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扉を開けると、そこは異世界! 異世界トリップファンタジー5選


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「現実世界の人間が、ひょんなことから異世界に迷い込んでしまう」というストーリーは、古今東西さまざまなところでよく描かれる、物語の一類型です。

タンスにもぐったり、海を渡ったり、鏡をくぐったり…。日常のなかに開いた異世界への入り口は、いつでも私たちの冒険心をくすぐるものです。

今回は、そんな「異世界に迷い込む」物語の中から、おすすめの本をご紹介します。海外の児童文学から日本のライトノベルまで、主人公と一緒に不思議な世界へ迷い込んだ気分になれる物語の数々をお楽しみください。

 

古いお屋敷の衣装だんすを開けると、そこには―――

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ライオンと魔女
C.S. ルイス/著(岩波書店)

名作児童文学のシリーズ、「ナルニア国ものがたり」の第一作目にあたる本です。

舞台は第二次大戦中のイギリスで、主人公は、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィという4人のきょうだいです。空襲を避けるためにロンドンから疎開した片田舎で、きょうだいはある学者に預けられ、そのお屋敷で暮らすことになります。

そしてある日、屋敷のなかを探検しているうちに、ルーシィはある不思議な衣装だんすを見つけます。衣装だんすのなかに入ってみると、そこは一面の雪景色でした。そこでルーシィは、腰から上は人間で、ヤギの両足をもつ奇妙な生き物・フォーンに出会います。そこは、言葉を話す不思議な生き物や妖精が住む魔法の国、ナルニア国という異世界でした。

やがてルーシィとそのきょうだいたちは、白い魔女が、ナルニアの国を雪に閉ざし、支配しようとしていることを知ります。きょうだいたちは、正義のライオン・アスランとともに、魔女との戦いに挑みます。

1950年に出版されて以来、世界中で愛され続け、2005年には映画化もされた人気シリーズです。

 

でぶっちょの少年バスチアンの冒険

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はてしない物語
ミヒャエル・エンデ/著(岩波書店)

でぶっちょで空想好きな少年、バスチアン・バルタザール・ブックスは、ある日カール・コンラート・コレアンダー氏の古本屋で、ふしぎな本を見つけます。あかがね色の表紙に、それぞれが相手の尾を咬んだ二匹の蛇が描かれ、中は二色刷りになっているその本の題名は、「はてしない物語」。バスチアンは、この本になぜだか惹きつけられます。まるで本が呼んでいるように感じ、どうしても本を手に入れたくなったバスチアンは、ついにお店から本を盗み出してしまいます。

その本は、ふしぎな種族たちが住む国、ファンタージエン国の物語でした。ファンタージエン国は、女王・幼ごころの君が病に臥せり、滅亡の危機に瀕しています。女王はアトレーユという少年に、ファンタージエン国を救う方法を探すよう命じます。

バスチアンは、本を読み進めながら、アトレーユの冒険にどんどんのめり込んでいきます。バスチアンがいる現実の世界と、アトレーユが冒険するファンタージエン国の話が交互に語られ、やがて少しずつお互いの世界が交錯していきます。アトレーユが探索の旅から戻ったとき、バスチアンは、自分がファンタージエン国を救う方法を知っているということに気づきます。

 

図書館の本が導く、ふしぎな七つの夜の世界

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七夜物語
川上弘美/著(朝日新聞出版)

主人公の鳴海さよは、小学4年生の女の子で、お母さんと二人暮らしをしています。本を読むのが大好きで、区立の図書館に足しげく通っていますが、ある日、ふしぎな本に出会います。「七夜物語」という題名のその本は、ふしぎなことに、読んだ後にその中身をすっかり思い出せなくなってしまうのです。

さよは「七夜物語」に導かれ、同級生で読書好きの少し変わり者の少年・仄田くんと、近所にある高校に忍び込みます。そこに、「七夜物語」に出てきた大きなねずみ、グリクレルが現れ、二人に「三つの試験」に合格するように言い渡します。

七つのふしぎな夜の世界へ迷い込み、現実世界と行ったり来たりするなかで、さよと仄田くんは自分の心のなかを覗き込むような、過去を知り、世界を知るような、ふしぎな体験を重ねます。

大人に向けた童話という雰囲気の漂う作品です。新聞連載時に掲載されていた、酒井駒子さんによる美しい挿画も、ページの下の方に小さく掲載されています。

 

暗い海を飛び越え、妖魔のはびこる異世界へ

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月の影 影の海
小野不由美/著(新潮社)

NHKでアニメ化もされた大人気シリーズ・「十二国記」の中の一作です。

女子高生・中嶋陽子は、まじめで気の弱い女の子。ある日、学校にケイキと名乗る怪しい男が現れ、とつぜん陽子に「私とおいでください」と告げます。そして同時に、茶色の翼を持った化け物が陽子とケイキを襲います。訳も分からず化け物から逃げているうちに、ケイキとはぐれてしまった陽子は、暗い海を飛び越え、異世界へと迷い込んでしまいます。襲いかかってくる妖魔から逃げながらさまよい、陽子は元いた場所へ戻る方法を探します。

出会った人に裏切られたり、不気味な幻覚に悩まされるうちに、徐々に人間不信に陥っていく陽子。そして、この世界が、自分のいた元の世界とはだいぶ異なるということに気がつきます。古代中国のようでありながら、妖魔がはびこり、仁獣・麒麟に選ばれた十二の王が、十二の国を治めています。いったいなぜ、ケイキは陽子をこの世界に連れてきたのか。そしてなぜ助けに来ないのか。謎に満ちた世界で、陽子の苦難の旅が始まります。

 

平凡な高校生男子が、美少女魔法使いの「使い魔」に?!

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ゼロの使い魔
ヤマグチノボル/著(メディアファクトリー)

高校生の平賀才人は、運動も勉強も中ぐらい、ちょっとヌケている平凡な少年です。才人はある日、街の中で光る鏡を見つけます。好奇心にかられて鏡をくぐると、電流を流されたようなショックを感じ、気絶してしまいます。目がさめると、桃色の髪の可愛い女の子がいて、才人の顔を覗き込んでいました。

女の子は、ルイズという魔法使いで、才人を異世界「ハルケギニア」へ召喚した張本人でした。ルイズはトリステイン王国の貴族で、魔法学院の生徒ですが、出来が悪く「ゼロのルイズ」と呼ばれています。本来は使い魔を召喚しようと思ったのですが、なぜか平民の人間を召喚してしまったのです。

使い魔の召喚はやり直しができない決まりになっているため、ルイズはしぶしぶ才人を自分の使い魔とすることに決めます。こうして、ルイズと才人の奇妙な生活が始まります。

アニメ化もされた人気ライトノベルシリーズです。著者のヤマグチノボルさんは2013年に亡くなりましたが、ヤマグチさんの遺したプロットをもとに2016年2月、続巻が刊行されています。

 

非日常を冒険する楽しみ

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海外の名作から日本の人気ライトノベルまで、5作の異世界トリップファンタジー作品をご紹介しました。

不思議な国に迷いこんでしまう物語は、非日常を冒険する楽しみを感じさせてくれます。異世界の謎に驚き、戸惑いながらも徐々に受け入れていく主人公たちと一緒に、見たことのない世界を旅してみませんか?

 

今回ご紹介した書籍

ライオンと魔女』C.S. ルイス/著(岩波書店)
はてしない物語』ミヒャエル・エンデ/著(岩波書店)
七夜物語』川上弘美/著(朝日新聞出版)
月の影 影の海』小野不由美/著(新潮社)
ゼロの使い魔』ヤマグチノボル/著(メディアファクトリー)

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今回ご紹介した作品以外にもおすすめのファンタジー作品がまだまだあります!
親子で楽しむのもいいかもしれませんよ。

ライター

ラッテ
3度の飯より本が好き。興味のおもむくままに、いろいろな分野の本を読んでいます。特によく読むジャンルは、IT、美術、語学、旅行、インテリア、漫画など。本好きが高じて、書店員をしていたこともあります。