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執事が華麗に活躍! おすすめの推理小説


更新日:2019/5/16

 みなさんは、「執事」と聞くとどんなイメージが沸きますか?
白髪で老齢の紳士? それとも、眼鏡を掛けた長身の青年でしょうか。

「執事」とは、上流家庭で主人の家事やほかの使用人を監督する役職のこと。イギリスでは、スチュワード(家令)とバトラー(上級使用人)などと分類されています。

普段は主人の後ろに立っていることが多い執事ですが、推理小説の中では探偵役として活躍することも多いんです。

ここでは、執事が登場するおすすめのミステリー小説をご紹介します。

華麗な推理と身のこなし。執事たちとともに謎解きを楽しんでみませんか?

 

『黒後家蜘蛛の会』

『黒後家蜘蛛の会』表紙

黒後家蜘蛛の会
アイザック・アシモフ(著)、東京創元社

月に1度、6人のメンバーと老給仕のヘンリーが参加する「黒後家蜘蛛の会」。毎回誰かしらが問題を持ち込み、それに対して各々が推理を披露、白熱した議論を交わしている。
しかし、最後に事件の謎を解くのは、いつも話を聞いているだけのヘンリーだった。

 

「安楽椅子探偵」の代表作として、世界中から愛されている『黒後家蜘蛛の会』。
一部アメリカの歴史や文化・風土に関する理解が必要ですが、それらの知識がなくても楽しむことができますよ。

殺人事件など大きな事件は起こりませんが、クセのある6人のやり取りや考察が丁寧に描かれており、その人間模様も魅力の1つです。
最後のおいしいところは給仕のヘンリーがいただく、そんな様子も面白いんですよ。

多彩な知識が飛び交い、何度読んでも楽しめる再読性の高い作品です。

【関連記事】おすすめの安楽椅子探偵ものミステリー小説

 

『謎解きはディナーのあとで』

『謎解きはディナーのあとで』表紙

謎解きはディナーのあとで
東川篤哉(著)、小学館

新米刑事の宝生麗子は、実は世界的に有名な宝生グループの1人娘。
事件の真相が見えず行き詰まった麗子は、執事兼運転手の影山に事件のことを話し始める。影山はそんな麗子に暴言を浴びせながらも、事件の核心に迫っていく。

 

2011年の本屋大賞受賞作品。令嬢刑事と毒舌執事という異色の組み合わせが話題になりました。

2人の掛け合いとテンポよく進む物語、そして影山の軽快な謎解きに個性的なキャラクターと、多くの魅力が詰まった作品です。
お金持ちの子息である風祭警部の、自信たっぷりな姿と滑稽な推理は見逃せませんよ。

比較的ライトに読める作品なので、ミステリー初心者さんにもおすすめです。

 

『うちの執事が言うことには』

『うちの執事が言うことには』表紙

うちの執事が言うことには
高里椎奈(著)、KADOKAWA

イギリスに留学していた花穎(かえい)は、突然引退宣言した父のせいで、名門・烏丸家の27代当主になることに。
困惑しながらも帰国した花穎を待っていたのは、信頼をおいていた前任の執事・鳳ではなく、新執事だという衣更月(きさらぎ)だった。

 

18歳で当主になった花穎と、新しい執事の衣更月が日常に潜む謎に迫るミステリー作品。

衣更月は花穎のことを主人として認めておらず、「主人と執事」の主従関係ではなく、いまいち息が合わず「不本意コンビ」と名付けられた2人の関係性を楽しむことができます。
はたしてこの2人に信頼関係は生まれるのでしょうか……?

少し変わった執事を楽しみたい方はぜひシリーズを通して読んでみてくださいね。

 

『比類なきジーヴス』

『比類なきジーヴス』表紙

比類なきジーヴス
P・G・ウッドハウス(著)、国書刊行会

イギリス流ユーモア小説として、長年親しまれている「ジーヴスシリーズ」の第1作目。古き良きイギリスのユーモアが詰まった作品です。
当時皇后陛下だった上皇后美智子さまが、84歳のお誕生日を迎えられた際、退位後に読みたい書として挙げられたことでも話題となりました。

お人よしのバーティ・ウースターに仕える執事のジーヴス。彼がなにかとトラブルに巻き込まれるバーティに救いの手を差し伸べ、問題を解決していくストーリーです。

ジーヴスは有能な執事でありながらも、皮肉屋な一面があるなど非常に人間味があります。そんなジーヴスとバーティのやり取りにはクスッとさせられることでしょう。

「ジーヴスシリーズ」一覧はこちら

【関連記事】「ジーヴスシリーズ」とは?執事と主人のやりとりが魅力の小説を読もう!

 

『貴族探偵』

『貴族探偵』表紙

貴族探偵
麻耶雄嵩(著)、集英社

貴族探偵を名乗る謎の男が、使用人たちを文字通り使用して事件を解決していく物語。
探偵が自分で推理するのではなく、己の執事・メイド・運転手に推理をさせるという一風変わった設定です。

なんとこの貴族探偵、使用人が推理している間は優雅に紅茶を飲んでいるか、女性に声をかけています……! さらに警察上層部が頭を下げるほどの身分らしい……今までこんな探偵がいたでしょうか?
もちろん使用人たちも個性的で、謎多き存在です。

本作は短編集となっており、なかでも「こうもり」の結末にはハッとさせられるはず。あなたは騙されずに真相を導き出せるでしょうか?

 

執事の活躍に注目しよう!

主人を支える、個性的な執事が登場する推理小説をご紹介しました。

こうしてみると、安楽椅子探偵の作品が多いですね。主人の話を聞くだけで事件の真相が分かるその洞察力には脱帽させられます。

人気作品が多く、続編が刊行されているものもあるので、気に入ったらぜひシリーズを通して執事の活躍を読んでみてくださいね!

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