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2017年版「アメトーーク! 本屋で読書芸人」で取り上げられた本まとめ<2>


2017年版「アメトーーク! 本屋で読書芸人」で取り上げられた本まとめ<1>では、オアシズ・光浦靖子さん、ピース・又吉直樹さん、メイプル超合金・カズレーザーさんが、東野幸治さんへおすすめした本を取り上げました。

今回のコラムでは、光浦さん・又吉さん・カズレーザーさん・東野さんが選んだ「2017年・好きな本」を紹介したいと思います。

 

2017年「アメトーーク! 本屋で読書芸人」で紹介された本

<オアシズ・光浦靖子さんの好きな本>

  • 西加奈子『 i(アイ)』
  • 吉村萬壱『臣女』
  • パク・ミンギュ『ピンポン』
  • 塩田武士『罪の声』
  • 今村夏子『星の子』
  • 奥泉光 『東京自叙伝』

 

<ピース・又吉直樹さんの好きな本>

  • 岸政彦『ビニール傘』
  • 羽田圭介『成功者K』
  • 若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』
  • 中村文則 『R帝国』
  • 山下澄人 『しんせかい』
  • 古井由吉『ゆらぐ玉の緒』
  • 呉明益 『歩道橋の魔術師』
  • せきしろ 『1990年、何もないと思っていた私にハガキがあった』
  • 西加奈子『i』
  • ジョン・アーヴィング 『神秘大通り(上・下)』

 

<メイプル超合金・カズレーザーさんの好きな本>

  • 呉座勇一 『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』
  • ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(上・下)』
  • 宇佐和通、石原まこちん『ムー公式 実践・超日常英会話』
  • 眉村卓 『妻に捧げた1778話』
  • 上川敦志、小口覺 、監修:大谷和利『スティーブ・ジョブズ』

 

<東野幸治さんの好きな本>

  • 恩田陸『蜜蜂と遠雷』
  • 本橋信宏『全裸監督 村西とおる伝』
  • 宿野かほる『ルビンの壺が割れた』
  • 佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』
  • 中村文則 『R帝国』
  • 野崎幸助『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』
  • 燃え殻 『ボクたちはみんな大人になれなかった』
  • 柳澤健『1984年のUWF』
  • 伊坂幸太郎『ホワイトラビット』

 

これらの中で読んだことのある本は何冊あったでしょうか?これらの中から私も特におすすめしたい作品を3冊ピックアップして紹介したいと思います。

 

自分のアイデンティティを探し求める

『 i(アイ)』
西加奈子(著)、ポプラ社

「この世界にアイは存在しません。」入学式の翌日、数学教師は言った。ひとりだけ、え、と声を出した。ワイルド曽田アイ。
その言葉は、アイに衝撃を与え、彼女の胸に居座り続けることになる。ある「奇跡」が起こるまでは―。
「想うこと」で生まれる圧倒的な強さと優しさ―直木賞作家・西加奈子の渾身の「叫び」に心揺さぶられる傑作長編!(帯)

 

直木賞受賞作家の西加奈子さんによる作品。

主人公のアイは、アメリカ人の父、日本人の母に養子として引き取られたシリア生まれの女の子。裕福な家庭で育ったアイは、世界中に存在する貧困を生きる子どもたちと、自分は何が違うのだろう?と考えるようになります。自分が生まれたシリアでは、今日も争いが繰り広げられているのに……。

両親と違う肌の色。アイデンティティーの確立のためにもがくアイのエピソードを読んでいると、つい涙が出そうになります。

現在の社会情勢のなか、日本で生きる身として、どのように生きていけばいいのか。どう立ち向かえばいいのか。その指針を教えてくれるという点で、他の作品にはない魅力が詰まった作品だと思います。

 

きっかけは、幼少期の自分の病気を治すため

『星の子』
今村夏子(著)、朝日新聞出版

主人公・林ちひろは中学3年生。
出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、
両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、
その信仰は少しずつ家族のかたちを歪めていく・・・。(帯)

デビュー作『こちらあみ子』が三島由紀夫賞を受賞。二作目の『あひる』が芥川賞の候補。いまもっとも新作が待望される今村夏子さんの三作目です。

ちひろの両親は、「金星のめぐみ」という水が、ちひろの幼少期の病気を治したと信じています。「金星のめぐみ」をタオルにかけ、そのタオルを頭に乗せて暮らしている両親。そんな家庭風景がおかしいと分かっていても、何も言えないちひろ。

みなさんも一度考えてみてください。大切な人が自分のために信じていることを、あなたも一緒に信じることができるでしょうか? また、信じられなくても、理解することはできるでしょうか?

科学的根拠がない、と切り捨てるのは簡単なことです。もしあなたがちひろの立場ならどうしますか?本書をお供に、社会問題を身近なものとして一度考えてみるのも面白いですよ。

 

作者の体験をベースに作られた作品

『しんせかい』
山下澄人(著)、新潮社

夢はブルース・リーになること。身一つで【谷】へ飛び込んだ青年は、【先生】の生き様に何を学んだのか――。
痛切な記憶がいま、物語として立ち上がる。(帯)

第156回(2017年度)芥川賞受賞作。あの有名脚本家・倉本聰さんが主宰する、富良野塾第二期生である作者が、当時について語ったとして話題にもなりました。

主人公である19歳の青年・スミトが、演劇塾【谷】で塾生とともに共同生活を送る物語です。自然に囲まれた【谷】では、脚本の勉強を行いながら、自給自足、すべて自分たちで賄わなくてはならない暮らし。

その裏側には「良い脚本・良い演技というのは体を動かすことと連動している」という思想があったのです。

夢を追い、夢に悩む青春小説を楽しめるだけでなく、倉本聰さんの名言、富良野塾の内情なども知ることができて、個人的には大変興味深い作品でした。独特な文体もクセになりますよ。

 

2017年の傑作揃い

今回ピックアップしたのはわずか3冊でしたが、どの作品も傑作揃いであることは間違いありません。興味のあるものから順に読んでみてくださいね。

 


今回「アメトーーク ! 本屋で読書芸人」で紹介された中からピックアップした作品

i(アイ)』西加奈子(著)、ポプラ社
星の子』今村夏子(著)、朝日新聞出版
しんせかい』山下澄人(著)、新潮社


過去に「読書芸人」で紹介された作品を知りたい方はこちら↓

 

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。