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2017年版【アメトーーク!本屋で読書芸人】で紹介されたおすすめ本<1>


テレビ番組【アメトーーク!】の人気企画のひとつ「読書芸人」。

2017年の「読書芸人」は11月16日に放映されましたが、読者のみなさんはご覧になられたでしょうか?

私は、自分の知見を拡げるためにも「読書芸人」は欠かさずに見ています。非常に勉強になるんですよね。芸人という多忙な日々を過ごしながら、月に何十冊もの本を読む「読書芸人」の皆さんを見ると、モチベーションが自ずと上がります。

 

今回の「読書芸人」に出演されていたのは、オアシズ・光浦靖子さん、ピース・又吉直樹さん、メイプル超合金・カズレーザーさん、東野幸治さんの4人。

光浦さん、又吉さん、カズレーザーさんは「読書芸人」でお馴染みですが、東野さんは今回が初登場。(東野さんは、過去に『泥の家族』という小説を出しているほど、本好きとのこと)

 

また、今回の「読書芸人」では、東野さんの「熱くなく、ファンタジーじゃない本」というリクエストに対して、3人の読書芸人がプレゼンを行うという企画がありました。

三者三様のプレゼンに心を打たれた人も少なくないはずです。それぞれどのような本なのでしょうか。

 

又吉さんチョイス:町田康『ゴランノスポン』

『ゴランノスポン』
町田康(著)、 新潮社

最高ってなんて最高なんだろう。僕らはいつも最高だ。明日またくる朝。浅漬―。現実から目を逸らし、表層的なハッピー感に拘泥する表題作「ゴランノスポン」。自らの常識を振り翳す人間の暴力性を浮かび上がらせ、現実に存在する歪みを描く「一般の魔力」。現代と中世が書物を介し烈しく混ざり合う「楠木正成」他、秘蔵小説

7編を収録。笑いと人間の闇が比例して深まる、傑作短編集。(表紙裏)

 

現実から遠く離れた非日常や、いわゆる“普通じゃない”ぶっ飛んだ世界を楽しみたい時にはこの一冊を。ハッピーと魔力の混沌を描く「黒すぎる笑い」が特徴的な短編集です。

タイトルになっている「ゴランノスポン」の主人公は、お金がなくても、精神的にゆとりがあればそれでOK。ストレスを抱えるぐらいなら金持ちになりたいと思わないし、気が向かなければバイトも休む。だって精神的に満ち足りている方がハッピーだから。という考えを持つ男。

彼の思想は薄っぺらく、その場かぎりで、でも本人は根拠なき自信に満ち溢れています。端から見れば滑稽な男の行く末は……?

表題作以外の作品においても、出てくるのはどこか不穏な男ばかり。読んだ後は、間違いなく心がざわつく、そんな作品に仕上がっています。

 

光浦さんチョイス:桐野夏生『夜の谷を行く』

『夜の谷を行く』
桐野夏生(著)、文藝春秋

39年前、西田啓子はリンチ殺人の舞台となった連合赤軍の山岳ベースから脱走した。5年余の服役を経て、いまは一人で静かに過ごしている。

だが、2011年、元連合赤軍最高幹部・永田洋子の死の知らせと共に、忘れてしまいたい過去が啓子に迫ってくる。元の仲間、昔の夫から連絡があり、姪に過去を告げねばならず、さらには連合赤軍を取材しているというジャーナリストが現れ―

女たちの、連合赤軍の、真実が明かされる。(帯)

 

1972年に起こったあさま山荘事件から45年。構想10年、連合赤軍の兵士を含む、多数の関係者の取材を経て完成した、実話ベースの大作です。

主人公は、連合赤軍の一員だった西田啓子。連合赤軍では、内部分裂による凄惨なリンチ殺人事件が起きており、啓子はその現場から命からがら脱走してきた一人。逮捕され出所後、細々と目立たずに生きていましたが、ある日を境に、忘れたい過去に追われるようになります。

なぜ、20代の仲間同士が殺し合う結果になってしまったのか?革命を夢見ていた女たちの真実とは?犯した罪は、忘れたい過去は、もう二度と消えることはないのか?連合赤軍とはいったい何だったのか?

国際情勢が不安定な今だからこそ読まれるべき傑作だと思います。当事件を知らない方にこそ読んでほしいですね。

 

カズレーザーさんチョイス:田中芳樹『岳飛伝』

『岳飛伝』
田中芳樹(著)、講談社

宋の八代皇帝・徽宗の世。黄河に近い岳家に生まれた男児・飛は、生後三日目にして大洪水に流される。だが、彼こそは後に北方の侵略者から祖国を守るため激闘する、中国史上最大の名将なのである。若き英雄の誕生と成長、そして力強い仲間を得て旅立つ様を描く、一気読み必至の大河歴史スペクタクル第一巻。(表紙裏)

 

1100年代に活躍し、中国史上NO.1との呼び声もある武将・岳飛(がくひ)の物語。

歴史小説という形ではありながら、内容は伝記ではなくフィクションです。エンタメ色が強い作品となっており、歴史小説が不得意という方も楽しめる作品と言えるでしょう。

生後まもなく家が流されるという不遇の幼少時代から、聡明でリーダーシップ溢れる男性に成長した岳飛が、その頭の良さと機転で、頂上に上り詰めていく姿は、とにかく痛快です!人情味溢れる作品や、勧善懲悪ものがお好きな方ならきっと気に入るのではないでしょうか?スカッとできて、中国史の勉強も同時に行えるので一石二鳥です。

また、田中さんは「人の目があまり向いていない時代と人物を掘り起こしていきたい」という言葉を度々仰っています。人があまり知らない、一味違った作品を読みたい方にはおすすめですよ。

 

『読書芸人』太鼓判の作品たち

興味のある作品はありましたでしょうか?

ぜひ選書の参考になさってくださいね。

 


【今回ご紹介した書籍】

又吉直樹さんおすすめ:『ゴランノスポン』町田康(著)、新潮社
光浦靖子さんおすすめ:『夜の谷を行く』桐野夏生(著)、文藝春秋
カズレーザーさんおすすめ:『岳飛伝』田中芳樹(著)、講談社


 

今までの「読書芸人」で紹介された書籍のまとめはこちら。

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。