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ショートショート小説おすすめ4選|外出先で読みたい一味違った作品


通学や通勤中、待ち合わせ前など、外出先でちょこっと読書を楽しみたい!

そんな方にオススメなのが、ショートショート集。ショートショートといえば、星新一さんや、小松左京さん、筒井康隆さん、海外だとアイザック・アシモフさん、フレドリック・ブラウンさん、レイ・ブラッドベリさんなどが有名ですよね。

また、ショートショートはその特性上、結末の意外性を楽しむものであり、短い話でオチをつける必要があるため、斬新なアイデアが出やすいミステリーやSFなどの要素を持つものが多いように思います。

 

今回は、少し違った視点やジャンルで書かれたショートショート集を紹介します。スキマ時間のお供にいかがでしょうか?

 

星新一の孫弟子が描く。過去の記憶を呼び起こす夢巻

『夢巻』
田丸雅智(著)、双葉社

久しぶりに再会した古い友人に連れられて入ったのは、とあるシガーバー。店員に渡された葉巻を口にすると、子どもの頃の光景が鮮やかによみがえった。この不思議な葉巻を、友人は「夢巻」というのだが―。(表題作)新世代ショートショートの旗手による大注目デビュー作。幻想的だったり、シュールだったり、ナンセンスだったり。一話5分で楽しめる、夢と驚きに満ちた世界がここに!(表紙裏)

 

星新一さんの孫弟子(星新一さんの唯一の弟子・江坂遊の弟子)である田丸雅智さんのショートショート集。星新一さんの作風を引き継いでいるかと思えば、その作風は全く異なります。

なかでもこの作品は、ピースの又吉直樹さんが「どんな仕事でも、アイデアって大事じゃないですか。それって刺激的で斬新な発想に触れないと絶対に出てこないから、みんなこれを読んだ方がいいと思います」と絶賛したことで一躍話題となった一冊です。

タイトルの『夢巻』というのは、とあるシガーバーで提供される桃色の煙が出る葉巻のこと。葉巻の原材料はたばこ葉ですが、夢巻の原材料は『子どもの頃の作文』。過去の記憶を呼び起こしてくれる夢巻。

幻想的なショートショートを楽しみたい方におすすめの作品です。

 

旅にまつわる48のファンタジーショートショート

ショート・トリップ
森絵都(著)、集英社

「ならず者18号」に科せられた刑罰としての旅。道に迷った「奇跡の犬」の壮大な冒険。生涯、孤高の旅人として生きた伝説の「試食の人」―。ユーモアとサービス精神に溢れた旅を巡る48のショートショート集。単行本未収録作品のほか、本文イラスト・長崎訓子の描きおろしストーリーや、いしいしんじの特別寄稿も加えて、待望の文庫化。(表紙裏)

 

森絵都さんが書く、48の”旅”にまつわるショートショート集。毎日中学生新聞の連載『Further sight 旅のかけら』を加筆したものが収録されています。

ジャンルは、ファンタジーが中心。寓話やくすりと笑えるショートショートが収録されています。1話は3ページという長さ。5分ほどのスキマ時間でファンタジーの世界にトリップできる本というのは珍しいのではないでしょうか。

さすが森絵都さん!と言えるような、知的好奇心をくすぐる内容も満載で、私は作品を読むたびにワクワクしていました。

また、1話ごとに挿絵も付いているので、まるで絵本のようにも楽しむことができますよ。表紙は宇宙の中を旅するロケットのイラストが描かれています。

 

妻のために描き続けたショートショートとエッセイ集

『妻に捧げた1778話』
眉村卓(著)、新潮社

妻が退院してから、私は考えた。何か自分にできることはないだろうか。思いついたのは、毎日、短い話を書いて妻に読んでもらうことである。文章の力は神をも動かすというが、もちろん私は、自分の書くものにそんな力があるとは信じていない。ただ、癌の場合、毎日を明るい気持ちで過ごし、よく笑うようにすれば、体の免疫力が増す―とも聞いた。(中略)書いたら読んでくれるかと尋ねると、元来本が好きな妻は、読もうと頷いた。(帯)

 

余命一年の妻のために、毎日ショートショートを一話ずつ書き続けた眉村卓さん。本書は眉村さんのショートショート集でもあり(五年間生きた妻への1778篇から19篇を収録)、エッセイ集でもあります。

『一日一話』というタイトルで書かれた作品たちは、バラエティに富んでおり、一般的なショートショートの定義を見事にぶっ壊してくれます。

眉村さんが妻へ向けて書く『一日一話』のなかで、決めていたことは「読んであははと笑うか、にやりとするもの。フィクションで、一回原稿用紙三枚以上。売り物になるレベル」なのだそう。病人の神経を逆撫でしたり、深刻なものは避けたのだそう。

ですので、にやりと笑えるショートショートを楽しみたい方にはぜひおすすめしたい作品ですよ。

 

世にも奇妙なショートショートの世界

『短劇』
坂木司(著)、 光文社

懸賞で当たった映画の試写会で私が目にしたのは、自分の行動が盗撮された映像だった。その後、悪夢のような出来事が私を襲う…(「試写会」)。とある村に代々伝わる極秘の祭り。村の十七歳の男女全員が集められて行われる、世にも恐ろしく残酷な儀式とは?(「秘祭」)。ブラックな笑いと鮮やかなオチ。新鮮やオドロキに満ちた、坂木司版「世にも奇妙な物語」。(表紙裏)

 

『和菓子のアン』などハートウォーミングな作品で知られる坂木司さんのショートショート集。『本が好き!』に連載されていたものを書籍化した作品になります。

収録されている作品は26作品。これまでの坂木さんの作風とは異なり、ビターな奇想短編集に仕上がっているのが特徴的です。解説のなかで、「坂木司と平山夢明――イメージ的には対極ともいえるこの二人の作家を結び付けて考えることになろうとは、我ながら夢に思わなかった」という言葉が出てくるように、とにかく坂木さんらしくない意外な作風に読者は必ず驚くはずです。

ジャンルは、まさに『世にも奇妙な物語』。冒頭部分は穏やかだった作風が、豹変し、クライマックスには……。続きはぜひ本書でご覧ください。

 

スキマ時間に小説の世界へ

たかが5分、されど5分。

スキマ時間の読書は、人生を豊かにしてくれることでしょう。ぜひ手にとってみてくださいね。

 


今回ご紹介した書籍

夢巻田丸雅智(著)、双葉社
ショート・トリップ森絵都(著)、集英社
妻に捧げた1778話眉村卓(著)、新潮社
短劇坂木司(著)、 光文社


 

さくっとよめてガッツリ楽しめる、めくるめく短編小説の世界はこちら!

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。