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本好きなら押さえておきたい!名作揃いな日本の文学賞


「何か面白い本はないかな?」と思ったとき、みなさんはどのようにして小説を探していますか?

人におすすめの本を聞いたり、新聞や雑誌の書評を見たり、書店で売れ筋の本を見てみたりと、色々な方法があると思いますが、手っ取り早いのは文学賞を受賞した作品を読んでみることではないでしょうか。

ひとくちに「文学賞」と言っても、世の中には様々な賞があります。新人だけを対象にしたものや、ジャンルが限定されている賞など、多種多様です。名前だけは知っていても、実際にはどんな賞なのか知らない、どんな作品が選ばれているのか知らない、というものも中にはあるのではないでしょうか。

かつては、文学賞といえば選考委員が受賞作を選ぶケースがほとんどでした。しかし、現在では、書店員や読者の投票によって決まる賞も増え、より文学賞が身近な存在になってきています。

今回は、日本に数ある文学賞の中から、よく話題になる賞をいくつか紹介します。

 

選考委員による文学賞(純文学・大衆文学)

ベテラン作家が選考委員をつとめ、受賞作を選出する文学賞をご紹介します。年に2回発表される「芥川賞」と「直木賞」は有名ですね。それぞれの賞によって選考基準が異なり、各賞それぞれに個性があります。

 

■芥川龍之介賞(芥川賞)

正式名称は芥川龍之介賞ですが、一般的には「芥川賞」と呼ばれています。

大正から昭和にかけて活躍した文豪「芥川龍之介」の業績を記念し、菊池寛が発案しました。純文学の新人に与えられる「新人賞」で、年に2回、上期・下期に発表され、テレビや新聞などでも大きく取り上げられます。お笑い芸人のピース又吉さんが「火花」で受賞したことでも話題になりました。

前回、2015年下半期(第154回)に受賞したのは滝口悠生さん「死んでいない者」、本谷有希子さん「異類婚姻譚」です。

過去の芥川賞受賞作をみる⇒『歴代芥川賞

 

■直木三十五賞(直木賞)

芥川賞とともに年に2回発表されているのが、直木賞です。「直木三十五」の業績を記念して開設されました。「大衆小説」に与えられる賞であり、かつては、芥川賞と同様に新人が受賞する賞だったようですが、現在ではすでに人気の確立した中堅作家が受賞することが多くなっています。選考委員は、浅田次郎、伊集院静、北方謙三ほか、日本を代表する人気作家9名がつとめています。

前回、2015年下半期(第154回)に受賞したのは青山文平さん「つまをめとらば」です。

過去の直木賞受賞作をみる⇒『歴代直木賞

 

■野間文芸賞・野間文芸新人賞・野間児童文芸賞

講談社の初代社長である野間清治により設立された純文学・児童文芸の賞です。野間文芸賞・野間文芸新人賞・野間児童文芸賞の3つを総称して野間三賞と言われています。

野間文芸新人賞は、純文学の新人賞という意味では芥川賞と似ていますが、違っているのは、芥川賞が文芸誌掲載の作品を対象としているのに対し、野間文芸新人賞は単行本として出版された小説も審査の対象になるということです。

前回(2015年)の受賞作は、

【野間文芸賞】
長野まゆみさん「冥途あり

【野間文芸新人賞】
滝口悠生さん「愛と人生
古川日出男さん「女たち三百人の裏切りの書

【野間児童文芸賞】
村上しいこさん「うたうとは小さないのちひろいあげ

 

■吉川英治賞

吉川英治の寄付金により設立された「吉川英治賞」が前身で、現在は公益財団法人 吉川英治国民文化振興会が主催しています。大衆小説に贈られる「吉川英治文学賞」のほか、文庫作品に贈られる「吉川英治文庫賞」、新人賞である「吉川英治文学新人賞」があります。

前回(2016年)の受賞作は、

【吉川英治文学賞】
赤川次郎さん「東京零年

【吉川英治文庫賞】
畠中恵さん「しゃばけ」シリーズ

【吉川英治文学新人賞】
薬丸岳さん「Aではない君と

 

ジャンルを限定した賞

ミステリーやSFなど、ジャンルが限定された文学賞も数多く存在します。その中でも有名なのは、必ず映像化される「江戸川乱歩賞」ではないでしょうか。

 

■江戸川乱歩賞(乱歩賞)

日本推理作家協会によって設立された、探偵小説や推理小説を対象とした文学賞です。探偵小説の大家、江戸川乱歩が基金を寄付したことから、彼の名前を冠しています。

ミステリー作家の登竜門と呼ばれ、受賞作品はフジテレビによって映像化されるならわしになっています。そのため、受賞作家はその後の活躍が約束されているとも言われています。

前回(2015年)の受賞作は檎克比朗(呉勝浩)さん「道徳の時間」です。

 

書店員や読者の投票によって決まる賞

ここまでは、作家などが選考委員をつとめる文学賞でしたが、ここからは投票によって賞が決まるものをご紹介します。
どれも近年になってから設立された賞ですが、実際にたくさんの本を読んでいる「書店員」や「ミステリーファン」が選ぶ賞とあって、身近に感じられる作品が多いことが特徴です。

 

■本屋大賞

「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本」というキャッチコピーのもと、全国の書店員による投票で決まる文学賞です。

他の文学賞が、作家などの選考委員が賞を選ぶのに対し、書店員による投票によって決まるという珍しい選出方法をとっています。

 

前回(2016年)の受賞作は、

【本屋大賞】
宮下奈都さん「羊と鋼の森

【翻訳小説部門】
ガブリエル・ゼヴィンさん「書店主フィクリーのものがたり

過去の本屋大賞受賞作をみる⇒『歴代本屋大賞

 

■「このミステリーがすごい!」

別冊宝島が発行しているミステリー小説の書籍ランキング本です。このランキング本から派生し、2002年には公募形式の新人賞である「このミステリーがすごい!」大賞が設立されました。

最大の特徴は、読者の投票によって選ばれるということです。選考委員が選ぶものより実際の人気が反映されやすい賞になっています。国内部門と海外部門に分かれています。

 

前回(2016年)の受賞作は、

【「このミステリーがすごい!」国内部門1位】
米澤穂信さん「王とサーカス

【「このミステリーがすごい!」海外部門1位】
ジェフリー・ディーヴァーさん「スキン・コレクター

【「このミステリーがすごい!」大賞】
降田天さん「女王はかえらない

 

名作との出会いのきっかけに

以上、12の文学賞と受賞作をご紹介しました。この中で、ちょっと読んでみたいな、と思う本は見つかりましたか?

今回ご紹介した賞以外にも、たくさんの文学賞が存在します。文学賞を受賞した作品であれば必ず面白い、というわけではないですが、今まで読んだことのなかった作家さんの本に手を伸ばしてみるいいきっかけにもなるのではないでしょうか。

また、文学賞それぞれに個性があるので、自分の趣味に合いそうな賞を見つけたら、過去の受賞作を遡って読んでみるのもなかなか楽しいものですよ。