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授業で習った? もう一度読みたい芥川龍之介作品5選


芥川龍之介といえば、純文学の代表作家であり、昔から国語の教科書に多くの作品が取り上げられてきました。

学校の授業でも習ったことがある方も多いのではないでしょうか?

 

優れた文学は大人になってから読むと、子供の頃とはまた違った魅力を感じるものです。
今回は、「芥川龍之介の作品を大人になって、改めて読みたい!」という方におすすめの作品を厳選して5つ紹介します。

 

食い違う証言。一体真実は?
『藪の中』

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『藪の中』
角川書店

1922年に発表された短編集です。

「真相は藪の中」という表現は、今でも使われることがありますが、この作品が発祥だという説があることはご存知ですか?

表題作の『藪の中』は、殺人と強姦という事件について、目撃者と当事者の証言が食い違う様を描いたもの。読み進めていくと、証言に矛盾があり複雑に入り組んでいるため、真相を解き明かすのが非常に困難になっています。

1950年に黒澤明さんの映画『羅生門』で映像化されました。『藪の中』と『羅生門』の2つの作品を原作としていて、出演者は三船敏郎さん・京マチ子さん・森雅之さんなど。

映画では、真相について1つの解釈が提示されています。あなたの考える真相とは同じでしょうか?

 

自分を守るために追い詰められていく
『羅生門』

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『羅生門』
角川書店

教科書によく掲載されている作品ですので、題名だけは知っている方も多いのではないでしょうか。

追い詰められた人間が、自分自身を守ることに必死になる姿が印象的です。追い詰められるまでは普通の人間だったはずが、いつの間にか正義や倫理が一切なくなってしまうのが悲しく、また恐怖も感じさせます……。

現代社会でもこのようなことは起こりうるはず。
今も昔も変わらない人の弱さを明確に描いているからこそ、不朽の名作と位置付けられているのでしょう。

芥川龍之介の作品は考えさせられる作品が多いですが、この作品は特にそれを色濃く感じます。

 

誰にでもある「コンプレックス」について描く
『鼻』

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『鼻』
ポプラ社

芥川龍之介の短編小説の中でも評価が高く、今もなお不朽の名作とされているのが『鼻』です。

主人公は非常に大きな鼻を持っていて、日頃からそんな自分を恥ずかしく感じていました。
ある日秘薬を使って矯正することに成功し、晴れて普通サイズの鼻になるのですが、自分に思ってもみなかった心境が生まれ……という、コンプレックスをテーマにした作品です。

単にコンプレックスを解消すれば良いというわけではないのがポイント。コンプレックスに、自尊心やアイデンティティも絡んできます。

誰でも多少なりとも身体的なコンプレックスを感じたことがあるはずで、だからこそ万人に向けて説得力の高い内容です。

この作品を読むたびに、人間の心は本当に複雑で、自分ですらとらえ切れないところもあるものだと思います。芥川龍之介は、微妙な人間の感情の移り変わりを描くのが本当に上手い作家です。

 

 

『蜘蛛の糸』

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『蜘蛛の糸』
新潮社

地獄の亡者たちに取り囲まれているカンダタ。その目の前に1本の蜘蛛の糸が。お釈迦様が情けで垂らしてくれた糸で、その糸をたどって登れば地獄から脱出できるという。

早速カンダタは喜んで登り始めますが……。

 

とても短く15分ほどで読めますが、芥川龍之介の作品の中でもトップクラスの知名度を持つ作品でしょう。多くの著名人にインスピレーションを与えています。

カンダタはどうするべきだったのか? 大人になってから読むと、子供の頃とは違った印象を受けるでしょう。

児童向けの作品なので、芥川作品初心者という方にもおすすめです。

 

少年が、大人の世界を体験する
『トロッコ』

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『トロッコ』
角川グループパブリッシング

『藪の中』が発表され、そのわずか2ヶ月後に発表されたトロッコに夢中になる少年を描いた短編小説です。

 

物語の舞台は、小田原と熱海の中間にある村。そこでは鉄道工事が行われていました。
主人公の少年・良平は、トロッコで土を運ぶ土工に憧れ、トロッコを押したり乗ったりして遊びます。そんな良平が、ある日遠くまでトロッコを押すことになるが……。

 

トロッコや土工など大人の世界に触れ、さらにトロッコで遠くまで行った後の良平に起こる出来事や、心境の変化がみどころです。

トロッコに乗らなくても、少年・少女から大人に成長する様子は今も昔も共通したものがあるとわかります。

蜘蛛の糸などと同じく、児童も読みやすい作品であることから一部の中学校の教科書に採用されています。小説をちょっと苦手と感じている方にもおすすめですよ。

 

芥川龍之介の傑作!意外と読みやすい作品も多いのでおすすめ

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芥川龍之介というと、純文学でとっつきにくいと感じる方もいるかもしれません。

しかし、読みやすい短編作品が多く、人間の在り方について考えさせられる作品も多くあります。子供の頃はおとぎ話のように感じていたものでも、大人になってから読むとリアルに感じることも。

まずは一度、気軽に読んでみてくださいね!

 

今回ご紹介した芥川龍之介の書籍
藪の中
羅生門

蜘蛛の糸
トロッコ