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戦国時代が舞台のおすすめ歴史・時代小説


更新日:2019/8/6

歴史小説というと、難しそうで読みづらいイメージがありますよね。

漢字が難しい、知らない言葉がある、そもそも歴史って苦手……、さまざまな理由で時代・歴史小説を避けている方も多いでしょう。

ここで紹介する小説は、日本史の勉強が苦手な人でも、歴史の内容を知りながら物語の展開も楽しめるものばかりでおすすめです。

日本の歴史の中でも華々しい戦国時代を、武将たちの人生を追いながら学んでしまいましょう!

 

『新書太閤記』

『新書太閤記』表紙

新書太閤記
吉川英治(著)、講談社

『三国志』や『宮本武蔵』などの作品で知られる吉川英治さんが描いた、豊臣秀吉の物語です。全11巻におよぶ壮大な物語ですが、驚く程すらすらと読み進めることができます。

数々の逆境に立ち向かう秀吉が、どんどん成長していく姿を丁寧に描いているのが魅力の作品。
物語は、豊臣秀吉が百姓の家に生まれたことに始まり、やがて天下人となった秀吉が徳川家康と対立を深めるところで終わります。読み進めるほどに、豊臣秀吉という人物の魅力がひしひしと伝わってきますよ。

貧しい百姓から天下人へという奇跡的な大出世が実力によるものだと納得できます。秀吉の人物像がとても素敵です。

 

『真田太平記』

『真田太平記』表紙

真田太平記
池波正太郎 (著)、新潮社

『真田太平記』は、1974年から1982年に「週刊朝日」で連載。1985年には、NHKで新大型時代劇「真田太平記」としてドラマ化されました。戦国時代を生き抜いた真田家の人々の生き様を、丹念に描いた大作です。

真田家の人々(真田昌幸、真田信之、真田幸村)が、武田家につかえていた頃から物語は始まります。

今の時代でははかり知ることが出来ない戦国時代を、どのように生き抜いていったのか?
真田幸村と、兄の信之、父の昌幸が一家を守るために、捧げた一時代が鮮明に描かれています。

戦国時代らしい戦いのシーンも見ものですが、その背景にある真田家の生き様がこの物語を堪能できる醍醐味でもあります。戦国時代を生き抜く戦略の奥深さを知るとともに、清々しい生き様も堪能することができますよ。

 

『徳川家康』

『徳川家康』表紙

徳川家康
山岡荘八(著)、講談社

多くの歴史小説を発表している山岡荘八さんの作品のなかでも、『徳川家康』は特に有名な作品です。
徳川家康の生母の縁談からはじまり、家康が亡くなるまでの約70年を描く「世界最長の小説」としてギネスにも登録されています。

また、平和で安定した社会を作り上げるための戦略は、小説としてだけではなくビジネス書としても評価されています。

徳川家康が思い描いた「泰平」への努力や、苦悩などが丹念に描かれているのが魅力です。

戦国時代を通して、多くの武将が目指した「泰平」へたどり着いた徳川家康の凄さを実感します。名のある戦国武将が数多く登場するところも見所のひとつです。

 

『国盗り物語』

『国盗り物語』表紙

国盗り物語
司馬遼太郎(著)、新潮社

司馬遼太郎さんの『国盗り物語』は、1963年から1966年に「サンデー毎日」で連載。1966年には新潮社から単行本が全4巻出版されました。
またNHKの大河ドラマや、テレビ東京の新春ワイド時代劇にてドラマ化されています。

 

この作品は、斎藤道三と織田信長の2人を主人公とした2部構成。連載当初は、斎藤道三のみの話にする予定でしたが、編集部の希望により織田信長編も追加されましたとのことです。

斎藤道三編では、美濃の大名に成り上がる場面を描かれています。
一方の織田信長編では、道三の娘婿、織田信長が斎藤道三の野心を引き継ぎます。斎藤道三の甥で、のちに織田信長を殺すことになる明智光秀の視点から語られる部分も多く、読みごたえ十分です!

この時代は、裏切りや暗殺などにより、「国を盗る」奪いあいの時代です。
裏切りなどの苦渋の決断をしなければならずに葛藤する様が、現代にも通じるところがあり、読んでいて楽しめるところでしょう。


『天を衝く』

『天を衝く』表紙

天を衝く
高橋克彦(著)、講談社

作者の高橋克彦さんは岩手県出身。東北を舞台にした作品が多く、『天を衝く』もその1つです。

主人公は、歴史の教科書でもほとんど話題にあがらない九戸政実。
サブタイトルに「秀吉に喧嘩を売った男 九戸政実」とあるように、豊臣秀吉に最後まで猛威をふるった武将です。

最終的には、豊臣秀吉軍の強さにひれ伏しますが、最後まで弱音を吐かずに戦い抜く強さ、ここで死んでも構わないという潔さに惹かれます。

戦国時代を描いた小説ならではの戦闘シーンの描写も素晴らしく臨場感あふれ、舞台となった東北を今一度見直すきっかけとなるでしょう。
圧倒的な戦力差を目の当たりにしながら決して折れない九戸政実率いる九戸党と、豊臣軍の対比が見どころです。

 

『覇王の番人』

『覇王の番人』表紙

覇王の番人
真保裕一(著)、講談社

『覇王の番人』は、真保裕一さんが2011年に書き下ろした作品です。

本作は、本能寺の変をテーマとした歴史ミステリー小説。
明智光秀が信長を本能寺の変で討ったのはなぜなのか? 歴史を習ったことがある人は、誰しもが気になる出来事です。

この物語では、明智光秀が正義の人として描かれています。

明智光秀が織田信長に対して、親愛から不信感に変わる様子、なぜあの悲劇的な結末を迎えたのか、読者が達成感を得るようなクライマックスなのが特徴です。

また筆者は、「意外な黒幕」が居たのではと推理しており、今までなかった歴史解釈が見ものとなっています。

 

『利休にたずねよ』

『利休にたずねよ』表紙

利休にたずねよ
山本兼一(著)、PHP研究所ほか

戦国時代の小説は、武士を主人公にした作品だけではありません。

茶道に人生を捧げた千利休を主人公とした『利休にたずねよ』は、2006年から月刊誌「歴史街道」に掲載されました。
2013年には、市川海老蔵さんが主演で映画化。この映画は、第37回モントリオール世界映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞しています。

「利休にたずねよ」は、最初に切腹するところから描かれ、段々過去にさかのぼるように進んでいきます。

千利休がこだわってきた美学と、ある女性に想いを寄せる姿は、この物語の見所ですよ。

 

小説を読んで歴史を見直してみよう

戦国時代は、戦いが注目を浴びる時代ですが、その背景には色々な人生模様があることがそれぞれの小説で描かれています。

もちろん戦国時代ですから、戦闘シーンが随所に出てきます。しかし、小説の中でどのようにして躍動感を表現しているかも、というところも見ものですよ。

歴史を深く知ることも出来て、歴史の裏側も見られるような感覚になるので、上記にあげたおすすめ歴史小説を読んでみてはいかがでしょうか。
現代にも応用できる大切なものが見つかるかもしれません。

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