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ビターな味わいの恋愛短編集。石田衣良 著書『愛がいない部屋』


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愛がいない部屋
石田衣良(著)
集英社
発売日:2008/06/25

 

 

 

本内容

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誰もが憧れる高層マンションで、夫と娘に囲まれて生活する愛子。彼女は、自分の人生の決定的な失敗について考えていた…。
表題作『愛がいない部屋』ほか、『空を分ける』『魔法の寝室』など、神楽坂に建つ高層マンションに住む人々の暮らしを描いた恋愛短編集。

 

ブラックチョコレートのような恋愛短編集

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『愛がいない部屋』は、『スローグッドバイ』、『1ポンドの悲しみ』に続く作家・石田衣良さんの3冊目の恋愛短編集で、2005年に出版されました。

石田衣良さんは、前2作において20代、30代の年代の人々をテーマにした恋愛短編集を描いてきました。これまでの恋愛短編集と趣向が異なる本書では、「メゾン・リベルテ(自由の家)」という名の高層マンションが共通点となる人々の暮らしが描かれています。

新築の高層マンションを見上げた時、一般の人が想像するのは「輝かしく、幸せそうな日々を送る恵まれた人々の暮らし」かもしれません。しかし、どんなに立派な建物の中で暮らしを紡いでいようと、誰もが何かを抱えながら生きています。いつもと同じような毎日の中で、誰かが新しく前を向くための決断をしているのです。

そんな決断の一瞬を目にした読者は、自身の恋愛や人生について、ふと立ち止まって考えてみたい衝動に駆られるでしょう。

石田衣良さんは、ハッピーエンドにこだわらなかったという本書を「砂糖をほとんど使用しないビターなブラックチョコレート」と表現しています。

短編集ですので、ちょっとした空き時間に読み進めることができます。

高層マンションの住人に興味が湧いたひとときに、ビターな味わいをゆっくりかみしめてみてはいかがでしょうか。

 

今回ご紹介した書籍
愛がいない部屋
石田衣良(著)、集英社

 

石田衣良さんは、他にもサスペンスや青春小説など様々なジャンルを書かれています。
石田衣良さんが気になったら、他の作品もどうぞ!

ライター

アオノ
アオノ
本と芝居とミュージカルが好き。小説と児童書が特に好きです。週末の楽しみは、劇場へ行くこと。舞台を観るため各地へ飛び回るアラサ―女子です。