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クリスマスがテーマのおすすめ小説|冬に読みたいクリスマスストーリー


クリスマスの季節が近づき、街がどこか華やいだように感じられる今日この頃。

今回のテーマは「クリスマスをテーマにした小説」。

クリスマスにまつわる小説といえばこれ!という定番小説から、おばさんサンタにまつわる小説、いわゆるアンチ・クリスマスの小説、ほっこりクリスマスの小説など、バラエティ豊かなクリスマスストーリーを集めてみました。

さまざまな目線から見たクリスマスを愉しんでみてください。

 

アンチ・クリスマスの金字塔!
森見登美彦『太陽の塔』

『太陽の塔』
森見登美彦(著)、新潮社

私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった! クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。(表紙裏)

 

クリスマス直前に振られた大学5年生の主人公と、クリスマスを呪う友人たちの物語。

本書を一言で言うと、大笑いしたい時に読みたい作品です。

登場人物たちが揃いも揃って自意識過剰、コンプレックスをこじらせながらも、気高く生きているため、どこか勇気をもらえる作品なんですね。

彼らは恋人たちと過ごす“リア充”たちを羨み、クリスマス・イヴの夜に「ええじゃないか」騒動を起こすのですが、その騒動は想定外の展開を迎えます……。

たしかに、クリスマスは恋人同士で過ごすことが憧れっていう風潮がありますよね。私は昔からそれに疑問を持っていたので、本書はとにかく痛快でした。

「幸福が有限の資源だとすれば、君の不幸は余剰を一つ産みだした。その分は勿論俺が頂く」といったような、名言(?!)も多々出てきますよ。

 

風刺が効いたクリスマス小説!
東野圭吾『サンタのおばさん』

『サンタのおばさん』
東野圭吾(著)、文藝春秋

今年もイブが近づいて、恒例のサンタクロース会議が開かれます。その年から新たに加わることになったサンタは何と女性。女性サンタを認めるかどうかで会議は大騒ぎに……。

おかしくて、ちょっぴり切ないクリスマス・ストーリー(帯)

 

あの売れっ子作家・東野圭吾さんによる絵本。絵本といっても大判ではなく文庫本で、杉田比呂さんの挿絵と合わせて70ページほどの短い作品です。

単なる子ども向け絵本と思うなかれ。なかなか風刺が効いた作品です。

アメリカのサンタが引退することを機に、出てきた後任者問題。後任者は、各国(日本、カナダ、イギリス、イタリア、フランス、オランダ、ベルギー、ドイツ、フィンランド、アフリカ)のサンタ10人によって承認される仕組みです。

その各国のサンタたちの発言が、それぞれの国民性を色濃く映し出しており、妙に感心してしまいました。

そして、候補者への批判だけでなく、他国のサンタ批判にも繋がっていきます。なぜ女性のサンタは変なのか?男女差別に対する批判もさりげなく書かれており、さすが東野さんだなとつい唸ってしまいました。

 

クリスマス小説の定番!
チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』

『クリスマス・キャロル』
ディケンズ(著)、村岡花子(訳)、新潮社

ケチで冷酷で人間嫌いのがりがり亡者スクルージ老人は、クリスマス・イブの夜、相棒だった老マーレイの亡霊と対面し、翌日からは彼の予言どおりに第一、第二、第三の幽霊に伴われて知人の家を訪問する。炉辺でクリスマスを祝う、貧しいけれど心暖かい人々や、自分の将来の姿を見せられて、さすがのスクルージも心を入れかえた…。文豪が贈る愛と感動のクリスマス・プレゼント。(表紙裏)

 

クリスマスにまつわる小説といえば、この作品を思い出す方も多いのではないでしょうか。発売してわずか1週間で6000部を売り上げた、クリスマスに定番のベストセラー小説です。本書のブームをきっかけに、クリスマスを豪勢に祝う風習が始まったとも言われています。

主人公のスクルージは、金儲けに目がない商人であり、その強欲さから周囲から大変嫌われていました。ある日、スクルージの相棒であり、同じくお金に強欲だったマーレイの亡霊が目の前に現れます。3人の幽霊がスクルージの前に現れることを伝えるために。

端的に言うと、非常に感動的な作品です。170年以上にわたって世界中に愛されている理由が、本書を読めばご理解いただけるでしょう。スクルージのように自身も変わりたいという読者が続出し、社会現象にもなったというのも理解できるほど、心に染み渡る作品です。

 

さまざまな奇跡が起こるクリスマス小説!
「X’mas Stories 
一年でいちばん奇跡が起きる日」

X’mas Stories 一年でいちばん奇跡が起きる日
新潮社

もう枕元にサンタは来ないけど、この物語がクリスマスをもっと特別な一日にしてくれる―。六人の人気作家が腕を競って描いた六つの奇跡。自分がこの世に誕生した日を意識し続けるOL、イブに何の期待も抱いていない司法浪人生、そして、華やいだ東京の街にタイムスリップしてしまった武士……!ささやかな贈り物に、自分へのご褒美に。冬の夜に煌めくクリスマス・アンソロジー。(表紙裏)

 

朝井リョウさん、あさのあつこさん、伊坂幸太郎さん、恩田陸さん、白川三兎さん、三浦しをんさんという人気作家によるアンソロジー作品。

クリスマスのキラキラした華やかな空気感を楽しみたい、ささやかな奇跡にほっこりしたい……方にぴったりの一冊です。

クリスマス小説といえば、恋愛小説を想像しがちですが、その想像を見事に裏切ってくれる構成になっているのがポイントです。笑いあり、涙あり、考えさせられる場面もあれば、どんでん返しに圧倒され……。まさしく珠玉の作品が揃っていて、アンチ・クリスマスの人でも本書を読めばクリスマスが好きになってしまう、そんな作品と言える仕上がりになっています。クリスマス・プレゼントにもおすすめの一冊です。

 

小説をお供に素敵なクリスマスを

小説を片手にクリスマスを祝う……というのも粋なものではないでしょうか。

ぜひ興味のある作品は手にとってみてくださいね。

 


■今回ご紹介した書籍■


太陽の塔
森見登美彦(著)、新潮社


サンタのおばさん
東野圭吾(著)、文藝春秋


クリスマス・キャロル
ディケンズ(著)


X’mas Stories 一年でいちばん奇跡が起きる日
新潮社


 

小説以外にもクリスマスに大人が読みたい本・絵本はたくさん!
お気に入りの一冊に出会ってみませんか?

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。