ブックオフオンラインコラム
ブックオフオンライントップへ
ブックオフオンラインコラム > 本に出会う > 絵本・児童書 > 【大人もトラウマ注意】「怪談えほん」がとにかく怖い|シリーズ第1期作品

【大人もトラウマ注意】「怪談えほん」がとにかく怖い|シリーズ第1期作品


大人になって、絵本を読む機会がめっきりなくなった、という方は多いのではないでしょうか。ファンタジーや子供向けの絵本はちょっと……と思っている方に読んでほしい絵本があります。

それは、岩崎書店の「怪談えほん」シリーズ。

有名な作家とイラストレーターがタッグを組み、絵本でありながら大人でもビクッとしてしまうような怖いお話をお届けするシリーズです。

「怖いから読むときは気を付けて」って言われると、怖いもの見たさで逆に興味が湧いてきませんか?

 

原画展が各地で開催されるなど注目されている「怪談えほん」。

今回は、この「怪談えほん」シリーズ第1期の5作品についてご紹介します。絵本だからと侮ることなかれ、ですよ。

 

怪談えほん1.今はいらないと思っても……。
『悪い本』

悪い本

悪い本
宮部みゆき(作)、吉田尚令(絵)

この世の悪いことを、この世の誰よりも知っているという「悪い本」。悪い本は、あなたに一番悪いことを教えてくれるでしょう。
今は「いらない」と思っていても、あなたはいつか、悪い本と仲良くなりたいと思うはず……。

 

『模倣犯』や『ソロモンの偽証』などで知られる作家・宮部みゆきさんと、双子のお父さんでもあるイラストレーターの吉田尚令さんの共作。
子供が読むと、まだピンとこないかもしれませんが、大人が読めばハッとすることでしょう。

この世で一番悪いことが何か、明確な答えはありません。しかし読んだ後、誰もが持っている悪い部分について考えるようになるはずです。

くまや猿などの人形が不気味で悪い予感がするのに、なぜか先を読みたくなる……そんな絵本です。

「悪い本」についてもっと詳しく知りたい方はこちら

 

怪談えほん2.自分にだけ見える弟。
『マイマイとナイナイ』

マイマイとナイナイ

マイマイとナイナイ
皆川博子(作)、宇野亜喜良(絵)

マイマイは、弟のナイナイを見つけた。ナイナイは小さすぎて、母さんにも父さんにも見えない。
マイマイは、そんな小さなナイナイをくるみの殻に入れた。ある日森にでかけたとき、マイマイの目が壊れてしまい……。

 

『開かせていただき光栄です』や『薔薇密室』などの幻想的で美しい世界を描く作家・皆川博子さんと、独特なタッチで可愛らしい女性を描くイラストレーター・宇野亜喜良さんの共作。

異世界に迷い込んだような、救いようがない物語でありながら、その不安定で美しいイラストに引き込まれます。

自分に見えるものが、他人には見えないものだったとき、自分ならどうするか……と、考えてしまう絵本です。

 

怪談えほん3.高くて暗いところに何かいる。
『いるの いないの』

いるの いないの

いるの いないの
京極夏彦(作)、町田尚子(著)

田舎のおばあさんの家で暮らすことになった「ぼく」。おばあさんの家の高いところには“梁”があって、とても暗い。「ぼく」は“梁”の上が気になって……。

 

「百鬼夜行」シリーズの作者で妖怪研究家でもある京極夏彦さんと、ちょっと影のある絵と猫のイラストが特徴的なイラストレーター・町田尚子さんによる共作。
文字が少ないことで、より町田さん独特のジトッとしたイラストから得体の知れない怖さを感じます。

上を見て、誰かがいるという「ぼく」。見ないから、いるのか分からないというおばあさん。みなさんなら、いると思ったら見てしまうでしょうか。

最後のページに待っている恐怖を知りながらも、何度も読んでしまう中毒性のある絵本です。

 

怪談えほん4.踏み入れたら戻れない。
『ゆうれいのまち』

ゆうれいのまち

ゆうれいのまち
恒川光太郎(作)、大畑いくの(絵)

夜中、友達に「遊びに行こう」と誘われた。丘の向こうにひろがる「ゆうれいのまち」に辿りついた友達と「ぼく」。そっと覗いていると、幽霊たちに見つかり追いかけてきた!
そして「ぼく」だけが置いて行かれてしまい……。

 

ホラー作家であり、幻想的な物語を得意とする恒川光太郎さんと、アメリカで油絵を学び、個展などもおこなっている大畑いくのさんの共作。
幽霊たちにさらわれ、元に戻れなくなった「ぼく」を描いた作品です。

この作品に、恐ろしい幽霊は出てきません。しかし、違和感を感じさせるコラージュのイラストと、ゆうれいのまちでそのまま大人になっていく「ぼく」に、なんともいえない不安を感じます。

遊びに誘った友達は、本当に「ぼく」の友達だったのでしょうか……?

 

怪談えほん5.ありふれた音にある恐怖。
『ちょうつがい きいきい』

ちょうつがい きいきい

ちょうつがい きいきい
加門七海(作)、軽部武宏(絵)

部屋の扉からきいきいと音がする。よく見ると、ちょうつがいに挟まったおばけが痛いと叫んでいる! 耳をすますと、家の中に家の外、あちらこちらから、きいきい……。

 

霊や物の怪を扱う作品を多く執筆している作家・加門七海さんと、『のっぺらぼう』などの妖怪絵本を発表している軽部武宏さんの共作。
音が何かの形になったとき、こんなにも怖いものなのかと感じます。

普段なら気にしないような小さな音ですが、そんなどこからでも聞こえる音は、本当にただの音なのでしょうか……?

また、この絵本の表紙に描かれている落ちた椿の花にも注目して読んでみてください。椿といえば、病院などのお見舞いで避けられる花ですが……。

 

大人が読んでも怖い怪談えほん、一度読んでみて。

どの絵本も、誰もいない真夜中に読んだら恐ろしいこと間違いなし! 読み聞かせするときも、ゆっくりとトーンを下げてみるといいかもしれません。

今回このコラムで、少しでも「怪談えほん」に興味を持ってもらえたら幸いです。

「怪談えほん」第2期の紹介はこちら

 

今回ご紹介した「怪談えほん」(岩崎書店)

悪い本
宮部みゆき(作)、吉田尚令(絵)

マイマイとナイナイ
皆川博子(作)、宇野亜喜良(絵)

いるの いないの
京極夏彦(作)、町田尚子(著)

ゆうれいのまち
恒川光太郎(作)、大畑いくの(絵)

ちょうつがい きいきい
加門七海(作)、軽部武宏(絵)

全作品 東雅夫(編者)

「学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!」のトラウマ回を振り返る。

 

絵本だけじゃなく、もっと怖い本が読みたいあなたに。