開で、誠治の奮闘ぶりからエネルギーを受け、「頑張ろう」というポジティブな気持ちになれる1冊です。
出演……二宮和也、竹中直人、浅野温子、井川遥ほか(敬称略)
映像化される小説はやっぱり面白い!
ここで紹介した作品に限らず、有川さんの作品は面白い発想のもとに書かれています。
現実味のある作品から、仮想現実や現実離れしたシチュエーションの作品などなど。幅広い世界を描く有川さんの作品を、映画やドラマだけでなく小説でも楽しんでみてくださいね。