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おすすめの時代小説10選!苦手・初心者でもハマる珠玉の名作


時代小説というと堅苦しいイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、名作といわれる時代小説になると、気軽に読めてグイグイとその小説が持つ世界に引き込まれていきます。

ここでは時代小説のなかでも読んでおきたい名作を10作ご紹介します。それぞれの小説が持つ世界をお楽しみください。

 

1、何度も映像化されるほど人気!
『鬼平犯科帳』

鬼平犯科帳表紙

鬼平犯科帳
池波正太郎(著)、文藝春秋

「鬼平」こと、18世後半に実在した火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵を主人公とする有名なシリーズです。

「鬼平」をはじめ、部下の与力・同心たちのキャラクターがユニーク。最終話の「誘拐」が作者急逝のため未完なのが残念です。

 

2、連作捕物帳のさきがけとなった
『半七捕物帳』

半七捕物帳表紙

半七捕物帳
岡本綺堂(著)、光文社

幕末に岡っ引(御用聞き)を務めていた半七が、隠居した老後に昔の事件を青年に語る、連作捕物帳のさきがけとなった小説です。

江戸時代末期の市井の人々の風俗が生き生きと描かれており、時代考証・風俗考証の点でも秀逸。時代小説ファンなら目からウロコが落ちる必読の書です。

 

3、江戸のいろんな男たちにフォーカス!
『蚤とり侍』

蚤とり侍表紙

蚤とり侍
小松重男(著)、光文社

主君の怒りを買って風俗業をなりわいに暮らすことになった侍が主人公の短編を含む全6篇が収録されています。

ふつうの時代小説ではなかなか描かれない職業の男たちにフォーカスしているところが見どころ。
風俗考証に詳しい小松重男氏は、「くすっ」と笑わせてくれる短編が多く、おすすめの作家です。

 

4、流行語も生み出した!?
『木枯らし紋次郎』

木枯らし紋次郎表紙

木枯らし紋次郎
笹沢佐保(著)、光文社

紋次郎の決めセリフ「あっしにはかかわりがないことでござんす」が流行語になったことがある股旅物のシリーズです。

実は、紋次郎は友人の罪をかぶって八丈島に島送りになり、島抜けをした過去を持っています。

博打で生計を立てながら、死ぬまで旅を続けるしかないニヒルな無宿人・紋次郎がときどき見せる激情が読みどころ。

 

5、涙をさそいます……
『孤愁の岸』

孤愁の岸表紙

孤愁の岸
杉本苑子(著)、講談社

薩摩藩が木曽三川で行った宝暦治水工事(1754年~1755年)を舞台に、総責任者の薩摩藩家老・平田靱負を主人公として描いた長編小説です。

公儀の妨害もあり、薩摩藩士30名以上が病死、約50名が自害した難工事はまさに太平の世のいくさ。勝算なきいくさに挑む平田靱負の悲壮な決意が涙をさそいます。

 

6、野望がひしひしと伝わってくる!
『炎環』

炎環表紙

炎環
永井路子(著)、文藝春秋

源頼朝の挙兵(1180年)から承久の乱(1221年)にかけての時代を、鎌倉幕府を支えた4人の視点から描いた連作です。

その4人とは、阿野全成(頼朝の弟)、梶原景時、北条保子(北条政子の妹、全成の妻)、北条義時(第2代執権、北条政子の弟)。
彼らの心の葛藤が読みどころです。

 

7、江戸情緒あふれる人情捕物帳
『御宿かわせみ』

御宿かわせみ表紙

御宿かわせみ
平岩弓枝(著)、文藝春秋

江戸時代末期、旅籠「かわせみ」の女主人・るいや幼なじみで恋人の神林東吾を中心とした人々が、市井の事件を解決する捕物帳です。

「かわせみ」の奉公人たち、東吾の友人で定廻り同心の畝源三郎や医者の天野宗太郎とその家族などいろいろな登場人物が出てきて、読んでいて楽しい短編のシリーズが続きます。

 

8、映画化も話題になりました。
『たそがれ清兵衛』

たそがれ清兵衛表紙

たそがれ清兵衛
藤沢周平(著)、新潮社

下級武士たちのしがない日常生活と、政変に巻き込まれてすぐれた剣の腕前を見せる非常時との対比がおもしろい短編集です。
藤沢周平氏後期に特徴でもある、どこかほのぼのとした作風に心温まります。

なかでも、表題作の「たそがれ清兵衛」と「祝い人助八」は山田洋次監督により映画化されたことでも有名です。

 

9、『つる家』があったら通いたい!
『みをつくし料理帖』

みをつくし料理帖表紙

みをつくし料理長帖
高田郁(著)、角川春樹事務所

蕎麦屋「つる家」で働くことになった少女・澪は、天性の味覚と負けん気で、日々奮闘! いろいろな創作料理でつる家を評判店にしていく中で起こる出来事を描きます。

女性読者にも人気の江戸情緒あふれる人気作です。

 

10、安倍清明ブームのきっかけにもなった
『陰陽師』

陰陽師表紙

陰陽師
夢枕獏(著)、文藝春秋

「陰陽師」シリーズは平安時代前期の陰陽師・安倍清明を主人公とした伝奇小説で、安倍清明ブームのきっかけとなった作品です。

清明とそのパートナー源博雅とのセリフの掛け合いは読んでいておもしろいところ。
実は、源博雅は雅楽にすぐれ、『今昔物語集』にも音楽ネタで登場するほどの有名人です。

 

時代小説の世界に引き込まれる!

以上、時代小説の名作を10作ご紹介しました。ここにあげた作品は、いずれも気軽に読め、作品の世界につい引き込まれて、作者のほかの作品が読みたくなるようなものばかりです。

これを機会に、ぜひ時代小説を楽しんでください。

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これも読みやすい!読むとお腹が空いてくる、「江戸グルメ」が出てくるおすすめ本です。