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運命を狂わす愛の物語。石田衣良 著書『夜の桃』あらすじ・感想


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夜の桃
石田衣良(著)
新潮社
発売日:2010/12/24

 

 

 

あらすじ

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東京でバブリーな生活を送る、雅人。仕事は順調、美人の妻、20代と30代の2人の愛人。幸せを満喫していた主人公だが、ある日少女のように純粋な女性と出会い、彼女との恋に溺れてしまったことで、積み上げてきたすべてが壊れていく…。

 

愛によって狂い始めた人生

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石田衣良さんの『夜の桃』は、2008年に新潮社から刊行され、エロティックでバブリーな恋愛小説だと話題になりました。

石田衣良さんは、まるで女性が書いたかのような視点や表現、詩的な描き方をすることがありますが、『夜の桃』は男性視点で描かれた作品です。

ローンではあるけれど数億円の自宅、高級外車、イタリア製のスーツ、スイスの高級時計、美人の妻に可愛い愛人たち、とすべてが揃っている、男のロマンの標本のような主人公。しかしその人生はあることをきっかけに狂っていきます。

その過程がエロティックに語られ、読者が「欲望にまみれた男はこうなるのかな」と思うように展開していきます。そうそう都合良くはいかないというメッセージなのかもしれません。

最初はあまりに恵まれている雅人に男性なら嫉妬と羨望、女性なら軽蔑の念を抱くかもしれません。しかし、そんな彼が愛によって運命を狂わせていく姿は恐ろしくもあり、滑稽でもあります。こうした人間の欲望や願望、成功や堕落を克明に描いて読者を惹きつけるのが、石田作品の魅力です。

解説でイラストレーターの安西水丸さんは「この小説は現代版『人間失格』かもしれない」と書いており、的を射ているといえるでしょう。

 

今回ご紹介した書籍
夜の桃
石田衣良(著)、新潮社

 

石田衣良さんは、他にも青春小説やサスペンスなど、様々なジャンルを書かれています。
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