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『空飛ぶ広報室』『三匹のおっさん』ほか有川浩のドラマ化作品が面白い!


作品ごとに違った視点、違った要素を盛り込み、次々とファン層を広げる有川浩さん。
多くの作品が実写映像化され、原作を読んだことはないけれどドラマは知っている! という方も多いかもしれません。
ドラマ化された作品は、やはり原作を読んでも面白いものばかりです。

そこで、ドラマ化された小説の中でも選りすぐりの作品をご紹介します!

 

『空飛ぶ広報室』

空飛ぶ広報室
幻冬舎

一般の人にはあまり馴染みのない自衛隊・広報部を舞台とした長編小説。2010年に投稿電子書籍サイトで連載された後、小説として出版されました。
本来であれば2011年の夏に出版される予定でしたが、3月11日に発生した東日本大震災の影響で出版を延期。
そして、「3.11に触れずに本を出版できない」という有川さんの意向により、最終章「あの日の松島」を加え、2012年の夏に出版されました。

2012年末には、雑誌の「BOOK OF THE YEAR 2012」小説部門で1位を受賞し、第148回直木三十五賞の候補作にノミネートされるなど、高い評価を得ている作品です。

 

執筆のきっかけとなったのは、当時の自衛隊空幕広報室の室長から「航空自衛隊を舞台にした作品を書かないか」と声をかけられたことだそうです。
そして、同室長は作品に登場する室長のモデルとなりました。
有川さんは自衛隊のいろいろな部隊を取材し、その結果、声をかけられた広報室が一番面白いと判断したと後に語っています。

 

この物語の主役は、航空自衛隊の「ブルーインパルス」という曲芸飛行部隊に憧れて入隊した、戦闘機パイロット・空井大祐。
彼は夢をかなえる直前で不慮の事故によりパイロットの道を絶たれてしまいます。そして、異動となったのが広報室。
そんな新人広報官の奮闘ぶりが描かれています。

 

有川さんが得意とするラブコメ要素は控えめで、自衛隊の裏方、あるいは立ち位置がリアルに盛り込まれた作品です。
とにかくテンポがよく、字面からそれぞれのキャラクターを容易に思い浮かべることができます。

 

ドラマ化されたのは2013年。主人公は帝都テレビ情報局のディレクター・稲葉リカに変更されています。
リカ役に新垣結衣さん、大祐役に綾野剛さんが抜擢され、要潤さん、水野美紀さんら豪華キャストが出演。
室長役は柴田恭兵さんが演じています。また、航空自衛隊の全面協力により撮影され、自衛官も多数エキストラ出演しました。

 

『三匹のおっさん』

三匹のおっさん
新潮社

隔月刊の雑誌に不定期で連載された後、2009年3月に単行本として出版。
2011年には続編が同雑誌に連載され、2012年3月に『三匹のおっさん ふたたび』として出版されています。

本書『三匹のおっさん』は、元悪ガキ3人組が自警団を結成し、町内の悪を成敗する痛快活劇シリーズです。
元悪ガキといっても、今や3人は還暦を過ぎた「おっさん」。その3人のおっさん達が、かつての悪ガキぶりが垣間見えるドタバタコメディーを繰り広げます。
その一方で、存在が薄くなった自治会や町内会に目を向け、社会貢献という身近な問題を取り上げているところが有川浩さんらしいといえるかもしれません。

有川さんの作品の中では社会派的要素が強く、主役の3人組がおっさんということもあり、有川さんは本書で50代以上のファン層からも支持されるようになりました。

 

3人組のおっさんは、剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、頭脳派・ノリ。
それぞれが自身の持つ専門知識を活かし、町にはびこる悪を斬る愉快な物語で、とにかくおっさんが元気で活き活きと描かれています。

同世代の方ならエネルギーをもらえ、違う世代なら「おっさん」を楽しく理解できるはず。
それぞれの世代の考え方やファッション感覚はもちろん、昭和と平成をおっさんと孫を通して見事に描いているところは、本書の面白さといえるでしょう。

 

初のドラマ化は2014年。おっさん役は、北大路欣也さん、泉谷しげるさん、志賀廣太郎さんという異色の組み合わせ。
高視聴率をマークし、翌2015年には「三匹のおっさん2~正義の味方、ふたたび!!~」、2017年には「三匹のおっさん3~正義の味方、みたび!!~」のタイトルで放映されました。

 

『フリーター、家を買う』

フリーター、家を買う
幻冬舎

2007年にWEB連載された後、アフターストーリー「after hours」を加えて2009年8月に単行本として出版されました。
いわばフリーターのサクセスストーリーですが、その中には母親のうつ病や偏屈な父親という家族の問題、近隣トラブル、恋愛要素もバランスよく組み込まれています。

 

主人公・武 誠治は大学を卒業して就職をするも、親に相談することなく3カ月で会社を辞めてしまい、その後は再就職もせずに自堕落なフリーター生活を続けます。
それが原因で父親との衝突は絶えませんが、母親はいつも誠治をかばってくれていました。
そんな優しい母親が病気になったのを機に誠治は一念発起し、生活を改めます。
その奮闘ぶりを通して、家族の再生と人々の成長を描いた作品です。

 

家族、就職、フリーター、病気、恋愛など、馴染みがある設定で現実味があり、我が身に置き換えて読み進める方もいるかもしれませんね。
有川浩さんの作品に共通する「前向き」なストーリー展開で、誠治の奮闘ぶりからエネルギーを受け、「頑張ろう」というポジティブな気持ちになれる1冊です。

 

2010年には、二宮和也さん、竹中直人さん、浅野温子さん、井川遥さんの4人による家族構成でドラマ化されました。高視聴率をマークし、2011年にはオリジナル脚本でスペシャルドラマが制作されています。
個人的にドラマのキャスティングはイメージ通りでした!ドラマを見てから小説を読む方にはドラマの配役が頭に浮かんでくるほど、キャスティングがイメージ通りとなっています。

 

ドラマ化される有川ワールドは見ても読んでも面白い!

有川さんの小説は、ストーリーはもちろん、キャラクターが個性的で魅了されてしまいます。
ドラマではそのキャラクターがビジュアルで楽しめ、小説では読み手が想像する楽しさがあります。

ドラマは見たけど原作は読んだことがないという方は、ぜひ読んでみてください。

 

本日紹介した 有川浩 さんの書籍

空飛ぶ広報室
幻冬舎

三匹のおっさん
新潮社

フリーター、家を買う
幻冬舎

⇒有川浩 さんの作品をもっと見る

 

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