東野圭吾『麒麟の翼』あらすじ・内容|日本橋の麒麟像が持つ意味とは?
更新日:2017/8/18
『麒麟の翼』
東野圭吾(著)、講談社
あらすじ
建築部品メーカー「カネセキ金属」製造本部長の青柳武明は、胸にナイフが刺さった状態で日本橋の麒麟像の前で力尽きていた。
なぜ、青柳は瀕死の状態で日本橋の麒麟像まで歩いてきたのか。容疑者と思われる若い男は犯人なのか……。その真相に加賀恭一郎が挑む!
加賀恭一郎シリーズの最高傑作!
本書は東野圭吾氏の人気推理小説「加賀恭一郎シリーズ」の第9作目です。
同シリーズでは、様々な要素を取り入れ描かれていますが、本書のテーマは「悲劇からの希望と祈り」。東野作品では人間の心の奥底が描かれることは多いですが、本作でもそれがうまく描かれています。
表面的なものしか見ない人に、人間の心の奥深さを伝える加賀恭一郎の懐の深さは、悲しくもあり魅力的でもあります。
本書のおもしろさは、事件を解決するだけでなく、人間ドラマも盛り込まれているところ。
また、目が離せないストーリー展開で一気に物語に引き込まれてしまいます。
同シリーズでは、第8作「新参者」から舞台を日本橋に移しており、本書でも加賀は日本橋署の警部補という設定です。また、シリーズ他作品でも捜査を一緒に行っている加賀の従弟・松宮脩平も、変わらず警視庁捜査一課の刑事として登場しています。
発売当初から評価が高く、「加賀シリーズ最高傑作」という本書のキャッチコピーに賛同する声が聞かれました。
2010年に「新参者」がテレビドラマ化。続いて2011年に、スペシャルドラマ「東野圭吾ミステリー 新春ドラマ特別企画 赤い指~「新参者」加賀恭一郎再び!」が放映されています。
さらに、これらのテレビ放映の続編として、2012年に阿部寛さん、新垣結衣さん、溝端淳平さんら豪華キャストにより「麒麟の翼 ~劇場版・新参者~」として映画化。
映画を先に見た方でも、十分楽しめる1冊です。
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