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漫画で読む名作文学|文学が読めるおすすめの漫画


更新日:2018/5/30

漫画で読む名作文学|文学が読めるおすすめの漫画

みなさんは「文学作品は小説で読むもの」だと思っていませんか?

文学作品を読むのは、正直に言うと大変です。言葉づかいが難しい、どこから何を読めばいいかわからない、という方も多いのではないでしょうか。

 

有名な作品だからタイトルは知っているけれど、どんな話か知りたい、名作と呼ばれる文学を読んでおきたい、と思ったときは「漫画で読む」のもおすすめです!

文学作品を漫画で読むメリットは、イラストがあるので、難しそうな文学作品でもイメージがしやすいこと。

今回は、名作文学が漫画で読めるおすすめの本をご紹介します。
またその中から、文学作品を1作ずつピックアップしてご紹介しますので、気になる作品から読んでみてくださいね。

 

まんがで読破シリーズ

『まんがで読破 カラマーゾフの兄弟』表紙

まんがで読破 カラマーゾフの兄弟
フョードル・ドストエフスキー(作)、バラエティ・アートワークス(著)
イースト・プレス

名作文学が、1冊ずつ漫画になっているのが、まんがで読破シリーズ。1作品につき1冊なので、じっくりとストーリーを追えるところがポイントです。

文学作品が忠実に要約されているので、文学をこれから読もうと思っている方や、お子さんの文学作品への導入にも最適です。

シリーズの作品数も多いので、どんなお話なのか知りたい文学作品があったら、「まんがで読破シリーズ」で探してみてください!

 

★おすすめ:フョードル・ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』

ある夜、カラマーゾフ家の好色な父・フョードルが殺されたうえに金が盗まれて、荒くれ者の長男に疑いがかかる。親子の確執、信仰、愛憎など、さまざまな問題が描かれたドストエフスキーの最高傑作。

とにかく長い!けれど、一生に一度は読むべき最高におもしろい作品です。

漫画ならとてもわかりやすくまとめられているので、ぜひ一度『カラマーゾフの兄弟』の結末を見届けてください……!

 

有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。

『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』表紙

有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。
ドリヤス工場(著)、リイド社

あの有名な妖怪漫画家・水木しげるさんの絵に似ていますが、こちらはドリヤス工場さんの漫画です。

全部で25作品入っているのですが、1作品がだいたい10ページなので、とてもコンパクト。文学を読んだことがない人でも読みやすいのが特徴です。親しみやすい絵柄で、文学作品を楽しめる1冊になっています。

 

おすすめ:太宰治『人間失格』

「恥の多い生涯を送って来ました。」の一文が有名な、大庭葉蔵の半生を描いた太宰の名作。葉蔵は、酒や煙草や女に溺れ、やがて人生が転落していく……。

『人間失格』が今でも読み続けられるのは「誰にでもこういう感情あるだろう」と共感できる要素があるからだと言ってもいいでしょう。主人公・葉蔵に自分を重ねる人も多いのではないでしょうか。

暗いお話ですが、漫画を読んで概要を掴んでから小説を読むと、すっと入り込めますよ!

 

なめこ文學全集 なめこでわかる名作文学

『なめこ文學全集 なめこでわかる名作文学』表紙

なめこ文學全集 なめこでわかる名作文学 1巻
小鳩まり(著)、幻冬舎

『なめこ文學全集』は、文学作品の登場人物がすべて「なめこ」なんです……!

圧倒的にかわいい! なごむ! でもちゃんと文学作品のおはなしなのがポイント。各話の最後に、作品や作家についての解説がついているので、しっかり文学を学ぶことができます。

日本文学の他、世界の名作文学編も出版されているので、『イワンのばか』や『ドン・キホーテ』などタイトルは有名だけれど読んだことがなかった作品も、なめこのマンガで読むことができますよ!

 

★おすすめ:堀辰雄『風立ちぬ』

スタジオジブリ「風立ちぬ」のモチーフにもなった作品。

主人公の「私」は、重い結核患者の婚約者・節子に付き添い、高原のサナトリウム(療養所)で過ごしていた。死に近づく節子の無償の愛を感じながら、2人で「生きる」愉しみや幸せを噛みしめる物語。

日本語の美しさをぞんぶんに味わえる本作。なめこ文學全集では、本文がそのまま使われている箇所が多いので、小説に書かれた日本語の美しさも充分に堪能できますよ!

 

Ebony and Irony 短編文学漫画集

『Ebony and Irony 短編文学漫画集』表紙

Ebony and Irony 短編文学漫画集
長崎訓子(著)、パイインターナショナル

装丁がかわいくて、表紙だけ見ると、海外の本のようなおしゃれな1冊。実は中もとってもおしゃれなんですよ。

太宰治『満願』、夢野久作『きのこ会議』など、日本と海外の名作文学の漫画が8作品が収録されています。

著者は、『チーズはどこへ消えた?』や『金持ち父さん貧乏父さん』の装丁を手がけた、長崎訓子さん。シンプルでおしゃれな色使いや線が特徴的で、独特のかわいさは長崎さんにしか描けない世界設定です。

しかし取り上げている名作文学は、皮肉がこもった残酷なお話が中心。えんぴつ画のやさしいタッチのイラストだからこそ、底知れぬゾッとした恐ろしさが際立つんです。

 

★おすすめ:人魚姫の作者・アンデルセン『パンを踏んだむすめ』

裕福な家に奉公にでた若い娘インゲル。里帰りの最中、ぬかるみに差しかかったインゲルは、ドレスを汚さないために、お土産にもらったパンをぬかるみに投げ入れ飛び乗った。その途端、インゲルはぬかるみの底に沈んでしまい……。

パンを粗末にしたインゲルには恐ろしい結末が待っているのですが、シンプルなイラストの漫画は、物語の教訓を決して押しつけることはしません。

教訓は、直接言われるよりも、淡々と描かれたほうがよほど胸に刺さるものなんですよね。

 

MARBLE RAMBLE 名作文学漫画集

『MARBLE RAMBLE 名作文学漫画集』表紙

MARBLE RAMBLE 名作文学漫画集
長崎訓子(著)、パイインターナショナル

『Ebony and Irony 短編文学漫画集』のあとに出版された、長崎訓子さんの名作文学漫画集。

こちらは、夏目漱石『変な音』、シャルル・ペロー『青ひげ』など「シュールで奇妙」なおはなし11作品が収録されています。

現代のわたしたちにもなじみやすいように、わかりやすく描いてくれているのが特徴。昔から読まれてきた名作文学ですが、古臭さをまったく感じさせません!

今まで知らなかった隠れた名作が見つかるかもしれませんよ。

 

★おすすめ:ギ・ド・モーパッサン『墓』

愛した女性の墓を掘り返して捕まった弁護士の男が、裁判にかけられる物語。

愛の美しさと、墓を掘り返した男の狂気、その両極端を描いた奇妙な一作。漫画で読むと一見シュールな物語に見えますが、本作の物悲しさは漫画の余白が伝えてくれます。漫画で読む面白さを感じられる一作といえるでしょう。

この美しい愛を描いた名作、ぜひ1度読んでみてください。

 

漫画で文学を楽しもう!

文字を読むだけでなく、名作文学作品が漫画で、視覚的にも楽しめたら最高ですよね!

ぜひ気になる漫画から、文学を楽しんでくださいね!

 

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