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石田衣良 著書『娼年』あらすじ・感想


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娼年
石田衣良(著)
集英社
発売日:2004/05/19

 

 

 

あらすじ

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大学生活にも恋愛にも飽き飽きして過ごしている20歳のリョウ。ある日、バーで知り合ったボーイズクラブのオーナーと出会い、秘密の仕事に誘われる。
年上の女性たちに体を売る「娼夫」になった彼のひと夏が綴られた長編恋愛小説。

 

 詩的な雰囲気で、美しくも儚い。

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『娼年』は、石田衣良さんが初めて書いた恋愛小説です。2001年に発行され、第126回直木賞にもノミネートされました。2008年には『逝年』という続編が発表されています。

両作品は漫画化され『オフィスユー』(集英社)で連載されました。また、2016年には松坂桃李さん、高岡早紀さん、佐津川愛美さん主演で舞台化されています。

「欲望の果てを見てみたい」と、エロティックな経験を重ねていく主人公のリョウ。
この小説の大部分は性描写で構成されています。ですが、そうしたシーンも流れるように詩的な雰囲気で、透明感さえ感じさせるのは、石田さんの筆力、表現力によるものでしょう。

リョウは女性に対して優しく、暴力的な言動をとりません。相手の年齢にかかわらず、どの女性にもそれぞれの魅力を発見しています。女性を単なる性の対象としてではなく、敬意をもって接しているのも、この小説が女性にも愛された理由でしょう。

簡単に解説するなら「20歳の大学生が性体験を重ねていく」となりますが、リョウがいろんな女性と肌を合わせることでさまざまなことを学び、成長していくジュブナイル作品ともいえます。

性描写が多いため、毛嫌いする人もいると思います。しかし、作品の根底にあるのはリョウのあまりに純粋な思いです。女性たちと情事を重ね、成長していく彼のひと夏の物語に寄り添ってみてください。

 

今回ご紹介した書籍
娼年
石田衣良(著)、集英社

 

長編小説はもちろん、短編集やエッセイなど!
石田衣良さんの作品をご紹介した特集はこちら。