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夏目漱石作品どれから読む? 古典的な名作にハマろう!


古典的な名作を読みたいときに外せない作家の一人が夏目漱石です。

夏目漱石といえば、数々の有名な作品に加え、「肩がこる」「非道い(ひどい)」「沢山」などのいくつもの新語を生み出したことでも知られています。

言葉のセンスが卓越している漱石の作品の中から、初心者でも読みやすいおすすめ作品を5冊ピックアップしました。

近代文学を読むきっかけになったら幸いです!

 

曲がったことが大嫌い!
『坊っちゃん』

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『坊っちゃん』
新潮社

新任教師として四国松山の中学校に赴任した「坊っちゃん」を描いた爽やかな作品です! 漱石を代表する作品の1つであり、国語の教科書でも取り上げられることが多いので、タイトルだけは知っている方も多いのではないでしょうか。

漱石自身も教員の経験があり、本作には松山中学に勤務していた当時の体験も含まれています。

 

主人公の坊っちゃんは非常にわかりやすい性格で、曲がったことが大嫌い。

私が中学生の頃に読んだときには、坊っちゃんが自由奔放に行動するさまに驚いたり、ちょっとうらやましく思ったりしたものです。
大人になった今読み返すと、坊っちゃんの若さ溢れる元気な人柄を微笑ましく感じます。

 

文章もわかりやすく、難しい話の展開はありません。きっと難なく読み終えられると思いますよ。

 

圭さんと碌さんの旅
『二百十日』

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『二百十日』
新潮社「二百十日・野分」より

 

豆腐屋の息子・圭さんとその友人・碌さんが、阿蘇を旅する様子を軽快に描いた作品です。夏目漱石の社会観がよく表れている作品で、圭さんが金持ちや華族に対して向ける痛烈な批判が目を引きます。

二人の会話で進行する物語は、雨の中で道に迷うというシンプルな内容です。しかし、会話の内容が結構シリアスなんです……!

 

ちなみにこの作品は『野分』という作品とセットになって収録されている文庫があります。
『野分』も漱石の社会観をベースにしていることがわかる作品ですが、『二百十日』よりもさらに深く、社会の矛盾を問う内容になっています。

『二百十日』と『野分』は明らかに連作の意味合いがあるので、2作続けて読むのがおすすめですよ。

 

猫から見た人間の姿って?
『吾輩は猫である』

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『吾輩は猫である』
岩波書店

夏目漱石で1・2を争う有名作品です。小説の書き出しが題名の通りであることでも知られています。

猫から見た人間の姿や、文明の奇妙さをユーモラスに表現した内容は多くの読者の支持を集め、1905年に上篇が販売されたときには瞬く間に売り切れたそうです。

 

中学教師の家で飼われるようになった名前のない猫が、「吾輩」としての視点で人間模様を観察するさまが描かれています。

まるで落語のような、軽快でノリのいい口調の文体でスラスラと読み進めていける作品です。文明を風刺している要素があり、現代社会に置き換えても考えさせられる内容が含まれています。

 

文章自体は読みやすいのですが、漱石の長編小説の中でもかなりボリュームがあります。『坊っちゃん』など少し短めの作品を読んでみてから挑戦する方が良いかもしれません。腰を据えてじっくり読んでみることをおすすめします。

 

漱石最後の完結作品
『道草』

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『道草』
岩波書店

漱石の著作として、最後から1つ前の作品です。最後の作品である『明暗』は絶筆となったため、完結した作品としては『道草』が最後となりました。

後期の著作で、漱石が人気を集めたスタイルとは別に、自叙伝の要素も混ざっています。

 

富のある知識人が親戚に金銭をたかられたり、妻とは冷え切った生活を送っていたりと、知識人の苦悩が描かれた作品。

特にお金をたかられるさまがとてもリアルで、漱石自身の体験が色濃く反映されているのではないかと思います。
相当腹が立っていたのでしょう。人間の心理描写に非常に説得力があり、読んでいる最中に自分を含めて色々な人の顔を思い浮かべました。

少しシリアスな作品ですが、最後の締めくくりは見事だと思います。

 

夢の物語を描いた短編集
『夢十夜』

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『夢十夜』
新潮社「文鳥・夢十夜」より

1908年に発表された短編集です。タイトルの通り、十の夢がテーマの作品で、「第一夜」から「第十夜」に分かれています。

 

夢の物語なので、抽象的な描写や意味ありげな内容の多い作品。

夢が何を表しているのか? 分かる気がするものも、まったくわからないものもあります。中には漱石自身の心の闇をうかがわせるような描写もあり、ハッとさせられました。

 

「こんな夢を見た」から始まる夢が10のうち4つあり、漱石自身が目覚めた視点から夢の内容を語っていきます。

この語り口に映画監督・脚本家の黒澤明氏が触発され、「夢」という映画に取り入れられました。

 

それぞれの物語は短いので、全体をもサクッと読むことができます。気軽に漱石ワールドに浸りたいときにピッタリの一冊です。

 

夏目漱石は小説界の巨匠! 読みやすい作品からチャレンジしてみて

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 夏目漱石の作品はテーマが幅広く、軽快な作品から重厚な作品まであります。

まずは読みやすい軽快な作品から始めるのがおすすめです。読み慣れてきたら『こころ』『虞美人草』など、さらに深い漱石ワールドにハマってみてください。

 

今回ご紹介した夏目漱石の書籍
■『坊っちゃん
■『二百十日
■『吾輩は猫である
■『道草
■『夢十夜

もっと夏目漱石の作品を読みたくなったあなたに。