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【終了】芥川、太宰、宮沢賢治、志賀直哉。誰が一番好き?文豪人気投票その1開催中!


2017年10月2日(月)~10月23日(月)までの3週間、ブックオフオンライン公式ツイッター(@bookoffonline)にて【文豪人気投票】を開催しています。

そこで、まずは第1回目の文豪人気投票のエントリー作家と代表作を簡単にご紹介します!

 

(2017.10.23追記)
文豪人気投票は終了いたしました。ご参加ありがとうございました!

 

1.芥川龍之介

 

1892年(明治25年)東京市京橋区(現在の東京都中央区)に生まれる。
幼い頃から成績優秀で、東京帝国大学(現在の東京大学)へ進み、菊池寛、久米正雄らと同人誌『新思潮』を刊行。帝国文学会の機関誌『帝国文学』にて、代表作『羅生門』を発表。この頃より、夏目漱石の門下に入る。
のちに大阪毎日新聞社の海外視察員として中国を訪れたが、帰国後、神経衰弱などの病を悪化させていき、1972年 服薬自殺によりこの世を去った。
「芥川賞」は芥川の死後、菊池寛が創設した。

 

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『鼻』
新潮社

僧の禅智内供は大きな鼻を持っていた。
鼻のせいで一人では食事もできず、人に笑われ批評をされ、自尊心が傷ついていく。
ある日医者から、鼻を短くする方法を教わり、試みたところ、鼻を短くすることに成功するのだが……。
夏目漱石が絶賛した傑作短編。


芥川といえば、結婚前に奥さんに宛てた直筆のラブレターが公開されましたね。

「小鳥ノヤウニ幸福デス」と書かれている、とてもロマンチックな恋文です。

上記にご紹介した『鼻』は、『今昔物語』にある「池尾禅珍内供鼻語」と、『宇治拾遺物語』の「鼻長き僧の事」を題材にして書かれた小説です。こうした、元からあるお話を題材にして自分の作品に仕上げる、という作品を何作も書いている芥川の小説は、寓話のような雰囲気がありますよね。

物語にも恋文にも、想像力豊かなロマンチックの片鱗が現れているなぁと思わずにはいられません!

 

2.太宰治

1909年(明治42年)青森県津軽群に生まれる。芥川龍之介や、菊池寛などの著書を読み、井伏鱒二の『幽閉』に感銘を受ける。
1925年 処女作「最後の太閤」を発表。友人らと同人雑誌『蜃気楼』を創刊するなど、創作活動を始めた。
20歳、カルモチン自殺未遂を起こす。
翌年、バーの女給とカルモチン心中を図るが、太宰ひとり助かる。
その後、パビナール中毒に苦しむも『逆行』が第一回芥川賞の候補に選ばれるが、受賞ならず。
井伏鱒二の紹介により、石原美智子と結婚式を挙げ『富獄百景』『葉桜と魔笛』などを発表。
1948年『人間失格』を書き終えたのち、玉川上水に山崎富栄と入水し、この世を去った。

 

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『ヴィヨンの妻』
新潮社

「私」の夫・大谷は、有名な詩人である。
ある日、大谷が、常連だった小料理屋から金を奪って逃げたという。
私は翌日、金が返せそうだと嘘をつき、金が整うまで小料理屋で働くことになった。
そこへ、見知らぬ女を連れた大谷が現れ……。
ある放蕩詩人とその妻の物語。


高校生の頃『人間失格』が流行り、もう読んだ? と友達同士で話題になったのをよく覚えています。

高校生といえば、ちょっと背伸びしたい時期。太宰の『人間失格』を読んだ、といえばちょっとカッコいい感じがしていました。

『ヴィヨンの妻』を読んだのは大人になってからですが、子ども時代に読むよりも、大人になってから読んだ方が、このもどかしさや、喜び、悲しみを、自分の体験と重ねあわせながら読むことができるかもしれません。

『走れメロス』など、学校で習う太宰の作品とはテイストが違う、ウェットなイメージの一作です。

太宰に投票される方は、どんな太宰作品が好きですか?

 

3.宮沢賢治

1896年(明治29年)、岩手県花巻で生まれる。
盛岡高等農林学校を卒業したのち、花巻農学校の教諭を務めた。
過労により病に倒れ、病床で『雨ニモマケズ』を執筆したが、1933年37歳の若さでこの世を去る。
生前に出版されたのは1924年の詩集『春と修羅』と、童話『注文の多い料理店』のみであり、死後に草野心平らの尽力により数多くの作品が出版された。

 

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『フランドン農学校の豚』
三起商行

フランドン農学校の豚は知能があり、人の言葉が話せる豚だ。
豚は、自分が生きた触媒として、白金と並べられる価値があることを知り幸福を感じていた。
ある日、家畜を屠殺する際には、家畜から死亡承諾書を取るように、という取り決めがされた。
豚は泣く泣く承諾書に印をさせられてしまい……。
「命を食べる」ことを考えさせられる一作。


子どもから大人までその魅力に夢中になる宮沢賢治。私も子どもの頃から、宮沢賢治作品を読んで育ちました。

『銀河鉄道の夜』や『注文の多い料理店』は有名ですよね。それこそ教科書に載っていたり、読んだことがなくても、タイトルを知らない方は少ないと思います。

私が注目したいのは上記でご紹介した『フランドン農学校の豚』という作品。あまり有名なタイトルではありませんが、初めて読んだ時の衝撃たるや!

農林学校を出て、農学校教員になったからこそ「命を食べる」ということに対し、とても真摯に向き合ってきた人なのでしょうね。『フランドン農学校の豚』は、そんな体験から生まれた作品だと言われています。また、賢治は菜食主義者であったことでも有名です。

とても残酷で、読んでいると胸がぎゅっとなるのですが、それが「命を食べる」ということだと実感します。

教科書に載らない宮沢賢治の名作、これオススメ!というのがあったらぜひ教えてほしいです!

 

4.志賀直哉

1883年(明治16年)宮城県石巻市で生まれる。東京帝国大学(現在の東京大学)文学部英文学科に入学、のちに国文学科に転じるが、大学は中退。白樺派の作家のひとりであり、1910年4月 武者小路実篤らと文芸雑誌『白樺』を創刊した。
1949年、谷崎潤一郎と共に、文化勲章を受章。1971年、肺炎と衰弱によりこの世を去る。芥川龍之介、小林多喜二らからの評価も高く『暗夜行路』は、近代文学の最高峰であるとも言われている。『談話 転居二十三回』によると、生涯23回引っ越しをしたらしい。

 

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『暗夜行路』
岩波書店

放蕩の日々を送る小説家 時任謙作は、祖父が亡き後は祖父の愛人 お栄と暮らしている。
ある時、尾道へ旅立った謙作は、お栄との結婚を望むようになった。
しかし、自分が祖父と母の子であることを知り苦しむ。
やがて結婚するが、再び苦悩が待ち受けていた……


芥川龍之介や小林多喜二も憧れたという志賀直哉。

「小説の神様」と呼ばれたりもする人物です。

実は志賀直哉、自転車が大好きだったんだそうです。前輪を上げて、後輪だけで走るウィリー走行に夢中になったり、ギアをつけたり、東京の急勾配の坂を自転車で登ったり……。

やんちゃな青年時代を過ごしたのですね。

文豪というイメージからもかけ離れた、自転車のウィリー走行をやってしまう文豪……興味深いです。
そんな自転車を愛した志賀直哉の短編集『自転車』もおすすめです!

 

人気No1は誰の手に?!

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誰が一番人気になるでしょうか?!

みなさんどしどし投票してくださいね♪

文豪人気投票は公式Twitter @bookoffonline にて開催中!

 

 

今回ご紹介した書籍
芥川龍之介(著)、新潮社
ヴィヨンの妻太宰治(著)、新潮社
フランドン農学校の豚宮沢賢治(著)、三起商行
暗夜行路志賀直哉(著)、岩波書店