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「死刑制度」を問う。東野圭吾著『虚ろな十字架』あらすじ


20170509-utsuronajuuzika1虚ろな十字架
東野圭吾(著)
光文社
発売日:2014/05/23

 

 

 

あらすじ・本内容

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伯父から引き継いだペット葬儀業を営む主人公・中原道正のもとに、元妻の小夜子が殺されたと連絡が入る。

11年前、当時小学2年生だった娘・愛美を殺されたことがきっかけで離婚した2人だったが、小夜子の葬式で道正は元妻が離婚後も娘のために精力的に活動していたことを知る。道正が生前の小夜子の足跡をたどりながら見つけたものとは…?

 

「死刑制度」の是非を問う問題作

東野圭吾氏の作品は、雑誌などの連載作として発表されることも多いですが、今作は書き下ろしのサスペンス小説であり、「死刑制度」の意義を正面から取り上げた問題作です。

ミステリー作家でありながら、社会問題提起をした作品を数多く世に送り出している東野圭吾氏。これまでも『手紙』や『さまよう刃』といった作品で犯罪の加害者家族と被害者家族それぞれが織りなす人間模様を描いてきました。
しかし今作ではこれまでの作品とは異なり、死刑制度の是非に強く焦点が当てられています。

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幼い子どもの命を奪いながらも全く反省の色がない容疑者・蛭川の態度は大変醜悪で、フィクションと知りながらも思わず拳を握り締めたくなるほどです。

主人公の道正は葬式をきっかけに小夜子が属していた犯罪被害者遺族の会に訪れ、メンバーと接していくなかで、これまで知らなかった被害者や加害者の心情を知るようになります。
ここで東野圭吾氏は「加害者=悪、被害者=善」という単純な図式では表せない複雑な人間心理を巧みに表現しています。

この作品はフィクションであり、登場する人物はすべて架空のものですが、「死刑制度は何のためにあるのか」、「死刑制度は残すべきか」など死刑について考えるときの参考になる一冊です。

 

今回ご紹介して書籍
虚ろな十字架
東野圭吾(著)、光文社

 

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