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【書評】30代にしておきたい17のこと


『30代にしておきたい17のこと』表紙

30代にしておきたい17のこと
本田健(著)、だいわ文庫

「30代にしておきたい17のこと」の著者本田健氏は、複数の会社を経営するお金の専門家です。

「ユダヤ人大富豪の教え」の著者であり、出版される本はすべてベストセラー。そんな著者がこの本を世に生み出したのは、40代のこと。
『この本には自分の30代を振り返って「知っておいたらよかったな」ということをまとめた』そうです。

17つの章に分かれており、30~70代の人に聞いた“30代でしておけばよかったこと”も収録されています。

 

30代という「分岐点」

『自分の可能性をが幻想的に開くのが10代、それを試しながら失望していくのが20代、そして30代は、希望と絶望の狭間にいます。
気の早い人は、もう絶望の岸に渡ってしまったのかもしれません。』(「はじめに」より)

30代は何かできるかもという希望もありつつ、でも新しいことに挑戦するには遅いのではないかという気持ちになる人は多いのではないでしょうか。

転職、結婚や出産・子育て、家族の介護など、ライフステージが大きく変貌する人がほとんどです。
失望と絶望、希望の狭間でうろうろするだけでなく、できることをしてみませんかという問いかけが本書全体を通しての印象です。

それでは、今回は筆者が本書より厳選した7つの30代にしておきたいことをご紹介します。

 

30代で人生の90%が決まる

『それまで何も考えてこなかった人が、いきなり変ろうと思っても難しいものです。』(24ページ)

30代で人生のほとんどが決まるなんてことがあるのかな?と疑問に思いますが、人生は積み重ねということは言うまでもありません。

10代20代をなにも考えずに生きてきた人が突然30代になって、成功を求めたとしても思うような成果が上げられないのは当然です。
それを理解しないで、急に成功したいと思ってもできませんよ、と優しく諭してくれています。

なりたい自分になるために行動へ移すことが比較的容易にできるのは、30代までと考えておくことが重要なんですね。

 

人生をゼロから始めたことを思い出そう

『おぼろげながらでも、自分が人よりもうまくできること、才能らしきものがわかっているはず。』(43ページ)

今では超一流のプロでも、始めたときは素人です。

30代になれば、自分がこれまでしてきたことで、人よりもちょっと上手にできるかな?と思うことは漠然としていても、1つくらい心当たりがあるのではないでしょうか。それはきっと自分の人生にとって大切なことです。

今は思い当たらなくても心配しないでください。普段の生活の中で、自分が何をしているのかを観察することで見つかるものです。

 

自分にとっての幸せ、豊かさを定義する

『幸せの基準が不明確だと、まわりの風に流されます。』(55ページ)

これはとても重要なポイントだと思います。幸せは人によって異なります。お金があっても、高級品を手に入れても、幸せにつながるわけではありませんよね。

本書では物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさについて触れています。毎日幸せだと思えることはなにか。自分が大切にしたいことは何か。

改めて考え、自分自身に問いかけ続けることで見えてくるかもしれません。

 

あなたは自分にどんな保険をかけていますか

『経済的な面からも、30代というのは人生の基盤をつくる、とても重要な時期だと思います。』(52ページ)

生命保険や医療保険などではなく、人生の保険について著者は問いかけています。現代日本において、年金があてにならないという話はよく聞きますよね。

一流企業でさえ倒産するリスクは秘めています。実際に筆者は倒産した会社に勤めていたことがあるため、この部分にはとても共感させられました。

どの企業に勤めていても、終身雇用は保証されない時代です。いざというときにどうするのか考えたことがありますか?と問いかけています。
年代を問わず、確実に考えておきたいことですね。

 

自分は、どの分野で何をしていくのか

『自分はいったい、何をやりたいのか?そのことを見極めることです』(82ページ)

居場所を探すのは20代までで、居場所を決めるのが30代という著者。30代のうちに専門分野を持っておくことが今後の人生において重要なのだと思います。

目の前のことに打ち込む内に専門家になっていたということもありますよね。もちろん趣味でも構わないと思います。

人生を豊かにすることが目的です。自分が楽しいと思えるなにかはありますか?

 

どんなときも、ワクワクすることを選ぶ

『目の前の選択肢の中から、いつもワクワクすること、怖いけど楽しそうなものを選ぶだけ』(156ページ)

ワクワクすることは、いくつになっても楽しいものですよね。どんな小さなことでも構いませんので、楽しそうだなと思うことに挑戦してみてください。

ワクワクする人生を歩みたいなら30代が最後かもしれないそうですよ。楽しいことを選択していると、自然に面白い人生につながっていくそうです。

40代になると常識が勝ってしまい、冒険することがむずかしくなるようですね。
体力的にも現実的にも多少の無理がきくのが30代。せっかくなら楽しい人生を歩みたいもの。人生を楽しみましょう。

 

何のために生きているのか?

『自分にとってかけがえのない、とっても大切なもの、それが人生の目的です。』(162ページ)

30代は現実的な人生と向き合って、生きる目的を考えるようになっていると著者は言います。自分にとって大切なものは何なのか。

たくさんある人もいるかと思いますが、特にないという人もいるでしょう。
何を大切にしたいのか考えてみることは、人生を豊かにする一歩になると思いますよ。

 

年齢を問わずおすすめしたい

筆者(34歳と72ヶ月)は、本書を34歳のときに読みました。この本を読んで、自分を見つめ直すとてもよいきっかけになったのは事実です。

著者が30代を振り返ると、大きなセルフイメージのシフトがあったことで、40代がとても充実しているそうです。同じような充実感を得ることは可能なのだと希望が持てます。

本書の一貫しているメッセージは、「大切なものはなにか」ということです。30代は人生においてかなり多くのターニングポイントがほとんどの方に訪れます。

20代ではがむしゃらにやってきたことを、30代では厳選してとっておきを見極めることがポイントになると私は解釈しています。

 

私は30代のときに、自分の人生はこれで良い訳がないと、はたと気づいたのです。自分には才能があるに違いないとおかしな勘違いをしていることもありました。

取り返しのつく内に人生を修正しよう。そう気づき行動を起こしてみると、時間をかけてですが、少しずつ友人も変わり、職場も変わり、自分のやりたい楽しいことがおぼろげながらに見えてきたのです。
その気づきを与えてくれるのが本書。自分がやろうとしない限り、なにも変わりません。すべてはあなた次第。と著者は言います。

人や社会のせいにしている限り、何も生み出さないのだと本書から学びました。

 

本書は30代以外に、20代・40代・50代・60代とシリーズ化しています。とはいえ、どの年代の方にも大切なことが本書には満載です。

一章一章が簡潔で短く、優しい文章のため、どなたにも読みやすいと思います。ぜひ手にとってみてくださいね。

今回ご紹介した書籍

30代にしておきたい17のこと
本田健(著)、だいわ文庫

 

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