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デビュー30周年記念第2弾。東野圭吾著『人魚の眠る家』あらすじ


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人魚の眠る家
東野圭吾(著)
幻冬舎
発売日:2015/11/01

 

 

 

あらすじ・本内容

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播磨和昌と結婚し、彼の娘・瑞穂と生人の母となった薫子。不貞を繰り返す和昌との生活に疲れた薫子は、瑞穂の小学校受験を終えたら別居を決意していた。
そんなある日、瑞穂がプールで溺れて病院に救急搬送されたと連絡が入る。
蘇生措置の後、医師から告げられたのは残酷な現実と厳しい選択だった…。

 

重いテーマで描かれる母親の苦悩

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本書『人魚の眠る家』は、『ラプラスの魔女』に続く東野圭吾氏の作家デビュー30周年記念作品の第2弾です。

「こんな物語を自分が書いていいのか?今も悩み続けています。」と東野さんが話したように、「脳死」「臓器移植」という重いテーマで母親の苦悩が描かれています。
何をもって「死」と定義するのか、「脳死」と「死」の違いとは何か、家族や自分が脳死状態になったら…。どこか遠い話として目を背けていた「脳死」について考えさせられる作品です。
また、選択を迫られた薫子の行動は「愛」なのか「狂気」なのか…という点も読みどころの1つ。「臓器移植」を決断する家族の苦悩だけでなく、移植を待つ側の苦しみも描かれていることが、本書を奥深くしています。
加えて、脳死や臓器移植に関して、海外との違いを織りまぜて物語が進められている点も興味深いです。

本書では、そうした重いテーマを一方の感情だけに偏重せず、また読者に答えを押しつけることなく、自然な形で問題提起しています。東野氏の筆力の高さを感じずにはいられません。

 

推理小説をミステリと捉えるのであれば、本書『人魚の眠る家』はミステリではありません。しかし、ミステリの本来の意味は「神秘」や「謎」。
そう考えれば、本書は人体の神秘、そして決してすべてを理解することができない人間心理を掘り下げている点で、より奥深いミステリといえるでしょう。

 

今回ご紹介した書籍
人魚の眠る家
東野圭吾(著)、幻冬舎

 

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