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日本を風刺したファンタジー作品、百田尚樹著『カエルの楽園』


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カエルの楽園
百田尚樹(著)
新潮社
発売日:2016/02/01

 

 

 

あらすじ・本内容

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凶悪なダルマガエルに土地を奪われたアマガエルのソクラテスとロベルト。苦難の果てにたどり着いたのは平和で豊かな国「ナパージュ」。
そんな楽園で暮らすツチガエルは、奇妙な教え「三戒」により守られている。しかしある日、「ナパージュ」にウシガエルが迫ってきた…!

 

デリケートな問題をファンタジーとして描いた作品

『カエルの楽園』は、著者である百田尚樹氏が「自身の最高傑作」と断言する自信作で、メールマガジンで掲載したものが本としてまとめられました。
元々寓話好きだった百田氏は、カエルをモチーフにして「21世紀の寓話小説として執筆した」とインタビューで語っています。また、本書執筆のきっかけの1つは、前年に出版した現代社会を活字で斬った『大放言』だったといいます。

 

本書の舞台は、平和で豊かなカエルの国「ナパージュ」で、これはローマ字JAPANを逆さ読みしたもの。
ナパージュの人々が守っている「三戒」は、「カエルを信じろ。カエルと争うな。争うための力を持つな。」というもので、憲法9条を連想させます。そしてナパージュで暮らすツチガエルは日本人、凶悪なウシガエルは近隣国だということが容易に推測できるでしょう。

この分かり易い設定の中で百田氏が強調するのは、日本人と推測されるツチガエルの平和主義の愚かさです。
つまり、日本を取りまく現状がファンタジーという形で描かれ、平和ボケした日本を鋭く風刺したものということです。
そして、そのリアリティが本書の面白さで、読後には日本を取りまく現状について考えざるを得なくなってしまうところでしょう。

賛否両論あるデリケートな問題ですが、現状を把握する役目となるのは確かです。

 

今回ご紹介した書籍
カエルの楽園
百田尚樹(著)、新潮社

 

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