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懐かしい! 那須正幹さん「ズッコケ三人組」シリーズ


「ズッコケ三人組」。

この言葉を聞いて、懐かしく思う方も多いのではないでしょうか?

私の小学校の図書館や本棚にも、「ズッコケ三人組」は置いてあり、小学生の頃から個人的に大好きな作品です。

 

「ズッコケ三人組」とは、那須正幹さんによる日本児童文学作品。

ハチベエ・ハカセ・モーちゃんという3人の小学生が活躍する物語で、1978年に1巻が発売してから2015年に至るまで、約37年もの間続いてきた人気シリーズです。

累計発行部数は、なんと2500万部以上!この驚異的な数字からも、幅広い世代から愛されてきた作品であることが分かります。

私自身、小学生の頃に魅了され、今でも愛読しています。

 

懐かしの「ズッコケ三人組」を、大人になった今だからこそ読み返すのも良し。

読者と共に年を重ねた「ズッコケ中年三人組」「ズッコケ熟年三人組」を読んで共感するのも良し。

久々に「ズッコケ三人組」の世界を除いてみませんか?

 

 

ここから始まった!
『それいけズッコケ三人組』

1巻
『それいけズッコケ三人組』

「三人組登場」というタイトルから始まる第1巻。

ミドリ市郊外の花山団地の一室、トイレの中で勉強をしていた正太郎(通称ハカセ)は、誰もいない家の中に泥棒が忍びこんだことに気づきます。泥棒は、ハカセの存在に気づいていません。

ハカセは助けを求めて、トイレットペーパーにメッセージを書き、トイレの窓からするすると下ろした時、同級生のハチベエとモーちゃんが偶然その紙を目にします。

ですが、トイレットペーパーに書かれていた漢字が難しく、2人は読むことができなかったのでした……。

 

大人になった今読んでも、こんなに面白いとは思いませんでした。

事件が起こっても必ず一件落着しますし、登場人物たちはみな思いやりに溢れていて、優しい気持ちで読むことができるのです。子どもにもぜひ読ませたい作品ですね。

ちなみに、1巻の最後の「いっしょうけんめいやったんだもの。最後は、すこしズッコケちゃったけどね。」「ズッコケ三人組ってところだね。」というやり取りから、『ズッコケ三人組』という名前がつけられました。

 

 

ついに卒業……!
『ズッコケ三人組の卒業式』

50巻(最終巻)
『ズッコケ三人組の卒業式』

1978年から続いてきた本シリーズですが、2005年に発売された50巻で幕を閉じることになります。

 

1巻から登場し、三人組の良き理解者であった、宅和先生というキャラクターが、本書でこのような言葉をつぶやきます。

「じつはな、教師をやめようと思ったのは、自分が、もう、今の時代の教師ではないことに気づいたからだよ。先生のような考えかたでは、これからの子どもたちにはとても対応しきれない。そんな気がするんだなあ」

 

宅和先生は、作者・那須正幹さんの思いを映し出す人物として描かれていました。そのため、おそらくこの言葉も那須さんの思いでしょう。

そしてズッコケ三人組は小学校を卒業し、新たな道へ……。

 

おじさんになりました。
『ズッコケ中年三人組』

40歳~49歳
『ズッコケ中年三人組』

2005年に発売されたこちらの作品。ズッコケ三人組が40代の中年になって戻ってきました!

児童文学ではなく、大人向けの文学作品として発売されています。

 

ってあれ? 2005年に「ズッコケ三人組の卒業式」が発売され、三人とも小学校を卒業したばかりでは?と思う人もいるでしょう。

「ズッコケ中年三人組」は、1978年に小学6年生だった三人組が、年を重ね大人になり、40歳になったという設定なのです。「ズッコケ三人組」シリーズは、1978年~2005年までずっと小学6年生でしたからね。

ハチベエとモーちゃんは結婚して子どもにも恵まれていますが、口が達者なハチベエは軽薄で女好き、モーちゃんは就職した会社が倒産してしまいます。一方、ハカセは独身、中学校の教師をしていますが、受け持っているクラスは学級崩壊してしまい苦悩します。

 

「ズッコケ三人組」は、明るく気楽に、ときにはじんわり感動しながら、楽しく読めるシリーズでした。

一方、「ズッコケ中年三人組」は、作風ががらっと変わります。ほっこりした話題というよりは、40代ならではのリアリティある問題が浮かび上がってくるのです……。このシフトチェンジには、長年ズッコケを読んできた私も驚きでした。

でも、小学生と40歳では、抱えている問題が違って当然ですよね。年を重ねることで、いろんなものをうしないながらも、多くのものを得ているのもこれまた事実なのです。

 

 

すっかり熟年です!
『ズッコケ熟年三人組』

50歳
『ズッコケ熟年三人組』

50歳になった『ズッコケ熟年三人組』!

こちらは、2014年8月に起こった、広島市の大規模土砂災害をテーマに書かれた作品です。

1942年、広島市に生まれた那須さんは、この土砂災害に関しては特別な思い入れがあったのだそう。使命感から書かれたこの作品は、綿密に被災地への取材がなされた大作に仕上がっています。

教え子を探して被災地を歩くハカセ、現場に駆けつけるハチベエとモーちゃん、そして50歳になった彼らの結末とは……?

 

「ズッコケ三人組」シリーズは、この作品で終わりとされています。ズッコケ好きな方、ぜひ3人の有終の美を目に焼き付けてください。

 

 

日本を代表する児童文学「ズッコケ三人組」の素晴らしさ

世代を超えて受けつがれてきた「ズッコケ三人組」。三世代に渡って読んでいる人もいるでしょう。

いくつになってもワクワクドキドキさせてくれる「ズッコケ三人組」をぜひこの機に読み直してはいかがでしょう?

 


今回ご紹介した「ズッコケ三人組」の小説

那須正幹(著)、ポプラ社
それいけズッコケ三人組
ズッコケ三人組の卒業式
ズッコケ中年三人組
ズッコケ熟年三人組
その他シリーズ作品はこちら


 

ライター

飯田 萌
フリーランスのライター。一児のママ。出産前まではリクルートで結婚情報誌を担当。現在はWeb媒体にて書籍、音楽、育児など幅広く執筆中。影響を受けた作家は白石一文。趣味はスイーツを愉しむこととドラマ鑑賞。