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“和の文化”がテーマの漫画|日本の伝統文化を知ろう!


更新日:2018/5/13

永きにわたって、日本の生活を彩ってきた和文化(伝統文化)。普段携わることはないものの、機会があれば和文化に触れたい、知識を得たい、という方は多いのではないのでしょうか。

 

今回ご紹介するのは「和の文化をテーマにした漫画」。

競技かるたをテーマにした『ちはやふる』(末次由紀 著)、『3月のライオン』(羽海野チカ 著)など、大ヒットした作品を省き、まだあまり知られていない名作品を揃えました。

ぜひ、和の文化を知るための入門編としていかがでしょうか?

 

“箏曲”がテーマの漫画

『この音とまれ』表紙

この音とまれ
アミュー(著)、集英社

先輩が卒業して箏曲部ただ一人の部員になってしまった武蔵。

四月になり新入部員の勧誘に励むのだが、部の存在自体を知らない人も居る状態。

そんな彼の前に現れた、見るからに不良で箏とは縁の無さそうな新入生が入部したいと言い出して!?(表紙裏)

 

箏曲部を舞台にした青春ストーリー。

部員それぞれの思いを乗せて響く箏。迫力たっぷり、臨場感あふれる演奏シーンには、思わず興奮してしまうはず。漫画越しに、心の炎が灯されたような感覚になることでしょう。

一般的な箏の絃の本数は13本あること。絃の名称は上から一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、斗、為、巾という名称であること。弾くときは、糸の下に箏柱を立て、3本の指に爪をはめて調弦をとって弾くこと。
漫画を読んでいるだけなのに、学んだ知識はまだまだたくさんあります。

また、本書の面白さは、なんといっても「スカッとすること」。見るからに不良の登場人物たちが、周りの想像に反して芸を極めていく姿は、見ていて心が熱くなるはずですよ。

 

“茶道”がテーマの漫画

『私は利休』表紙

私は利休
連打一人(著)、早川光(原作)
集英社

平凡な日常に不満を抱きながら過ごすOL雪吹なつめは、どこにでもいる普通の女子。ある日、偶然出逢ったイケメン茶人・山上宗刻に導かれて茶道教室を覗くことに。冴えない同僚田中芳郎(黒ピー)を誘った彼女。そこに待っていた驚きの”世界”とは…!!?(表紙裏)

 

茶の湯について素人にもかかわらず、真贋を見抜く目を持ち、安土桃山時代の茶人、千利休の生まれ変わりのような言動をする田中芳郎(通称:黒ピー)。

ある日、山上流宗家の山上宗刻と出会ったことをきっかけに、才能を開花させていく……というサクセスストーリーです。

本書を読むと、茶花(茶会に生ける花)、茶道具、おいしいお茶の点て方といった知識を得ることができるだけでなく、茶道の心や本質を知ることができるのがポイント。

「見た目や名前だけで価値が決まると思ってる。真の価値は心の未熟な者には理解できない」など心に残る名言も盛りだくさん。

千利休の茶の湯が400年の時を超えて蘇る―その一部始終を、ぜひとも見届けてくださいね。

 

“津軽三味線”がテーマの漫画

『ましろのおと』表紙

ましろのおと
羅川真里茂(著)、講談社

津軽三味線を背負い、単身、青森から東京へやってきた津軽三味線奏者・澤村 雪(さわむら せつ)。師でもあった祖父を亡くし、自分の弾くべき音を見失ってしまった雪だが、様々な人々と出逢いながら今、自らの音を探す旅を始める。(表紙裏)

 

津軽三味線の魅力に魅せられた「雪」の青春ストーリー。

抑えきれない思いを、音に乗せて運ぶ高校生の雪。なぜ自分は三味線を弾くのか、どんな音を出したいのか、津軽三味線の修行を経て、人間的に成長していくという作品になっています。

私は本書を読んで、三味線と津軽三味線が別物ということを知りました。(お座敷でチントンシャンと弾かれているのは三味線、太棹のものは津軽三味線)
現在の自分に満足していない方にとっては刺激となる作品かと思います。

なお、津軽三味線のグループ「吉田兄弟」ともコラボレーションしている漫画であるため、実際の音を聴きながら楽しむことができますよ。

 

“落語”がテーマの漫画

『昭和元禄落語心中』表紙

昭和元禄落語心中
雲田はるこ(著)、講談社

満期で出所の模範囚。だれが呼んだか名は与太郎。 娑婆に放たれ向かった先は、人生うずまく町の寄席。 昭和最後の大名人・八雲がムショで演った「死神」が忘れられず、生きる道は噺家と心に決めておりました。 弟子など取らぬ八雲師匠。惚れて泣きつく与太郎やいかに……!?昭和元禄落語心中・与太郎放浪篇、いざ幕開け!!(表紙裏)

 

人情味溢れた作品。

私は本書で落語の楽しみ方を知りました。動き方、身振り手振り、鬼気迫る口調……。
登場人物の艶っぽさ、小気味いい掛け合い、江戸っ子口調が癖になり、その迫力ある世界には思わず引きこまれてしまいます。

また、この登場人物のモデルはあの人かな、などと思いを馳せてみるのも楽しいものです。

 

漫画を読んで和文化を楽しむ

今回ピックアップした作品は、知識が一切なくても楽しめる作品ばかり。

非常に面白い作品ばかりですので、ぜひ手に取ってみてくださいね。

【おすすめ記事】北海道が舞台のおすすめ漫画

 

和を感じられるコミックをもっと読みたい方はこちら!

 

今回ご紹介した漫画

この音とまれ
アミュー(著)、集英社

私は利休
連打一人(著)、早川光(原作)、集英社

ましろのおと
羅川真里茂(著)、講談社

昭和元禄落語心中
雲田はるこ(著)、講談社